要介護でも「自分でできること」を増やしたい!介護を支えたワゴンの活用実例

おはようございます。
ライフオーガナイザーの山岡志帆です。

私の母は亡くなる前、徐々に歩くことが難しくなり、「杖で歩ける状態」から「車いすが必要な状態」になりました。暮らしも一人暮らしから介護施設入居と大きく変化。

だんだんとできないことが増えていくなかで、少しでも母がストレスなく自分で身の回りのことができれば……。そんな思いで、帰省するたびに部屋のものの配置を変えたりして環境を整えていました。

そのときに、母も家族もとても便利に使えたアイテムが「ワゴン」だったのです。

要介護でも「自分でできること」を増やしたい!介護を支えたワゴンの活用実例

ワゴンは、使い方を変えて何度も母の暮らしを助け続けてくれました。どう活用したのか、3つの事例をご紹介します。

■ワゴンに料理を乗せて、配膳をラクに

最初にワゴンを購入したきっかけは、料理を運ぶためでした。当時、母は手すりなどの支えがあれば歩けていたものの、ヘルパーさんが作り置きした料理を何度もテーブルまで運ぶのが難しくなっていました。そこでワゴンを使って配膳してはどうかと考えたのです。

ワゴンはIKEAの「NISSAFORS」を購入しました。持ち手が両端にあって動かしやすいこと、耐荷重33Kgと丈夫なこと、大きすぎず一人分の料理を運びやすいサイズであることが選んだポイントです。

キャスターにストッパーがついていればもっと良かったのですが、当時はまだ体を支える力があったのでこちらを購入しました。

要介護でも「自分でできること」を増やしたい!介護を支えたワゴンの活用実例

試してみると、一度に料理を全部運べて配膳がとても簡単にできることがわかりました。これなら疲れないし、配膳途中で料理をこぼすことも、お皿を落とすことも無くなります。

残念ながら、購入直後に母が入院。退院後は歩行がより難しくなったため、実際に母がワゴンで配膳する機会はありませんでした。しかし、その後ワゴンは使い方を変えながら活躍を続けます。

■洋服収納にして、選ぶのも戻すのもラクに

次に出番がきたのが、洋服収納です。母は足が不自由になって、徐々にものをあちこちに置くようになっていきました。洋服もベッド脇のカゴに積み上がることがしばしば。そこで、タンスの代わりに、毎日着る服だけを下着もパジャマもすべてワゴンに並べてみました。

要介護でも「自分でできること」を増やしたい!介護を支えたワゴンの活用実例

服が一目で見わたせ、必要なものをさっと出し入れできて、母には大好評。さらに嬉しい効果もありました。母は認知症の症状もあり、たくさんのアイテムから選ぼうとすると混乱して手が止まってしまうことがありました。でも、服の数を絞ったおかげでスムーズに選べるようになったのです。

ワゴンは移動ができるため、寝室でもリビングでも服を選ぶことができます。家族にとっても着替えのサポートがラクになりました。

■ベッド脇に置いて、寝たままでも手が届く収納に

母が車いす生活となってからは、介護施設に入居することになりました。ここでは、ワゴンがベッド脇で活躍しました。ベッドのまわりは介助のさまたげになるので本来なら何も置けないのですが、ワゴンは動かせるのでベッド脇に置かせてもらうことができました。

実際に置いてみると、ワゴン収納と介護ベッドは相性抜群。横になったままでも柵の間から手をのばして中段の物を取ることができたり、ワゴンにフックで袋を引っ掛けてゴミ入れにしたりと、使い勝手がとても良いのです。

要介護でも「自分でできること」を増やしたい!介護を支えたワゴンの活用実例

食べることが大好きな母は、中段にお菓子を常備。ふだん、スタッフさんを呼ぶのを遠慮してしまうようでしたが、ワゴンのおかげで自分の好きなときに選んで食べることができました。

母は昨年他界しましたが、母の使っていたワゴンは今、わが家で活躍しています。おやつの定位置だった中段は、同じように子どもたちのおやつ置き場になっています。

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ライフオーガナイザー 山岡志帆
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