おはようございます。
ライフオーガナイザー/一級建築士の和田さや子です。
新築やリフォームの際に役立つ、収納のプランニングのコツをお伝えする”カタチ”シリーズ。
これまでの”カタチ”シリーズ:
・フル活用しようとして失敗しがちな「階段下収納のカタチ」
・思わぬ失敗? を防ぐ3つのケーススタディ「対面カウンターキッチンのカタチ」
・一般的な押入れは布団収納に不向き!? 本当に使いやすい「布団収納のカタチ」
システムキッチンを選ぶとき、ほとんどの方が引出し収納を選ばれます。でも、中には「開き戸が使いやすい!」という少数派の方も。そこで、今回はあえて「引出し収納のデメリット」に焦点を当てて、本当に使いやすい「キッチン収納のカタチ」について考えてみたいと思います。
■システムキッチンの一般的なサイズを知る
まずは、いちばんよく見かけるキッチンのサイズを見てみましょう。長さが255㎝、奥行きが65cm、カウンター高さが85cm。このサイズであれば、食洗機があっても、収納量があります。カウンター上の作業スペースも、しっかりとれますね。
このサイズで「すべて引出し収納にしてください」と言ったら、こんなカタチになります。
中央に45cmの食洗機があり、コンロ下とシンク下それぞれに、105cm幅の引出し収納。引出し幅が1m越えとなると、なかなかの大きさですね! 確かにモノはたっぷり入るのですが。
■使ってみてわかった引出し収納の弱点3つ
一見、たくさん入って使いやすそうな引出し収納ですが、実際に使っていると不便に感じることが3つあります。
1.引出しが大きく、内部が仕切られていないので上手に使えない。
2.引出しが大きいので、子どもや家族が横で手伝ってくれているとき、「ちょっとどいて」と移動してもらわないと、中のものが取り出せない。
3.タオルバーにタオルをかけると、引出し収納が巻き込む。巻き込まないよう、2段目にかけると低くて使いにくい。
「大は小を兼ねる」という言葉、収納には残念ながらあてはまりません。もちろん、上手に仕切って使っていらっしゃる方もいます。それでも、2と3の問題は別の解決方法を考えなくてはいませんね。
■引出し収納の意外な弱点をカバーする3つのヒント
1.引出し収納のサイズを分割する
たとえば、105㎝ある引出しを30㎝と75㎝に分けると、引出しを開けるときによける距離が短くてすみます。収納の幅は30㎝、45㎝、60㎝…と15㎝きざみになっていることが多いので、入れるものに合わせて引出しを分割してみて下さいね。
引出し収納が分割されているキッチンについては:
>>>“自分のことは自分でできる”を育む、子どもが手伝いたくなるキッチン
2.開き戸にする
開き戸収納の場合は、片側の扉で45㎝以下になります。扉が小さいと、横にいる人がよける距離も短くて済みます。タオルをかけても、開き戸なら巻き込みません。引出しと開き戸を組み合わせることもできますよ。
開き戸収納を活用しているキッチンについては
>>>ズボラさんでもOK!開き戸タイプのシンク下収納を使いやすくする3つのアイデア
3.オープンスペースにする
シンク下に収納を付けないオープン収納もおすすめです。分別ごみ箱を並べたり、ワゴン収納を置いて必要に応じて出し入れしたり。使い勝手抜群!
シンク下がオープンのキッチンについては
>>>料理スピードもアップ?! 100%活用できるキッチン家電用コンセントの場所とは?
引出しにするか、開き戸にするか、はたまたはオープンスペースにするか……。上手に組み合わせて、ベストなキッチンにしてくださいね。
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ライフオーガナイザー/一級建築士 和田さや子
ブログ : 建築士×ライフオーガナイザー®と建てる“忙しくても片づく家”