車椅子ユーザーと快適に暮らす【寝室リフォーム編】~介護と家族団らんの両立を目指して

おはようございます。
ライフオーガナイザーの梅野優子です。

「車椅子ユーザーと快適に暮らす」をテーマに、シリーズでお届けしています。
今回は寝室リフォームについてレポートします。

車椅子ユーザーと快適に暮らす【寝室リフォーム編】~介護と家族団らんの両立を目指して

前回までの記事:
車椅子ユーザーと快適に暮らす【家選び編】~変化に合わせることを前提に住まいを選ぶ
車椅子ユーザーと快適に暮らす【洗面浴室リフォーム編】~成長に合わせて住まいを変えていく

全面的な介助が必要な中学3年生の長男。介護生活で頭を悩ませることの一つが“寝室”です。寝室のストレスを解消したリフォームのビフォア・アフターをご紹介します。

■体が大きくなってきた!介護ベッドはどうする?

引っ越してきた当時(長男4歳)は、リビングに隣接する和室に布団を敷いて、家族みんなで寝ていました。でも、成長するにつれ、布団を敷いた床から抱えて車椅子へ移動させるのが大変になり、布団生活からベッド生活への変更を検討するようになりました。

長男のように全介助が必要な場合は、“介護ベッドを目が届くリビングに置く”という選択肢が選ばれがちです。

でも、長男は平日、学校や放課後はデイサービスへ行っていて、家で過ごす時間はそんなに多くありません。そのため、ベッドを使うのは着替えのときと夜の就寝程度。そんな生活なので、専用の大きな介護ベッドをリビングに置くことは、わたしたちにとってメリットよりも、家族団らんのスペースが圧迫されてしまうデメリットのほうが大きく感じられました。

そこで、和室エリアに家族みんなで一緒に寝ることができる普通のベッドを導入することにしました。

■和室を洋室にリフォーム。“バリア”は「段差」「間口」「スペース」

リフォームにあたり、わたしたちが希望していたことは3点です。
・車椅子を横づけしてベッドへ移乗させたい
・そのためにリビングから和室エリアへの出入りがスムーズ
・家族みんなで寝るためにダブルベッドとセミダブルベッドを導入したい

上記のことから、
「リビングと和室の段差解消」「出入口の間口拡大」「和室エリアのスペース拡大」のリフォームをすることにしました。

【Before】
車椅子ユーザーと快適に暮らす【寝室リフォーム編】~介護と家族団らんの両立を目指して

【After】
車椅子ユーザーと快適に暮らす【寝室リフォーム編】~介護と家族団らんの両立を目指して

「リビングと和室の段差解消」

和室側が5cmほど高くなっていたので、床高を下げる必要がありました。これを機に、車椅子の乗り入れがスムーズになるよう、畳をなくして洋室にすることにしました。

「出入口の間口拡大」

リビングとの仕切り壁を取り払って、ひとつながりの空間にしたいと希望していましたが、強度の問題で取れない柱がありました。取れない柱以外の壁や扉を撤去して、サイズに合わせてオーダーしたロールスクリーンを設置しました。

車椅子ユーザーと快適に暮らす【寝室リフォーム編】~介護と家族団らんの両立を目指して

特注サイズの扉は高額になること、少しでも間口を広くとりたいことから、ロールスクリーン設置を選びました。先に就寝する家族がいるときはゆるやかに仕切ることができ、なおかつリビングからもキッチンからも出入りがしやすく、結果的に満足がいく選択になりました。

車椅子ユーザーと快適に暮らす【寝室リフォーム編】~介護と家族団らんの両立を目指して

「和室エリアのスペース拡大」

和室には床の間と仏間、押し入れがありました。ベッドを導入するにあたり、布団をしまう押し入れが不要になること、ベッド分のスペースを確保したいことから、それらをなくし、スペース拡大することにしました。

【Before】
車椅子ユーザーと快適に暮らす【寝室リフォーム編】~介護と家族団らんの両立を目指して

【After】
車椅子ユーザーと快適に暮らす【寝室リフォーム編】~介護と家族団らんの両立を目指して

玄関に近い廊下側からの引き戸も段差がなくなったので、出入りがしやすくなりました。

■介護のためのリフォームが、介護以外でもスペースフル活用!

押し入れ、仏間、床の間のスペース分が広くなったこと、ベッド下収納も増えたことで、介護以外でも暮らしが便利になりました。

リフォーム前はスペースが足りず、オフシーズンの服は2階の部屋に収納していましたが、リフォーム後は、こちらの部屋にオールシーズンの服を一括収納できるようになり、衣替えのストレスが激減しました。
>>>衣替えもラクラク!衣類収納にスチールラックが快適な3つの理由

車椅子ユーザーと快適に暮らす【寝室リフォーム編】~介護と家族団らんの両立を目指して

行き場がなかった本も定位置ができました。
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車椅子ユーザーと快適に暮らす【寝室リフォーム編】~介護と家族団らんの両立を目指して

リビング学習では気が散りがちな次男の学習スペースも設けることができました。
>>>うちの子、リビング学習向き?不向き? タイプ別リビング学習スペースの作り方

車椅子ユーザーと快適に暮らす【寝室リフォーム編】~介護と家族団らんの両立を目指して

「一般的には…」という概念を一度脇に置いて、「自分たちがどう暮らしたいのか?」を考えてみることが、介護リフォームでも大切なポイントかもしれませんね。

ベッド、布団に関するアイデアはこちらも参考に:
一般的な押入れは布団収納に不向き!? 本当に使いやすい「布団収納のカタチ」
ベッドはどうする? 3人でシェアする子ども部屋
押入れがなくてもなんとかなる!布団収納のアイデアまとめました

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ライフオーガナイザー 梅野優子
ブログ:福岡 片付け 収納 カフェ|ママのくつろぎ時間をサポート

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