おはようございます。
ライフオーガナイザー/一級建築士の和田さや子です。
新築やリフォームの際に役立つ、収納のプランニングのコツをお伝えする”カタチ”シリーズ。
これまでの”カタチ”シリーズ:
・これから新築・リフォームする人必見! 洗濯ストレスがなくなる「室内干しのカタチ」
・これから新築・リフォームする人必見! 家族みんなが片づけられる「洗面化粧台のカタチ」
・一般的な押入れは布団収納に不向き!? 本当に使いやすい「布団収納のカタチ」
・“食器棚は購入しない”という選択もアリ! 使い勝手から考える「食器棚のカタチ」
今回のテーマは、“小屋裏収納のカタチ”と、上がり方のパターン別のメリットデメリットです。
小屋裏収納と言えば、こんなパターンで検討されるケースが多いもの。「新築のおうちの間取り、収納が足りない」「でもこれ以上収納スペースを大きくすると、部屋が狭くなる……」「そうだ!小屋裏収納を作ればいいよね!」
でも、ちょっと待って。その小屋裏収納、本当に活用できそうですか? 引っ越しのときに入れた荷物、二度と出てこなかった……、なんて話もよく耳にします。
自宅を新築・リフォームするときの参考にしていただけたらと思います
■“小屋裏収納”と“ロフト”、違いはどこ?
小屋裏収納とロフトの共通点は天井高。どちらも天井高を1.4m以内にするという基準があります。子どもは立てるけれども、大人はまっすぐ立てない、そんな天井高になります。さらに、小屋裏収納とロフトの面積は、下階の床面積の半分以内にとどめることという決まりもあります。
小屋裏収納とロフトの違いは、入る方向にあります。小屋裏収納は下から入るカタチ。点検口やスライドタラップを閉じてしまえば、天井とほぼフラットになるタイプです。
ロフトは吹き抜けなどを介して下階と空間的に一体となっており、横から入るカタチになります。
かつて、小屋裏収納やロフトに上がるための階段は、可動式しか認められていませんでした。ですが、現在では固定階段を設置することも可能となり、より収納スペースとして活用しやすくなっています(自治体の条例により規制されていることもありますので要確認)。
■可動式にした場合のメリットデメリット
従来通りの可動式の上がり方だと、大きく分けて2つの方法があります。
1.小屋裏収納に上がるための“スライドタラップ”。
折りたたむと天井とフラットになり、生活動線の邪魔にならないという点がメリットです。デメリットは、スライドタラップを下すために操作棒を出してくる必要があり、開け閉めするための手間がかかるという点です。
2.ロフトに上がるための“可動はしご”
使わないときは立ててしまうことができ、邪魔になりにくいです。操作棒などが不要な点から、スライドタラップよりは出し入れするハードルが低いかもしれません。その一方、上りやすさの点で、スライドタラップに劣ります。
2つの方法に共通して言えるのは、
メリット
・下階の間取りの邪魔になりにくい
デメリット
・出したりしまったりするのが面倒
・幅が狭く急勾配なので、大きいものをもって上がるのが大変
もともとモノを定位置に戻すのが苦手な方や、ひと手間かかると、とたんに片づけられなくなる方は避けた方が無難ですね。逆に、季節ごとの衣替えが苦にならないようなタイプの方は、スペースを有効に使えるのでオススメです。
■固定階段にした場合のメリットデメリット
タラップの出し入れがどう考えても面倒になりそうな人は、固定階段がオススメです。下階の間取りとも調整して、なるべく緩やかに登れるようにしておくといいですね。手すりを付けられるとさらに安心です。
デメリットとしては、階段の面積分、下階のスペースが削られることになります。また、自治体によっては小屋裏収納に固定階段は良いが、ロフトの場合は認めないというケースもあります(収納ではなく居室として利用される危険があるので)。お住まいのエリアで選択可能かどうかは、設計士や建築会社に確認が必要です。
おうちのカタチやご家族の片づけ癖にあった上がり方を選ぶことで、小屋裏収納を活用できる幅がぐんと広がります。もし、自他ともに認める“めんどくさがり屋さん一家”であれば、小屋裏収納を設けないという選択肢も考えてみてくださいね。
あなたは生み出された時間で何をしますか?
何をしたいですか?
心地いい暮らしづくりに役立てれば嬉しいです。
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一級建築士/ライフオーガナイザー 和田さや子
ブログ:建築士×ライフオーガナイザー®と建てる“忙しくても片づく家”