プレゼント企画「あなたのお宅、オーガナイズします!」(前編)ご当選者のお悩みは?【コンサルティング編】

おはようございます。
ライフオーガナイザーのさいとう きいです。

「片づけ収納ドットコム」の開設3周年を記念した、読者プレゼント企画「あなたのお宅、オーガナイズします!」

3時間のコンサルティングと、ライフオーガナイザー2名による6時間の片づけ作業(標準価格73,000円。交通費・税別)を1名様にプレゼントするという、太っ腹な?!特別企画に、LINE経由で15名もの読者の方がご応募くださいました! ありがとうございます!

ご当選者様は、東京都在住のM様です。フルタイムでお仕事をしているM様は、ご主人と小学4年生の娘さん(9歳)との3人暮らし。72㎡ 、2LDKの賃貸マンションにお住まいです。そんなM様宅でのオーガナイズの模様を、前編・後編に分けてご紹介します。

今日は前編、「コンサルティング編」です。
※掲載内容について、M様にご許可をいただいています。

■ 夫のものが溢れた「将来の子ども部屋」を明け渡してほしい

ご応募時のM様のお悩みは、

「夫が片づけが苦手で、片づけをやる意味も見出すことができない状態です。現在夫の机がある場所を子どもに譲り、クローゼットも譲り、子ども部屋にしたいと考えております。引っ越して5年たったことから、夫に部屋を明け渡してほしいのですが、やる気にはなっているものの、どうしたらいいか戸惑っていて、そのままとなっています」。

プレゼント企画「あなたのお宅、オーガナイズします!」(前編)ご当選者のお悩みは?【コンサルティング編】
M様宅リビングの一角にある、娘さんの学習コーナー(写真提供/M様)

お子さんが大きくなるまで、「将来の子ども部屋」を別の目的に使うことって、よくありますよね。けれども、実際に“そのとき”がやってくると、「将来の子ども部屋」に置いていた荷物をいったいどこへ、どうやって片づければよいのでしょうか?

プレゼント企画「あなたのお宅、オーガナイズします!」(前編)ご当選者のお悩みは?【コンサルティング編】
リビングの隣が、引き違い戸で仕切られた「将来の子ども部屋」(写真提供/M様)

ご自身で管理しているものだけならまだしも、ご自身以外の家族が管理しているものが置かれている場合、お悩みはより複雑になります。まさしくM様は、この状況でお困りのご様子。

プレゼント企画「あなたのお宅、オーガナイズします!」(前編)ご当選者のお悩みは?【コンサルティング編】
「将来の子ども部屋」の壁面クローゼットの中(写真提供/M様)

コンサルティング前に、M様に事前アンケートのご協力をお願いして、さらに詳しく状況についてお聞きしました。ご訪問前に、お困りごとの大枠を把握し、「どうすればM様のお悩みが解決し、暮らしがより楽になるか」の仮説を立ててから、M様宅へ伺います。

■ 片づけが原因で家族と議論。片づけは母親だけの仕事?

今回、担当させていただくのは、片づけ収納ドットコムの編集メンバーで、ライフオーガナイザー歴6年の佐藤美香さんです。初回ご訪問時のコンサルティングは約3時間。じっくりお話をお聞きするのが目的なので、この日は片づけ作業を行いません。

M様宅に伺ったら、まずは当日の流れをお伝えします。それから、“ライフオーガナイズ”の概念と手法をご説明したうえで、事前アンケートでご回答いただいた内容について、あらためてお尋ねしました。

プレゼント企画「あなたのお宅、オーガナイズします!」(前編)ご当選者のお悩みは?【コンサルティング編】
ヒアリング中の佐藤さんと、M様の様子(写真撮影/会田麻実子)

M様のお住まいは2LDK。リビング・ダイニングのほかに個室が2つあり、1つを家族の寝室として使っています。もう1つは、リビング・ダイニングの隣(下の画像右奥)。ここが、「将来の子ども部屋」にしたいとお考えの個室です。

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M様宅のリビング・ダイニング。引き違い戸の奥が「将来の子ども部屋」(写真撮影/会田麻実子)

M様ご自身について伺うと、趣味は読書とのこと。けれども、リビングに散らかっている家族のものが目に入ると、落ち着いて読書を楽しむ気持ちになれないそうです。ご主人の趣味はピアノですが、楽譜を箱に入れて収納スペースの奥深くにしまいこんでいるため、最近ご主人がピアノを弾くことはほとんどありません。娘さんの趣味は工作で、たくさんの作品がリビングや隣の個室に飾られているほか、本棚の上には作りかけの作品が積み上がっている状態でした。

