おはようございます。
ライフオーガナイザーの吉川圭子です。
「片づけが苦手」という方のお宅にお伺いすると、ある共通の原因から片づけにくい状況になっていることがあります。
それは『大は小を兼ねる』で仕組みを作っている、ということ。
■深さのある引き出しはたくさん入って便利?
クローゼットの引き出し収納。洋服をたたんでいれるときにかかせませんが、「大きいほうがたくさん入っていい」と、すべて深さがたっぷりある引き出しにしているお宅を見かけます。
もちろん、セーターやトレーナーなどボリュームのあるトップスや、デニムなどのボトムスは深さのある引き出しがおすすめです。
では、同じく深さのある引き出しに、下着や靴下などの小物や薄手のカットソーなど小さいものを入れるとどうなるでしょうか。
上の空間が余ってしまいます。
そこで、「空間が余っているから」とさらに服を重ねて入れたりすると、引き出しの中がカオスになってしまいます。こうなると、お目当ての服を探すのも大変です。
■何枚も重ねてかけられるハンガーは便利?
同じく、クローゼットのハンガー収納。こちらはボトムスやストールなどをかけるのに重宝するズボンハンガーです。“吊るす収納”にしたいお客様にはよくおすすめしています。
このズボンハンガーですが、○連ハンガーなど「1本のハンガーに何枚もかけられるタイプ」を使っている方をときどきお見かけします(わが家にはないので似た形を作っていますが、こんな感じのものです)。
ハンガー1本分のスペースで何枚も服がかけられるので、一見便利そうに見えますが、実際の使い勝手は内側にかかっている服が取り出しにくくなります。
○連ハンガーの○の数が大きくなれば大きくなるほどかけられる服は増えますが、出し入れしにくい服も増えていきます。こうなると、内側にかかっている服はタンスの肥やし予備軍になってしまうかもしれません。
■(番外編)モノ選びの『大は小を兼ねない』
ここまでは収納の仕組みの『大は小を兼ねない』でしたが、モノ選びの『大は小を兼ねない』をご紹介します。
わが家では、入浴時はバスタオルではなくフェイスタオルを使っているので、家族5人分用意してもバスタオルよりもスペースをとらず助かっています。
ですが、困っているのは洗面所に置いている顔を拭く用のハンドタオル。限られたスペースに入るだけ詰めていましたがそれほど枚数が入るわけでもなく、洗濯が間に合わず切らすこともありました……。
ある日ふと、「洗顔用のタオルも(大きいものじゃなくても)もっと小さくてもいいんじゃない?」と思いつき、タオルハンカチにチェンジすることにしました。
大きいタオルでたっぷりふけるのも悪くないですが、小さいものでも十分役割は果たせます。
この場合、『大は小を兼ねない』というより『小は大も兼ねる』といったほうが、ニュアンス的には近いかもしれませんね。
ちなみに使い勝手ですが、ちょっと小さくはなりましたが、問題なく拭くことができます。また、大きいものから小さいものにチェンジしたことで収納スペースに余裕が出たので、洗い替え用にもう少し枚数を増やすこともできそうです。
『大は小を兼ねる』。
一般的には、大きいものは小さいものの代わりとしても使えるので、大きいもののほうが役に立つと思われがちですが、むしろ片づけにおいては『大は小を兼ねない』考え方で見直してみるのがおすすめです。
収納のプランニングについては“収納のカタチ”シリーズをどうぞ:
・ここに何をしまう?収納するモノにあった「可動棚のカタチ」
・押入れがない!布団収納にぴったりな「クローゼットのカタチ」
・どれでも同じ?本当に使いやすい「クローゼット扉のカタチ」
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ライフオーガナイザー吉川圭子
ブログ:整理収納手帖