片づけは苦行? それとも…? 時間を生み出す「オフィスオーガナイズ」(後編)

おはようございます。
ライフオーガナイザーのさいとう きいです。

昨日に引き続き、東京都港区にある「一般社団法人 日本アンガーマネジメント協会」様のオフィスオーガナイズ、ビフォー&アフターをご紹介します。

安藤代表とスタッフのOさん、Tさん、Sさんの4人にヒアリングを行って整理した課題とゴールは:

■1 ものが点在している →空間を仕切る、ものをまとめる(移動する時間を減らす)
■2 ものの定位置が決まっていない →定位置を決める(ものを探す時間を減らす)
■3 ものの保管ルールが不明瞭 →ルールを決めたうえで、保管期間内のものの一時置き場を設ける(ものを管理する時間を減らす)

今日は2・3を見ていきましょう!

■2 ものの定位置が決まっていない:ビフォー

誰かに尋ねないとものの場所がわからなかったり、ものの場所を知っている人が休んだら仕事が止まったり、といった不都合がありました。ものに定位置がないと、尋ねる人だけでなく尋ねられる人の時間も浪費することに。

収納用品も収納家具も買わずにどこまでできる? 時間を生み出す「オフィスオーガナイズ」

シェルフには、安藤代表とスタッフの管理するものが収納されていますが、自分のもの以外はどこに何があるのかわかりません。あふれた書類は、ダンボール箱に入れてシェルフの前に。何が入っているのかわからない「開かずの紙袋」も(オフィスあるあるです)。

■2 ものの定位置が決まっていない:アフター

すべてのものを出し、ひとつずつ要不要を判断。これで全体量が把握できるうえ、「誰が使うもの」「何と使うもの」などの分類もスムーズに。分類したものは、使用頻度の高い順に定位置を決め、全員で情報を共有することで、ものを探す時間の節約を目指します。

収納用品も収納家具も買わずにどこまでできる? 時間を生み出す「オフィスオーガナイズ」

ものを整理したことで、オフィスまわりで使う文具やファイルがシェルフの下段に収まっただけでなく、一段は空っぽに。アクセスのよい右側のシェルフによく使うものをまとめることで、左右の棚を何度も開け閉めする煩わしさを減らしました。

■3 ものの保管ルールが不明瞭:ビフォー

オフィスには、一定期間保管しておく必要のある書類がたくさんあります。こういった書類は、あらかじめ保管方法や期限をルール化しておかないと、処分するタイミングを逃して増える一方(オフィスあるある2)。量が多くなるほど管理の手間も時間もかかります。

収納用品も収納家具も買わずにどこまでできる? 時間を生み出す「オフィスオーガナイズ」

日々入ってくる書類を「とりあえず」空いたスペースに置いていたり、保管ルールが不明瞭で「なんとなく」捨てるのが怖かったり…。家庭でもよくあることですよね。お茶コーナーや配送で使う梱包材などが、お客様から見えてしまうのも気になります。

■3 ものの保管ルールが不明瞭:アフター

保管方法や期限をルール化することで、管理に費やす時間の節約を目指します。半永久的に保管する必要のある書類は電子化してデータセンターに預け、セキュリティの向上+スペースの節約+管理の手間を削減。オフィスで保管するものは、専用スペースを設けます。

収納用品も収納家具も買わずにどこまでできる? 時間を生み出す「オフィスオーガナイズ」

来客スペースの奥にお茶コーナーを移動。お茶コーナーの奥は、オフィス内で一定期間保管する書類の一時置き場に。事務スペース、来客スペースと切り分けることで、梱包材や宅配便で受け取った荷物などを出しっぱなしにしていても気にならなくなりました。

■ オフィスオーガナイズを終えた感想は?

今回のオフィスオーガナイズは、カウンセリング2時間、ご提案2時間、オーガナイズ作業6時間(協会のみなさま4名+オーガナイザー3名=計7名)で行いました。家具のレイアウト変更やものの整理、分類、ルール決めなどを行っただけで、前編・後編を通して、新たに収納用品や家具などを買い足していません。

オーガナイズ後の感想を、みなさまにお聞きしました。

安藤代表:
「実を言うと、わたし自身は整理整頓が苦手ではありません。けれども自分のやり方をスタッフに押しつけたくない。それで今回、“思考の整理”を重視するライフオーガナイザーにサポートを依頼しました。これまではどこに何があるかわからず、自分でコーヒーを入れることさえできませんでしたが、これからはひとりでもコーヒーが飲めそうです(笑)」

Oさん:
「話しながら悩みを整理できて、それを解決する方法を自分で決めさせてもらえたのがよかったです。困っている気持ちを『わかってもらえたこと』も、すごくうれしかった!」

Tさん:
「要不要の判断に迷ったとき、そばにいてくれたオーガナイザーに『それは●●でも代用できますね』といったアドバイスをもらえたので、迷わずに進められました」

Sさん:
「オフィスの環境に馴染みすぎて、これまでは不便なことを不便だと感じていませんでした。より便利な方法を見せてもらって、改めて『これまで不便だった!』と気づきました」

そして、うれしいことに、みなさん共通のご感想は「楽しかった!」。そうなんです、みんなにとっての「快適さ」「わかりやすさ」を追求することが、業務の効率化、生産性の向上に繋がっていくのだから(それは家事でも同じこと)、片づけは必ずしも「苦行」ではないのです。

一般社団法人 日本アンガーマネジメント協会」様、このたびはご依頼、そして取材へのご協力ありがとうございました!

あなたは生み出された時間で何をしますか?
何をしたいですか?

心地いい暮らしづくりに役立てれば嬉しいです。

【取材協力】
一般社団法人 日本アンガーマネジメント協会
日本アンガーマネジメント協会は、ニューヨークに本部をおく「ナショナルアンガーマネジメント協会」の日本支部です。ナショナルアンガーマネジメント協会(NAMA)はニューヨークに本部を置く世界最大規模のアンガーマネジメントの国際団体です。NAMAでは、より健康的な生活、住みやすい社会の実現のためにアンガーマネジメントのプログラム開発、社会貢献活動、プロフェッショナルの育成などを行なっています。

開催予定のイベント:
AM-event-20160319

日本アンガーマネジメント協会では、育児中の方や、子どもの教育に関心をお持ちの方に役立つイベントを開催予定です。詳しくは、「イライラしない子育てシンポジウム ~アンガーマネジメントとアドラー心理学に学ぶこれからの子育て〜」で。

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