乳がんを経験して人生観が変わりました ライフオーガナイザーインタビューvol.19(川田元子さん・前編)


おはようございます。
ライフオーガナイザー、会田麻実子です。

今回お話を伺うのは、北海道札幌市在住のマスターライフオーガナイザー、川田元子さん。ライフオーガナイザーになったきっかけや暮らしに起こった変化などを伺いました。

インタビュアー・記事・写真/会田麻実子

乳がんを経験して人生観が変わりました ライフオーガナイザーインタビューvol.19(川田元子さん・前編)

――もともと、片づけは得意なほうだったのですか?

いえ、苦手でした。独身時代の部屋は、いわゆる”汚部屋“で、ものに埋もれるような生活をしていました。一方の夫は片づけが得意で、夫の家族も得意。整った環境で育った夫には、わたしの片づけベタが苦痛だったようで、よくケンカになりました。なんとかしたいけれど、どうしていいかわからないし、片づけ方もわからない。自分なりにがんばってみても長続きせず、リバウンドを繰り返していました。

そんな中で息子を妊娠しました。さらに妊娠中に夫が、関東に転勤することになったんです。わたしも一緒について行くことにしたので、知り合いのまったくいない土地への引っ越しとそこでの出産を同時期に経験しました。

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――それは大変でしたね。

転勤で家が狭くなり、出産でものが増え、知り合いのいない土地での初めての育児。しかも夫は激務。わたし自身、産後体調を崩しやすくなったこともあって、とにかく、目の前にあることや変化に対応するのに手いっぱいで、片づけに気持ちを向けることができませんでした。

――そこから、どのようにライフオーガナイザーにつながったのですか?

息子が1歳になった頃のことです。万が一わたしが体調を崩したときに、「知り合いのほとんどない土地でもいざというときに頼れる先を作っておきたい」「余裕のない日々の中で、心のバランスを崩してしまうのを未然に防ぎたい」と考えて、地域の一時保育を利用しました。

その日、産後初めて一人でゆっくりコーヒーを飲んだんです。そのときふと、「わたしがやりたいことってなんだろう?」という考えが頭をよぎって……。数年で札幌に戻ることはわかっていたので、「外に出よう。関東にいるうちに、ここでしかできないことをやろう」と決めました。

育児だけの生活から、地域のサポートを利用して外に出るようになって、偶然ライフオーガナイザーという仕事を知りました。お世話になっていたアロマセラピストさんがたまたまライフオーガナイザーの鈴木尚子さんとお友だちだったんです。尚子さんのブログを読むようになって「片づけって学べるんだ」と興味を持ちました。

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――それで、ライフオーガナイザーの講座を受講されたのですね?

でも、実はライフオーガナイザーよりも前に、他の片づけの資格を取得したんです。ライフオーガナイザーは、「ざっくりでOK」「こうしなければいけないという決まりがない」など自由な考え方で、わたしにはこちらが合っていると感じました。

実際、ライフオーガナイザー1級(プロとして仕事をするための資格)の認定を受けた後は、リバウンドをしなくなったんです。探しものが減っただけでなく、時間も守れるようになりました。息子に対してもイライラすることが減ったと思います。

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――片づけ以外にも大きな変化があったのですね。

そうですね。ものごとを俯瞰するクセがついて、自分の行動を振り返ることも増えて、自分の得意不得意がわかったことが大きい気がします。できない自分を責めたり諦めたりせずに、どうしたらできるようになるかを考えるようにもなりました。

息子に対しても同じで、その場限りの解決ではなく長い目で考えるようになって、関わり方も変わりました。たとえば、以前は「まだ終わってないの!」「早くしなよ!」と感情的に怒ることもありましたが、今は「5分たったよ」というように数字や事実を伝えて、自分で考えることを促せるようになりました。

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――札幌に戻ってから、生活に変化はありましたか?

神奈川にいる間にマスターライフオーガナイザー(協会認定講師として仕事をするための資格)を取得して、2014年に札幌へ帰ってきました。引っ越しやそれにまつわるさまざまな手続きが終わり、「さあ、札幌でもがんばっていこう」と動き出した矢先に、健康診断で乳がんが見つかりました。幸い初期のもので、左胸は全摘出しましたが、抗がん剤治療はなし。今は経過観察中です。

乳がんになったことで、人生観が変わりました。「妻だから」「母だから」という縛りを捨てて、もっとわがままに「生きているうちに好きなことをやろう」と。

2015年の4月には、ロサンゼルスで開催されたNAPO(National Association of Professional Organizers)のカンファレンスにも参加したんです。息子の小学校入学のタイミングでしたが、海外のオーガナイザーとの交流で、たくさんの刺激を受けました。「タイムタイマー」と出会ったのもこの時です。

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――心に大きな変化があったんですね。

今はドラムや書道を習い、息子と真剣にケンカする日々を過ごしています。命には限りがあることを知ってから、あきらめが悪くなりました。
「どうせ無理」は、「やってみる」
「いつか行こう」は、「今行こう」
「できない」は、「今できないだけ」
に変わり、最近はさらにあきらめが悪いです。

がんになった事実も消えないし、失った胸も返っては来ないけれど、新しい自分はやってきました。5年前にがんを宣告されたときには、こんな自分を想像できませんでしたが、今とても幸せです。

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後編へ続く

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ライフオーガナイザー 川田元子
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