おはようございます。
ライフオーガナイザーの梅野優子です。
「車椅子ユーザーと快適に暮らす」をテーマに、シリーズでお届けしています。
>>>車椅子ユーザーと快適に暮らす【家選び編】~変化に合わせることを前提に住まいを選ぶ
第2回は、洗面浴室のリフォームについてレポートします。
全面的な介助が必要な中学3年生の長男。入浴については、小さなころから寒さや狭さで悩んでいました。いちばんの悩みだった入浴介助のストレスを解消した、リフォームの経過をご紹介します。
目次
■リフォーム①脱衣所拡張リフォーム【入居時・長男4歳】
ようやく見つけた“LDKから廊下を通らずに行ける脱衣所”がある間取りの家。
“寒さ”についてはクリアしたものの、出入口も脱衣スペースも、車椅子ごと入ることができない狭さでした。
Before
そこで、入居前に、脱衣所に隣接する納戸をつぶして脱衣所を広げるリフォームをすることにしました。
After
主な変更は以下のとおりです。
・LDKからの出入り口を広げ、アコーディオンカーテンを設置
・脱衣所と納戸の壁を一部取り除き、洗濯機を納戸があった場所に設置
・廊下からの出入り口ドアを移動(廊下側にあったトイレが脱衣所側に)
このリフォームで、脱衣所として使えるスペースが広くなり、車椅子を乗り入れることができるようになりました。
■リフォーム②風呂増築拡張リフォーム【入居4年後・長男9歳】
入居してから4年。4歳だった長男も小学校3年生になり、身体もグングン大きくなってきました。訪問介護で入浴介助サービスは受けているものの、サービスがない日の入浴の介護負担が増えつつあることを感じて、入浴リフトを導入することにしました。
当初は、浴室の隣のトイレを別の場所へ移設して、浴室を広げたいと考えていたのですが、浴室とトイレの間の壁が耐震壁で取り払うことができないことが判明。「脱衣所側に浴室を広げられないか」「浴室自体を別の場所にするか」など、工務店の担当の方ともいろいろ検討した結果、外側に広げる“増築”という方法になりました。
脱衣所にはもともと幅180cmほどの大きな洗面台がありました。この洗面台を撤去して、入浴後に服を着せるための介助ベッドを設置することに。
入浴リフトのアームがこの位置だったら届くので、浴槽から介助ベッドまで直接リフトで移動させることができます。入浴リフトと介助ベッドのおかげで腰を痛めやすい“かがむ姿勢”が少なくなり、介護負担が大幅に減りました。
洗面台はコンパクトなものに変えて、洗濯機横に設置しました。
■介護軽減目的のリフォームには助成制度を利用
わたしが住む福岡市では“介護負担軽減目的のリフォーム”は助成の対象になります。このリフォームで利用した助成は以下のとおりです。
・助成金①住宅改造助成金
こちらは“介護負担軽減目的”の住宅改造をする場合にその費用の一部を助成する制度です。福岡市の場合は、所得により助成される金額が5段階に分かれていて、0円~50万円の間の金額になります。
参考サイト: 福岡市障がい者等住宅改造助成事業
・助成金②日常生活用具(移動用リフト)
こちらは浴室に設置した入浴用リフトの製品代金の一部が助成されるものです。
・助成金③日常生活用具(入浴担架)
こちらは入浴用リフトに吊り下げるために購入したスリングの製品代金の一部が助成されるものです。
地域によって助成制度は違うと思いますので、介護リフォームを検討されている方はお住まいの地域の役所へのお問い合わせをおすすめします。わが家の場合は、依頼したのが主に介護リフォームを取り扱っている工務店だったので、担当の方からも教えていただきました。
■介助ベッドに長さ追加のDIY!【入居10年後・長男14歳】
介助ベッドは大きめに作っていたものの、5年経った今、かなり身長も伸び、足がはみ出しそうになってきました。介助ベッドはオーダーメイドなので、新たに作り直すのもまた金額がかさみます。
そこで、はみ出した足がのせられるように、サイズが選べるホームエレクターのスチールラックを設置しました。
全体重がかかるわけではありませんが、この棚板自体は135kgの重量に対応できる強度なので、安心です。
近所のホームセンターで購入したウレタンスポンジをサイズに合わせてカットして棚板に敷き、家にあったヨガマットを上にのせて、水気にも対応できるようにしました。
介護リフォームはオーダーメイドだったり、製品が高額だったりで、費用がかさみがちです。助成制度やDIYなどを上手に取り入れながら快適な暮らしを実現したいものですね。
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ライフオーガナイザー 梅野優子
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