おはようございます。
ライフオーガナイザー/一級建築士の和田さや子です。
壁に棚をつけたり、フックをつけたりするとき、「下地があるところにつけましょう」と言われます。「下地ってなに?」「壁に適当つけたらどうなるの?」と、不安な気持ちから、なかなかDIYに挑戦する勇気がでないという方も多いと思います。
今回はそもそも、「下地って何なの?」「下地はどこにあるの?」というところから、詳しくお話をしていきたいと思います。
目次
■下地はどんなところに入っている?
下地とひと口に言っても、いろいろな形状があります。今回は3種類にまとめました。
1.木造の家を支える「柱」や「梁」
地震や台風に耐えられる丈夫な家にするために大切な「柱」や「梁」は、棚などを取りつけるときにも重要な下地になります。構造材なので、ある程度、重さがあるものも取りつけることができます。
構造の図面があれば、「柱」や「梁」の位置や大きさがわかるので、施工会社に確認してみてください。
2.壁を支える部材「間柱」
間柱は、455㎜ピッチで入っていることが多いですが、壁の長さや家のモジュール(基準となる寸法)によって前後します。また、窓や扉の周りにも間柱と同等サイズの下地が入っています。
また、木造住宅の場合は、間柱は木製であることが多いですが、マンションは木製ではなく、軽量鉄骨製が使われていることがあります。間柱の種類によって、取りつけ用のビスの種類が変わりますので確認が必要です。
間柱の位置がわからないときは、市販の下地センサーを使えば確実に探すことができます。
3.壁の面全体に貼り付けている「合板」
耐震性を上げるための「耐力壁」として設置されていることが多いですが、「下地」としてももちろん役に立ちます。壁全体に入っていることが多いので、取りつけ位置が自由になるというメリットがあります。
取りつけるモノによっては下地の大きさに指定があり、合板下地では耐力不足の場合もありますので、事前に確認してください。
■盲点!取りつけ用ビスは買い替えが必要なことも
下地の上には、石こうボードという下地ボードを張りつけ、その上にクロスなどの内装仕上げをしています。石こうボードは下地としての耐力はなく、ボロボロと崩れてくるので、その奥にある下地までしっかりと止め付けることが大切です。
タオルバーや棚受金物を買うと、一緒に取りつけ用のビスが付いてきますが、ほとんどの場合は長さが足らず、実はビスが下地まで届いていません。
石こうボードの厚み分12.5㎜に加えて、下地にしっかりめり込むように35㎜~50㎜程度のビスを使ってください。
■新築・リフォーム時に入れておきたい下地5選
ここまでは、あとからDIYで何か取りつけたいと思ったときに、必要な基礎知識をお伝えしてきました。
最後に、新築・リフォームをするとき、施工会社に下地を入れてほしいとお願いできるのであれば、ぜひ検討しておきたい場所についてまとめました。
1.カーテン下地 カーテンレールやロールスクリーンを取りつけたい位置に必要です
2.タオル掛け下地 トイレや洗面などの壁に必要です
3.手すり下地 玄関やトイレなどにあると、後でつけることができます
4.室内干し下地 洗濯物を室内で干す場所を決めて下地を用意します
5.棚下地 市販品を買うより、壁に固定したほうが地震対策として安心です
高さや幅を指定して入れてもらうと、本当に欲しい場所に取りつけが可能です。大工工事の途中で入れてもらうことになりますので、工事が始まるまでに要望を伝えておいてください。
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ライフオーガナイザー/一級建築士 和田さや子
HP:NIGI一級建築士事務所