フル活用しようとして失敗しがちな「階段下収納のカタチ」

おはようございます。
ライフオーガナイザー/一級建築士の和田さや子です。

新築やリフォームの際に役立つ、収納のプランニングのコツをお伝えする”カタチ”シリーズ。

これまでの”カタチ”シリーズ:
どれでも同じ?本当に使いやすい「クローゼット扉のカタチ」
押入れがない!布団収納にぴったりな「クローゼットのカタチ」
思わぬ失敗? を防ぐ3つのケーススタディ「対面カウンターキッチンのカタチ」

今回のテーマは「階段下収納」です。

フル活用しようとして失敗しがちな、階段下収納のカタチ

階段下の余剰スペースを収納として使うため、収納の奥行きと、しまうものの大きさが合っていないことがよくあります。収納スペースは、大きければよいというものではありません。使いきれない場所は“あきらめる”。その決断だけで、ぐんと使いやすい収納になりますよ。

■ストレート階段は向きを分けるのがオススメ

まっすぐに上がる階段を、ストレート階段と呼びます。ストレート階段の下全体を一つの収納スペースとして使うと、奥行きが深くなりすぎます。そんなときは、思いきって2つ以上に分けましょう。それぞれにしまいたいものを考え、適切な奥行きにします。

フル活用しようとして失敗しがちな、階段下収納のカタチ

たとえば、背の高い部分は縦方向から使い、奥行き60cmにしてコート掛けに。低くなる部分は横方向から使い、奥行き35cmと浅めにすると、書類や雑貨類にちょうどよいサイズ。奥まで探らなくても、モノが取り出しやくなります。

フル活用しようとして失敗しがちな、階段下収納のカタチ

何も入らない、階段のいちばん低い側はルンバの基地として人気の場所です。

■折り返し階段は四方八方から使えます

半分ほど上がって、向きを変えて上がりきる階段は、折り返し階段と言います。折り返し階段は、それぞれの面する部屋から必要な奥行きで収納を確保することができます。

フル活用しようとして失敗しがちな、階段下収納のカタチ

たとえばこんな間取りだと、玄関土間と接している側は、土間収納にすることもできます。アウトドア用品など、大きなものを入れる想定であれば、奥行きは深くても大丈夫ですね。

リビング側がいちばん背の高い場所になるので、コート掛けや掃除機置き場に。奥行きは60cmあれば十分なので、余った分は玄関側から使えるようにします。

トイレ側は、トイレットペーパーや掃除道具などが入ればいいので、奥行きが30cmもあれば十分。残ったスペースは “あきらめる”ほうが、きっと使いやすくなりますよ。

■奥行きを深いままにするときは高さに注意

2段構えの収納が使いこなせる方であれば、奥行きを深くとる選択もありです。奥から35cmほどの可動棚を用意して、備蓄品など頻繁に取り出さないものを。手前には掃除機といった、使用頻度の高いものを置きます。

奥行きが深い収納は、細かく分けずに大きく使った方が使いやすくなります。そのときは、高さが低い部分(100cm以下)は思いきって“あきらめる”勇気を。

フル活用しようとして失敗しがちな、階段下収納のカタチ

“もったいない”と隅々まで使いきりたい気持ちを手放すことで、きっと使いやすい階段下収納のカタチに近づきますよ。

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一級建築士/ライフオーガナイザー 和田さや子
ブログ:建築士×ライフオーガナイザー®と建てる“忙しくても片づく家”

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