おはようございます。
ライフオーガナイザーの秋山陽子です。
2014年8月20日、広島で起きた土砂災害。
「早朝、叩きつけるようなヘリコプターの音に気づきました。恐る恐る雨戸を開けてみると、景色は一変しており、そこでようやく、停電していることに気づきました」と、広島のライフオーガナイザー木原ことのさん。自宅侵入禁止地域でもあり、避難後、「雨で土砂が流れ込むと逃げ遅れかねない」という不安から、家に戻ることをあきらめ、2カ月間友人の家で過ごし、その後、転居することに。あれから3年、被災体験後、生活の中で変わった「防災の備え」について教えてもらいました。
■情報は大切。ラジオは収めず聞く習慣へ
「ラジオを日常から聞くようにしています」と、木原さん。それは、苦い経験から。
あの日、停電のなか、窓から見えるものは、泥や木ばかり。いつもと違う異様な雰囲気の中、「今どんな状況なのか情報が知りたい」、手に取ったのが「手回し充電ラジオ」。ところが、ハンドルが固くて回すことができません。「まさか……、動かない」。愕然としたそうです。
窓の外から切れ切れに聞こえてくる放送も、ヘリコプターの音で内容を聞き取ることができない。近所の方を見て避難勧告だとわかり、急いで準備して避難場所へ。「状況がわからない、情報が取れない中で避難するのはとても怖かった。もしラジオが使えていたら、安心して行動できたと思います」。
「手回し充電ラジオ」は、以前はクローゼットが置き場所だったそうです。今は、動作確認も合わせて、リビングに置くことに。日頃からラジオを聞くことを習慣にしているそうです。
■「身軽で逃げやすく!」非常用持ち出し袋は軽くする
玄関に準備している非常持ち出し袋には、最低限必要な道具だけ、楽に持てる重さにしています。
「あのとき、リュックに貴重品、左肩にトートバッグ、右肩に犬という大荷物だったのですが、不思議なことに重さは一切感じなかった」と木原さん。それでも、楽に持てることを優先に考えるのには、理由がありました。「軽くないと逃げることができません。あのときは、足元を水や土砂に取られないように慎重に歩きましたが、走る必要がある場合、荷物のせいで逃げ遅れることがないようにしたいのです」。
そんな木原さんの現在の非常持ち出し袋の中身はこちら。
首から掛けられるライト、防塵マスク、生理用品、ゴム製手袋、レインコート、折り畳み式ヘルメット、バランス栄養食、500ml水2本
準備には、持つ人が楽に持てる重さも考えておくことが必要ですね。
■「ふだん使わなくても捨てません」役立つクーラーボックス
「ふだん使わなくてもクーラーボックスは捨てません」。
日々の暮らしでは、「明日、電気が止まるかも」と生活しているわけではありません。冷蔵庫の中にはそれなりの食品が入っています。ところが、いざ停電となると、夏なら気温はどんどん上がっていきます。こんなときに役立ったのがクーラーボックス。
実は、最近アウトドアには行かなくなり、クーラーボックスは処分することを考えたそうが、緊急時のことを考え、ふだん使わなくても持っておくことにしたそうです。
「いざというときは、ある日突然やってきます。今まで何も起こらなかったから、“きっと大丈夫じゃない?”という声をちらほらと耳にします。本当にそうでしょうか? 備えと知識があれば、すぐに動くことできます」。
木原さんの言葉のとおり、防災で大切なのは、「ものを用意することより使う準備」ですね。
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ライフオーガナイザー 木原ことの
ブログ:犬と暮らすひとさじのシンプルなアイデア
編集:秋山陽子