日本ライフオーガナイザー協会代表理事の高原真由美です。
先々週の記事では、「一戸建てなら、まず土地探しから始めるもの」という私の思い込みが、家づくりにおいて大きな遠回りの原因になっていた、というお話をしました。
本来は、どんな暮らしをしたいのか、どんな家を建てたいのかを整理したうえで、その家を建てられる土地を探すのがベスト。
でも我が家は、完全に逆からスタートしてしまい後悔だらけ。これからの方はくれぐれも順番を間違わないように気をつけてください!
今回はその続きとして、土地探しを実際に始めてから知った、「え、そうなの!?」の連続だった、50代後半の土地探しクエストについてお話ししたいと思います。

ちなみに、我が家の場合は土地探しの前に、今の自宅を売却する件で不動産会社とはすでにやりとりしていました。売却に関しても知らないことだらけだったのですが、今回は「土地の購入」「土地探し」にまつわる話に絞ります。売却関連のドタバタ(こちらのほうが難題でした…)は、また別記事にて。
■土地探しは情報サイトだけでほぼ完結すると思っていた
時は令和です。昭和の頃とは違い、土地探しなんてほぼネットで完結するものと思っていましたが、そもそもそこから間違っていました。
SUUMO、アットホーム、LIFULL HOME’Sなどの大手情報サイトはとても便利で、エリア、沿線、駅、面積、価格など、条件を入れれば候補が出てきますし、写真や地図、建ぺい率・容積率などの情報も確認できますよね。
ただ、実際に使い始めてまず驚いたのは、
詳細住所がわからない物件が多い
ということ。
「この土地、いいかも」と思っても、正確な場所がわからない。最寄駅や徒歩分数、大まかなエリアはわかっても、
「で、実際どこなん?」
となります。
結局、詳細を知るには不動産会社に問い合わせをする必要があります。当然といえば当然で、不動産会社側は情報サイトに安くない掲載料を支払い、広告として情報提供しているわけですから。
で、ここでまた、「え、そうなの!?」だったのが、不動産会社とのやりとり。
メールで対応してくれる会社もありますが、まだまだ断然電話がメイン。もちろん電話のほうが早いこともありますし、聞きたいことをその場で確認できる便利さもあります。
でも、仕事中でも、土日の夜でも、関係なく着信があるのは、正直かなりストレスでした。
最近ではLINE登録を案内されるケースもありますが、私はできるだけメールに集約したかったので、家づくり専用のメールアドレスを作っておいて本当によかったと思っています。
私は情報サイトのリマインダー(希望の条件の土地が掲載されたら通知が入る設定)に翻弄されまくったのですが、実際のところ、情報サイトはあくまで情報収集のためと割り切り、エリアを先に限定して歩いてみる、というのが土地探しにはおすすめかもしれません。
あとで知ったことですが、新着情報として掲載されたほうが注目されるため、実は初掲載ではない土地でも一旦情報を下げ、あらためて新着として掲載するという手法が横行しているそう。そのため、本当に欲しい情報は頻繁に入るリマインダー情報の中の、ほんの一握りだけでした。
売地の看板に掲載の不動産会社の電話番号に問い合わせるとか、購入したい土地のエリアに古くからある不動産会社に訪問するといったアナログリサーチが、結果的に一番の近道かもしれません。
■情報サイトではここをチェック
情報サイトでの情報収集方法ですが、チェックポイントがいくつかあります。
注文住宅用の土地探しの場合は、まず建築条件の有無からチェック!不動産用語における「建築条件(建築条件付き土地)」とは、あらかじめ施工業者が決まっている土地で、土地代と建物代のセットで利益を見込むこを想定しているため、土地単体の価格がリーズナブルに設定されていることが大半です。
交渉によりこの建築条件を外せる場合もありますが、100〜200万とか上乗せされることが通常。そもそも外せない土地もあるので、注文住宅の場合は候補外となってしまいます。
次に取引形態とその業者の免許番号をチェック!取引形態とは、掲載されている業者がどのような立場でその土地の取引に関与しているのかを示すもので、土地売買の場合だと下記の3タイプです。
・売主(土地所有者)=仲介手数料不要、直接交渉できる
・媒介(仲介)=売主と買主の間に入り契約を成立させる、もちろん仲介手数料要
・代理=売主の代理人として契約を行う形態で、権限は売主と同等、仲介手数料要
媒介(仲介)が最も一般的ですが、これも専属専任媒介、専任媒介、一般媒介の3種類に分かれています。一般媒介以外、取引窓口はその一社だけとなり、他の不動産会社からは直接購入できない土地となります。
そして、不動産会社の免許番号ですが( )内の数字が大きいほど、長年営業している実績のある会社と判断できます。宅地建物取引業を営むために必須の免許で、5年更新の制度となっていて(1)だと5年以内、(3)なら10年以上(5年の更新手続きが3回以上なされている)とわかるので、ひとつの目安になるでしょう。
建ぺい率や容積率も大切ですが、個人的には前面道路の広さとセットバックが必要か否か、そして更地か古家ありか、整地されているかどうかなど、設計施工の段になって費用に大きく影響するポイントなどもしっかりチェックしておきたいものです。郊外の場合はそれほど気にしなくても問題ないかもしれませんが、我が家のように大阪市内など都市圏での土地探しの場合、これらの違いで数百万円レベルで費用が異なります。
あとは情報サイトの掲載情報ではありませんが、今や必須であるハザードマップの確認でしょうか。自治体のウェブサイトをはじめ、現在ではかなり細かくチェックできるサイトが多数あります。把握したうえで選ぶのと、知らずして選んでしまうのでは大きな違いがありますから、しっかりチェックしておきたいものです。
とまぁ、いろいろチェックしながら希望の土地を探すわけですが、現在は土地価格が上昇していることもあり、「いいかも」と思う土地はだいたい予算オーバー。
もう、見るたびに「え?土地ってこんなに高いの?まじか!!!」となるわけです。
で、安い土地にはたいてい理由があることがわかってきます。
道路が狭い。
形が使いづらい。
高低差がある。
周辺環境に気になる点がある。
建てられる家に制限がある。
近隣に難のあるお宅がある。(これ、情報サイトではわからないように近隣の画像などが切り取られていたことも!)