プレゼント企画「あなたのお宅、オーガナイズします!」(前編)ご当選者のお悩みは?【コンサルティング編】
ダイニングテーブルの右手が娘さんの学習コーナー。その隣はご主人のピアノ(写真撮影/会田麻実子)

「ものの収納場所を決めていても、戻しにくいからすぐ戻すことができず、リビングに置きっ放しになってしまいます。夫のものがたくさんあるので手放してほしいのですが、聞くと『必要なものがあるはずだから、むやみに触らないでほしい』と言われてしまいます。娘は言えば片づけてくれますが、片づけそのものには興味がないようです」というM様。

「家族が散らかしたものを、わたし一人が片づけている状態で……。それが原因で、夫と不毛な議論になることもあります」。そんなM様のお話から、今の暮らしに感じておられるストレスを汲み取ることができました。

■ 片づかない部屋に、娘さんは「今のままでは友だちを呼べない」

ヒアリングののち、家全体を拝見します。「片づける場所だけ見ればよいのでは?」と思われるかもしれませんが、実はこのとき、ライフオーガナイザーが確認しているのは、個々の収納スペースだけではありません。

たとえば、ご家族それぞれが帰宅してからバッグを置き、コートを脱ぎ、手を洗ってリビングに入る“帰宅動線”や、洗濯物を干して乾かし、取り込んでたたみ、収納スペースに戻す“洗濯動線”といった、暮らしのなかの人の動き、ものの動き、所有しているものの量や種類を、お客様と確認しながら、「なぜ片づけづらいのか」を探っているのです。

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家全体を一緒に見て回るM様と佐藤さん(写真撮影/会田麻実子)

適材適所にものを収めるため、現在収納スペースに収まっているものを別の場所に移動しなくてはならないこともあります。お住まい全体を俯瞰して、どこに、どのように収めれば、ものの管理や出し入れがスムーズになるかといった解決方法を考えるためにも、家全体を把握することが大切なんですね。

M様宅でも、それぞれの部屋や収納スペースの使い方を一緒に見て回りながら、お話をお聞きしました。

プレゼント企画「あなたのお宅、オーガナイズします!」(前編)ご当選者のお悩みは?【コンサルティング編】
収納スペースに収められているものを、ひとつひとつ確認(写真撮影/会田麻実子)

「将来の子ども部屋」の一角には、ご主人の書斎コーナーが設けられています。「夫は帰宅すると、夜にここで海外との会議に出ることがあります。机の上に荷物が溢れているため、会議に参加する前に、まず机の上のものを床に下ろし、会議が終わったら、また床に置いたものを机の上に戻しています。

娘は『子ども部屋がほしい。子ども部屋ができたら友だちを自宅に呼びたい』と言っていますが、夫の散らかった机が部屋にある今の状態では友だちを呼べないと諦めているようです」。

次の画像は、寝室の一角に置かれた本棚です。「夫の机周りに収まらない書類や、引っ越し以来そのままの書類、よく見返す書類も一部入っています。娘の塾の教材のうち、終わったものもここに置いています。教材は今後どんどん増える予定なのに、すでに置き場所がなくて溢れていて、この先どうすればよいのか不安です」。

プレゼント企画「あなたのお宅、オーガナイズします!」(前編)ご当選者のお悩みは?【コンサルティング編】
寝室の窓際に並べられた本棚の様子(写真提供/M様)

こちらの画像は、同じ寝室のウォークインクローゼットの中。目線の高さのいちばん出し入れしやすい場所に置かれたボックスのなかには、義母様の“形見分け”としていただいた、たくさんのストールが入っているそうです。けれども、よく使うものは一部だけのご様子。

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寝室に設けられたウォークインクローゼットの中(写真提供/M様)

「いただきものなどは、使っていなくても手放すのがむずかしくて、そのままにしてしまいます。しまいこんでしまうと、持っているのを忘れることも多くて、どこになにをしまったか、はっきりしません……」と告白してくださったM様ですが、安心してください! それはわたしたち、ライフオーガナイザーも同じです。

だからこそ、手放すときの“罪悪感”が少しでも減らせるように、リサイクル方法やリユース方法について調べたり、収納スペースの奥の方に何をしまったのか覚えておかなくてもよいように、ものの持ち方や収納方法を工夫したりしているんですね。

ご自宅内をひととおり拝見し、収納や動線の課題が見えてきたところで、M様のお悩みについてさらに深く伺うことにしました。

■ 片づけの目的は「家族と過ごす貴重な時間を快適にしたい」

詳しくお聞きしてみると、実はMさんは約5年前、娘さんの小学校入学と同時に引っ越しをされたそうです。以前のお住まいは2LDKで、広さが80㎡ あったとのこと。現在のお住まいも2LDKと部屋数こそ変わらないものの、広さは72㎡ と1割ほどコンパクトになっています。M様は、「そういえば、引っ越す前は今より片づけられていました。ここに引っ越してから、片づけがうまくいかなくなった気がします」。

