ランドリールームはどこにつくるのが最適? 洗濯動線からひも解く間取りのヒント

おはようございます。
ライフオーガナイザー/一級建築士の和田さや子です。

ご自宅を新築・リフォームするときに参考にしていただきたい「収納のカタチ」シリーズ。今回は、ランドリールームについて、考えてみたいと思います。

ランドリールームというのは、洗濯をしたり、干したりする機能を兼ね備えた部屋のことを指します。洗濯物を外に干さず、部屋干しにすることのメリットが注目されるようになり、新築のプランで「ランドリールームが欲しい」というご要望が増えてきました。

洗濯動線(洗濯物を洗って干すまでの流れ)をどのように考えて、家のどこにランドリールームを設けるのがよいかについて、事例を交えながらご紹介していきます。

■1階で洗って2階で干す“従来型”の洗濯動線をひも解くと

スタンダードな戸建て住宅で、洗濯動線はどうなっているか、この間取りを例にして整理してみました。

ランドリールームはどこにつくるのが最適? 洗濯動線からひも解く間取りのヒント
[1階]
ランドリールームはどこにつくるのが最適? 洗濯動線からひも解く間取りのヒント
[2階]
1階にお風呂があり、その隣に洗面脱衣室があります。洗面脱衣室の中に洗濯機があり、洗いあがった洗濯物をカゴに入れて階段を上がり、2階にあるバルコニーで洗濯物を干します。乾いた洗濯物を取り込み、2階にある各個室のクローゼットやタンスにしまいます。

ランドリールームはどこにつくるのが最適? 洗濯動線からひも解く間取りのヒント

2階には個室しかないので、この間取りのまま室内干しをしようとすると、必然的に1階のリビングスペースの一角に干すしかありません。できれば、リビングはスッキリさせたい。そのためには、ランドリールームが必要です。

■ランドリールームを2階にあげる洗濯動線は、どうなる?

法規制や予算の都合上、1階に洗面脱衣室もランドリールームも設けるのはむずかしい。それでも、「室内干しができるゆったりしたランドリールームが欲しい」という場合は、2階にランドリールームを設ける方法があります。

ランドリールームはどこにつくるのが最適? 洗濯動線からひも解く間取りのヒント

脱いだ洋服は1階の脱衣室で一時置きしますが、洗濯をするときにまとめて、2階にもって上がります。ランドリールームでは、洗って干すまでが済み、同じフロアにあるクローゼットにしまうので、動線が短くてすみます。

ランドリールームはどこにつくるのが最適? 洗濯動線からひも解く間取りのヒント
[2階]
「脱衣室と洗濯室が離れていると不便そう」と思われるかもしれませんが、1階から2階に上がるタイミングは1回だけなので、“従来型”と労力は変わりません。

■脱衣室は1階、ランドリールームは2階につくった事例

このように動線を整理し、お風呂や洗面脱衣室は1階にあるけれども、2階にランドリールームをつくった事例をご紹介します(参考プランの間取りのお家とは異なります)。

階段を上がってすぐの場所に、3畳のランドリールームをつくりました。

ランドリールームはどこにつくるのが最適? 洗濯動線からひも解く間取りのヒント

洗濯の下洗いができる洗面化粧台と洗濯機、その上にガス衣類乾燥機「乾太くん」を並べました。乾燥機で乾かせない洗濯物は、右上の物干し金物を利用して、室内干しをします。

ランドリールームはどこにつくるのが最適? 洗濯動線からひも解く間取りのヒント

洗濯機と反対の壁には収納棚と浅いカウンターを用意しました。洗濯に必要なアイテムを収納しておくには、十分な収納スペースです。

そして、外干しはまったくしないということで、バルコニーはつくりませんでした。長い目で見ると、防水工事のやり直しというメンテナンスを削れるメリットもあります。

このように、「ランドリールームは脱衣室とセットであるべき!」という思い込みをなくすことで、LDKの面積を削ることなく、ゆったりと確保することができました。

“室内干し”はこちらも参考に:
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ライフオーガナイザー/一級建築士 和田さや子
HP:NIGI一級建築士事務所

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