ラクにすっきり片づく! 3つのクセから考えたパントリーの設置場所

おはようございます。
ライフオーガナイザーのさいとう きいです。

前回に引き続き、神奈川県川崎市在住のマスターライフオーガナイザー、吉川圭子さんのお宅をご紹介します。

吉川さんは3年前に新築した「無印良品」の「木の家」に、ご主人と3人の娘さん(小学6年生と小学3年生の双子)との5人暮らしです。

過去記事はこちら。
大型の食器棚や吊り戸棚がなくても片づく!オープンキッチンの収納例

こちらは前回ご紹介したキッチンの裏側。レールと棚板を取り付けて、可動棚をDIYしたパントリースペースです。

収納のクセから考えた「一覧性のあるパントリー」

最上段には出し入れの少ないもの(家族の思い出ボックス、重箱やクリスマスのデコレーションといった季節もの)、中段は日常的に使っているもの(食品や日用品のストック、お菓子作りの道具や調理器具、家電製品の取扱説明書)、下段にはプリンタなどのパソコン周辺機器類と、ゴミ箱・掃除道具をまとめて置いています。

キッチン・リビング・ダイニングで使うものを、奥行きの浅い収納棚に集約させることで、どこに何があるかがひと目でわかるうえ、「あれ、どこに置いたかな?」とあちこち探し回る手間も省けるそうです。このスペースのおかげで、キッチン・リビング・ダイニングをすっきり保てるというメリットも。

大人数の来客があっても、食器の量が増えない秘密

実は吉川邸のオリジナル設計ではキッチンの背面にウォークインパントリーがありました。けれども、あえてプランを変更。ウォークインパントリーをなくし、キッチン背面の奥行を浅くすることで、独立したパントリーのスペースを確保しました。

「収納スペースに奥行きがありすぎたのがプラン変更の一因です。わたしはものを管理する際、全体を見渡せるようにしておきたいタイプなんです。奥行きがありすぎると管理がむずかしくなります。ウォークインパントリーの扉を開放したとき、リビング・ダイニングから雑多なものが丸見えになるのも気になりました。扉を開けても美しい収納をキープするのは、わたしにはむずかしそうだったので…」という吉川さん。

ご自身のものの探し方、管理の仕方のクセを意識したことが、「プライベートスペースとして独立した、一覧性のあるパントリー」という選択につながったのですね。

収納のクセから考えた「一覧性のあるパントリー」

パントリーは洗面所への通り道にもなっています。廊下に面した場所にあるおかげで、ウォークインパントリーのように出し入れがラク。廊下とウォークインスペースを別に設けるよりも、効率的に空間を使うことができます。来客時にはロールカーテンを下ろせば、お客様の目に触れません。

収納のクセから考えた「一覧性のあるパントリー」

パントリーでは、収納方法にも「ぱっと見てわかる」工夫がなされています。

書類や取扱説明書など紙のものは紙のファイルボックス、キッチンペーパーやボックスティッシュなど、湿らせたくないものはプラスチックの収納ケース、乾物やお菓子のストックは通気性のよいバスケットに。収納するものによって素材を変えることで空間を視覚的にゾーニングし、よりものが探しやすくなっています。

キッチンに置くことが多いダストボックスとゴミ袋のストック類もパントリーに。プライベートスペースとして独立した場所だから、パブリックスペースであるリビング・ダイニングから見えることはありません。

収納のクセから考えた「一覧性のあるパントリー」

どこに何があるのか、使った後はどこに片づければいいのか、ひと目でわかるようにケースにラべリング。娘さんのアイデアで、子ども達が出し入れするものはイラスト入りラベルをつけています。

収納のクセから考えた「一覧性のあるパントリー」

棚に隙間があると、つい何かを置いて埋めたくなる…という心理を見越して、空きスペースの収納?にも工夫が。

「中に入れるものがなくても、空の収納ケースを入れて空きスペースを塞いでおきます。“ちょい置き”でものが増えないだけでなく、急遽収納スペースが必要になったときに慌てることもありません」

自分や家族がものを探すときのクセ、ものを戻すときのクセ、管理の仕方のクセまでも意識した収納の工夫が、吉川家の暮らしの余裕につながっているようです。

あなたは生み出された時間で何をしますか?
何をしたいですか?

心地いい暮らしづくりに役立てれば嬉しいです。

記事:油科真弓
写真:川俣満博
編集:さいとう きい

ライフオーガナイザー 吉川圭子
ブログ:整理収納手帖

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