プレゼント企画「あなたのお宅、オーガナイズします!」(前編)ご当選者のお悩みは?【コンサルティング編】
さらに詳しいお話を伺う佐藤さんと、M様の様子(写真撮影/会田麻実子)

部屋がコンパクトになって収納スペースが減ったことや、以前の住まいに合わせて買った収納用品が今の住まいに合わず使いづらいこと、忙しさのあまり、引越し後に“とりあえず”収めたものがそのままになっていること、娘さんの成長とともにものがどんどん増えてきたことなども、現状の片づけづらさの原因になっていることがわかりました。

プレゼント企画「あなたのお宅、オーガナイズします!」(前編)ご当選者のお悩みは?【コンサルティング編】
M様の「利き脳」もチェック(写真撮影/会田麻実子)

では、M様にとって、どういう状態が理想なのでしょうか? さらにヒアリングをすすめると、「探しものに費やす時間を減らしたい」「片づけに追われたくない」「片づけが原因で家族と不毛な議論をしたくない」。そのためには、「子どものものは子どものものでまとめたい」「夫のものは夫のものでまとめたい」「あちこちに点在する書類を整理してまとめたい」といった、具体的なご要望が明らかになりました。

「夫や娘のものが片づいたら、夫の机をリビングにもってきて、その隣にノートパソコンを置くスペースをつくって、家族の調べものコーナーにしてもいいなと思います。今後は娘もパソコンで調べものをする機会が増えると思うので、一緒に使えると便利そうです」と話してくださったM様。

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ヒアリング後半になると、M様にも佐藤さんにも笑顔が(写真撮影/会田麻実子)

「今、娘は帰宅後の時間の大半をリビングで過ごしていますが、もう少し大きくなって個室を与えたら、部屋にこもって勉強する時間も増えてくるかもしれません。そう考えると、リビングで家族みんなが一緒に過ごせる時間は、あと少しなのかもしれませんね。今の家族の貴重な時間を、より快適なものにするために片づけたいと思います」。片づけの目的が見えてくると、お話が盛り上がり、笑顔も出てきます。

■ 減らすことなく、今あるものを収める方法が知りたい

けれども、今回は「ライフオーガナイザー2名による6時間の片づけ作業」です。現実的に考えると、その1回で家全体を片づけることはできません。これまでのお話から推定した、M様の目的達成につながりそうな作業範囲を、その場でいくつか提案したところ、M様が選ばれたのは「将来の子ども部屋」。

片づけ作業に対するM様のご要望を伺うと、「自分のものであれば、その場で要不要の判断ができますが、片づけるのは娘の部屋、娘のものです。勝手に捨てることはできないので、できればものを減らすことなく、今あるものを収める方法が知りたいです」とのことでした。

ライフオーガナイズの手法では、片づけを「捨てる」から始めないので、もちろんこういったご要望にお答えすることも可能です。

プレゼント企画「あなたのお宅、オーガナイズします!」(前編)ご当選者のお悩みは?【コンサルティング編】
収納プラン作成のため作業対象のスペースを計測(写真撮影/会田麻実子)

その後、あらためて作業対象となるスペースを拝見しながら、空間の使い方やものの配置についてご相談しました。その結果、

●リビングに置いてある勉強机を、いずれ「将来の子ども部屋」に移動できるよう準備しておきたい。
●増え続ける塾の教材を収納する場所を確保し、必要なときに出し入れできるようにしたい。
●子どもの作品を飾るスペースを確保したい。

という、M様の3つの希望を叶えられるよう、後日、片づけ作業を行うことに決定しました。最後に、ご提案書を作成すために採寸、撮影を行います。

プレゼント企画「あなたのお宅、オーガナイズします!」(前編)ご当選者のお悩みは?【コンサルティング編】
収納プラン作成のため作業対象のスペースを撮影(写真撮影/会田麻実子)

M様のコンサルティングを担当したライフオーガナイザー、佐藤さんはどんなプランを考えたのでしょうか? 後編では、M様宅のビフォー・アフターをご紹介します! 楽しみにお待ちくださいね。

後編はこちら
>>>プレゼント企画「あなたのお宅、オーガナイズします!」(後編)プロと片づけるとどうなる?【ビフォー・アフター編】

番外編はこちら
>>>プレゼント企画「あなたのお宅、オーガナイズします!」(番外編)クローゼットの見た目も使い勝手も整えたい!【アフターの、さらにアフター編】

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ライフオーガナイザー さいとう きい
ブログ:SMALL SPACES: 狭くても快適に

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