車椅子ユーザーと快適に暮らす【家選び編】~変化に合わせることを前提に住まいを選ぶ

おはようございます。
ライフオーガナイザーの梅野優子です。

現在中学3年生の長男は小さなころから車椅子ユーザーです。
わたしは「家族みんなで一緒に快適な自宅で暮らしたい」と願う介助者のひとりです。

車椅子ユーザーと快適に暮らす【家選び編】~変化に合わせることを前提に住まいを選ぶ

そんなわたしが、車椅子ユーザーがいる住まい選びで成功したこと、失敗したことなどを、家の購入からリフォーム実例までのシリーズでご紹介したいと思います。

第1回目の今回は「家選び」編です。

■長男4歳のときマイホーム購入!条件は?どうやって探す?

約10年前、長男の就学を見据えて、マイホームを購入することになりました。ライフオーガナイズを学ぶ前のことです。そのときわたしが最初にやったことは、情報収集でした。

車椅子ユーザーと快適に暮らす【家選び編】~変化に合わせることを前提に住まいを選ぶ

でも、車椅子ユーザーといっても、1人1人状態は違います。自分で車椅子を動かせる人もいますが、長男は自分で車椅子を動かすことができない、全面的な介助が必要なタイプ。

情報収集のため、ひたすら検索するも、ヒットするのは立派なバリアフリー住宅や、自分で車椅子を動かせる人向け、シニア向けの住宅などでした。兄弟児のための教育資金などにも余裕を持ちたいわが家は、マイホームに多額の投資をするつもりもなく、なかなか自分たちにぴったりの情報に出合いませんでした。

結局、成長に合わせてリフォームしていく予定で、広さがある中古の一戸建てを購入することに。

■家選びで成功したポイントは3つ

①優先順位を介助ストレスから決めたこと

・脱衣所が広くとれる
・リビングから廊下を通らずに脱衣所へ行ける(冬は廊下が寒い)
・将来、脱衣所に着替えベッドを置くためのスペースがある
・介護ベッドにも対応できる広いリビング
・玄関から駐車場が近い
これらの条件で決めたので、のちに成長に合わせたリフォームが可能でした。

②資金的余裕ができたこと

中古住宅で初期費用を抑えられたので、リフォームへのハードルが低くなり、随時変化に対応する環境を作っていけました。

③他の家族にも居心地がいい家を選べたこと

車椅子の取り回しのしやすさ、という点から選んだ広いリビングは、結果的に家族全員にとっても居心地よく、みんなが一緒にリビングですごす時間が多くなりました。

車椅子ユーザーと快適に暮らす【家選び編】~変化に合わせることを前提に住まいを選ぶ

■家選びで失敗した3つの反省点。今ならこう考える

①条件や判断基準がまとまらないまま動き始めて迷走した

戸建て?マンション?注文?建売?中古?と、当時はやみくもにいろんな情報を集め、余計に頭が混乱していました。そんな状態だったので、条件に合わない物件を勢いで契約しそうになるなど迷走し、無駄な時間と労力を使ってしまいました。

ライフオーガナイズを知った今なら…
「私たちが優先したいことはコレ!」と判断基準を明確にしてから、必要な情報だけを収集して、冷静に比較検討できたのではないかと思います。

②“車椅子ユーザーとの暮らし”に考えが偏りすぎていた

「介助ストレス軽減」という視点ばかりで家選びをした結果、公共交通機関がやや不便な場所になり、かえって兄弟児の送迎が頻繁になって忙しいという他のストレスも発生しました。また、2階建ての1階でほとんど生活しているので、2階は物置部屋と仕事部屋のみ、とあまり活用されていないのもずっと気になっています。

ライフオーガナイズを知った今なら…
ホームエレベーター設置を視野に入れるなど、もっとコンパクトでも利便性がよい場所で、という選択肢もあったかもしれません。“一般的”ではなく“私たち家族にとって”のメリット・デメリットを整理して、もっと多角的な視点で比較検討することができたのではないかと思います。

③具体的なリフォーム計画を立てていなかった

今後の成長はわからないので、その時その時で考えてリフォームしようと、特に介護リフォーム専門業者に相談していませんでした。そのため、のちにリフォームするときに、「取り払いたい壁が構造上取り除けない」という制限があることなどが発覚して、希望していたとおりのリフォームができなかったこともありました。

車椅子ユーザーと快適に暮らす【家選び編】~変化に合わせることを前提に住まいを選ぶ

ライフオーガナイズを知った今なら…
最初に専門業者に相談して、成長に対して考えられるリフォームをざっくりとでも計画し、予想される問題などを整理できたのではないかと思います。

車椅子ユーザーの状態が1人1人違うことはもちろん、一緒にすごす家族みんなが快適に感じる条件もまたそれぞれです。いろんな情報に振り回されずに、自分たちが大切にしたい暮らしの条件をはっきりさせてみることが、快適な住まい作りの第一歩かもしれません。

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ライフオーガナイザー 梅野優子
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