おはようございます。
ライフオーガナイザーで、無印良品の店舗スタッフとしても働いている小峯美保です。
同居していない高齢な母が、緊急入院しました。80代前半の高齢での入院は、5年前までの過去2回の入院とは、まったく違う介助が必要でした。病室で自分が使うもの、必要なふだん使っているものを確認するやり取りが、以前にはなかったほど大変だったのです。
“もの忘れ”と“かん違い”が影響して、行ったり来たり。仕方のないことですが、親の老いと真正面から向き合うことになりました。
そこで、病室で管理する持ちものをわかりやすく共有できるように、収納を工夫しました。高齢な親でもわかりやすい収納方法を紹介します。
■病室の収納は、中が見えにくいため高齢者には不向き
病室にある収納は、個人のものを安全に管理できるようになっているため、しっかりしていて中が見えにくいです。そのため高齢者にはわかりにくく、開閉しにくいと思いました。
病室に備え付けの収納で気がついたことは、次の3つです。
①病室の備え付けの収納
高齢になると、自宅ではものの位置が一目でわかるように出しておいて並べるようになる。壁にメモを貼るなど、自宅で行っている工夫が病室ではできない。
できる工夫として、奥行きの深い棚の上に目につくように並べる。面会の度に棚上を整え、一日で必要な分量以上を並べないことで“かん違い”を防いだ。
②貴重品の管理の鍵付きの引き出し
他の人から見えないようになっているため、高齢者には不向き。身内の介助が必要になる。
③引き出し式の冷蔵庫
特に手首をけがした母には開けにくく、入れてあることも忘れてしまうことがあった。
■着替えや貴重品は、収納グッズを持ち込んでわかりやすく
毎日着替える衣類やタオルは、病室備え付けの収納の代わりになるものを考えました。持ち運ぶバッグかわりになり、シンプルで病室でも浮かないものを「無印良品」で見つけました。
貴重品は、軽くて小さめ、パジャマの上に斜め掛けできる「ポーチとしても使える 撥水ミニサコッシュ」に。携帯して管理しました。
着替え衣類・タオルは、「ポリエステル麻・ソフトボックス」(フタ式)へ。
深さもあり、衣類をくるくる丸め、立てて入れられるので、見つけやすい収納です。軽くて柔らかい素材で、スーパーのマイカゴに入れて、そのまま退院時に持ち帰りました。
■洗濯物の管理は、色違いのジュートバッグでわかりやすく
洗濯物の管理には、赤と青の色違いの「ジュート マイバック(A4)色付き」を利用。毎日面会のときにバッグごと持ち帰り、入れ替えるようにしました。
色違いにしたことで色を目印にでき、自立するので病室で収納箱の代わりにもなります。電話での確認は、「横が青色のバッグの中にある」などと言うことで、良く伝わりました。
持ち帰る洗濯物も「横が赤のバッグに入れて」と伝え、病室のベンチで「ポリエステル麻・ソフトボックス」の横に並べて置きました。視覚で確認できる色で伝える方法は、共有しやすい方法でした。
母にとっての入院生活は、自宅で毎日していた日課もできず、ストレスを感じているようでした。そのため“もの忘れ”“かん違い”も増えたのだと思います。ひと目でわかるように工夫した収納方法は、親も安心でき、時短で行う介助にとても役立ちました。
高齢な親ができる収納に関する記事はこちらにも:
・「安近単」がコツ! 高齢の親の薬の管理は安全に・近くに・簡単に
・要介護でも「自分でできること」を増やしたい!介護を支えたワゴンの活用実例
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ライフオーガナイザー 小峯美保
HP : 整うしくみ研究室 / atelier Hygge