おはようございます。
ライフオーガナイザーのさいとう きいです。
9月といえば「防災月間」。備蓄品や非常用持ち出し袋を見直された方も多いかと思います。……が、その見直しに、家族は参加していましたか?
兵庫県在住のライフオーガナイザー、横田ちひろさんに、家族が参加したくなる防災対策について教えてもらいました。
記事・写真/横田ちひろ
編集/さいとう きい
こんにちは。ライフオーガナイザーの横田ちひろです。
災害は突然やってきます。でも「そのとき」に、母である私が家族のそばにいるとは限りません。わが家では、防災対策に3つの「楽しみ」を取り入れることで、家族が積極的に取り組めるようになりました。
■ 1. 非常用持ち出し袋に「楽しみ」をいれる
非常時に持ち出すリュックの中身は、母ではなく家族が個々で管理。でも、ただ用意するだけではつまらない! そこで、リュックにそれぞれのお気に入りの「癒しグッズ」を入れることにしました。
今、リュックに入れている「癒しグッズ」は、娘が小さなぬいぐるみ、私はアロマと文庫本、主人はなぜか除菌剤(衛生に関する仕事をしているので、持っているだけで精神的に落ち着くんだそう……笑)。
「それは重いからやめたら?」「それがあれば安心するんだね」。そんな風に、毎回それぞれが選んだ、今の自分にとっての「癒しグッズ」について話し合うのも、楽しみのひとつ。万が一、避難生活を送ることになったときには、「癒しグッズ」がストレス軽減に役立つそうなので、実用的でもあるんですよ。
■ 2. 日常的にパッククッキングを「楽しむ」
「パッククッキング」とは、耐熱性の高いポリ袋に入れた食材を、カセットコンロなどで温めたお湯でボイルする調理法。ガスや電気が止まっても、備蓄食材や冷蔵庫にあるものを使って温かい料理をつくることができます。
わが家ではこのパッククッキングを、普段から家族で行っています。屋外が気持ちよい季節には、ベランダでパッククッキングを楽しむことも。
家族が大好きなレシピは「なんちゃって蒸しパン」。ホットケーキミックスに水か牛乳を入れてホットケーキをつくる位の固さにし、20分ボイルするだけで、おいしい蒸しパンができます。卵やバターを入れなくても、とってもおいしくておススメです!
■ 3. 食べるのが「楽しみ」になる備蓄を
私が不在中でも家族が迷わず取り出せるよう、備蓄食材は廊下にある納戸のなかに、ラベリングをして保管しています。以前はレトルト食品や缶詰をあまり食べなかったわが家ですが、備蓄の必要性を感じ、一週間分の食材をストックするようになりました。
でも、「もしもの時」にレトルト食品や缶詰をそのまま食べるのは味気ない。そう考えて、時間に余裕のある休日のランチなど、備蓄食材をアレンジしたメニューに挑戦してみることにしました。
たとえば、「サバ缶 レシピ」といったキーワードでレシピを検索。それをアレンジしてパッククキングで実践。成功するときもあれば、失敗するときもありますが、休日のイベントと考えれば、楽しみながら取り組めます。
こんな風に防災対策に「楽しみ」を取り入れたことで、思いがけないメリットもありました。たとえば
・ 楽しいから、無理なく続けられる。
・ 今の自分達にとって大切なことを考える機会が増え、家族の大切さを改めて実感。家族仲がよりよくなった。
・ 災害時を想定して実際に行動してみることで、家族(特に子ども)の災害に対する不安が減った。
など。
家族みんなに防災意識を持ってほしいけれど、起こるどうか分からないことに家族を巻き込むのって大変です。そんなときは「楽しみ」を取り入れてみると、防災対策が単なる「義務」から、家族が参加したくなる「イベント」に生まれ変わるかもしれませんよ。
あなたは生みだされた時間で何をしますか?
何をしたいですか?
心地いい暮らしづくりに役立てばうれしいです。
ライフオーガナイザー 横田ちひろ
ブログ:Maison du Soleil 子どもの家庭環境保育~乳幼児・学童期親子が楽になる家庭環境づくり~