もちろん本当に稀に、売主さんの価格設定が低く、お買い得な土地が出ることもあるんですよね。でも、そういう土地は一瞬で業者が即金で買い取ることが多く、一般人がそこで戦うのはかなり難しい。
私も一度だけそういった奇跡の土地を見つけたことがあったんです。情報サイトに掲載されたばかりだったのですが、近所だったこともあり、すぐに現地を見に行き速攻不動産会社に連絡したものの、本当に文字通り瞬殺。すでに業者が購入申込みをしていて、すでに契約日まで決定していたという…。
後日談ですが、お目当てだった土地を買ったのは地元の建売業者。わりと早い段階で建築条件付きの土地(外すことは不可)として情報サイトに掲載されましたが、土地の価格はかなり利益が上乗せされていて、すでに大きく予算オーバーの土地と変わり果てていました。(涙)
「なるほど、そういう世界なのね」
と知ることになりました。
■土地探しは、やっぱり施工業者と一緒に進めるのがいい

ということで、結局ここに行き着くわけです。そう、何も知らない素人が、自分たちだけで土地探しをするなんて無理ゲーなのです。
やはりプロと一緒に探すのが得策なのです。
とはいえ、今度はその信頼できるプロ、施工業者を見つけるのに一苦労するわけですが、それは次週以降の記事で「施工業者クエスト(仮)」としてまたまた私が右往左往するお話をお伝えしたいと思います。
なお、プロと一緒に探す必要性を強く感じたのは建物の見積り段階にて、「地盤調査」なる項目が出現したときです。
地盤調査とは、建物を建てる前にその地盤がしっかりしているかどうか、事前に調査するもので、阪神淡路大震災後の2000年に建築基準法が改正され、法的に必須となったもの。
調査費用は十数万程度(調査方法や業者により異なる)ですが、もし調査後地盤改良が必要となった場合、補強のための工事費用はなんと数百万円以上となることもあるという、土地ガチャも甚だしい危険項目です。
他にも土器が出土した場合や遺跡の可能性があることがあとでわかったりした場合なんて、大変なことしかありません。よくあるケースとしてはインフラ系のこと、水道管やガス管が通っているとかいないとか、古いとかそのまま使えるかなどなど、検討段階では不動産会社から聞き出せないことも少なくないので、プロと一緒に事前にその可能性とリスクなども検討の上、土地を選定・購入するのがベストでしょう。
何度もお伝えしているとおり、ことごとく「あーーー、それ最初に知りたかった」を繰り返し続けた我が家の住み替え計画ですが、一番難題だったのが施工業者選び。
事実、この連載が始まった4月1日時点では本当に何も決まっておらず、このまま住み替え計画が頓挫するのではと不安も感じていました。
でも!ようやく土地も施工業者も決まったので、本格的な家づくり記事に入れそうなところまでたどり着きました!
ただ次週は、「施工業者クエスト(仮)」についてお届け予定です。多分、老若男女問わず、家づくりにおいて最も悩むポイントはここですよね。土地以上に万人に共通の「正解」なんて存在しない領域ですし、何より選択肢はほぼ無限にあるという世界です。はい、だからこそ、ここでも翻弄されまくったわけです。
これも何度も連呼しますが、ここでもやっぱり必要だったのは思考の整理。そして、自分たちがこれからどう暮らしたいのかを確認し続ける作業でした。
人生後半に思うことはなんですか?
これから何をしたいですか?
心地いい暮らしづくりに役立てれば嬉しいです。
次回は6月17日(水)朝10時にお会いしましょう♪
日本ライフオーガナイザー協会代表理事 高原真由美
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