日本ライフオーガナイザー協会代表理事の高原真由美です。
先週の記事では、右往左往しながらの施工業者探しの末、設計・監理を建築家に、施工を工務店に分けてそれぞれ直接契約する「設計・施工分離方式」(本連載では「分離発注」と表記)という家づくりを選んだこと、そして「この人たちに我が家を建ててもらいたい!」と思えたことが決め手だったとお伝えしました。
第一関門突破というところですが、家づくりはここからが本番!今週からは新たに「建築家との家づくり」シリーズをお届けします。
分離発注といっても私たちの場合、施工が工務店、設計監理が建築家と窓口はふたつですし、この二者が最初からタッグを組んでくれていることから、ハウスメーカーやビルダー、工務店に一括発注する進め方と大きく変わるものではありません。
ただ、初回面談以上に、いや、まさに度肝を抜かれたのが初回プレゼン。というか、“度肝を抜かれる”なんて表現、日常生活で使うことなんてあります?(笑)
過去の数社との打ち合わせでは、まったく心が動かなかった初回プレゼンですが、こうまで違うものなのかと本当にびっくりしたというエピソード回です。

■3週間後の初回プレゼンは「3プラン+模型2つ」
先に土地の購入スケジュールが確定していた私たちは、とにかく施工業者選びを急いでいました。初回面談のヒアリングでそのことをお伝えしていたこともあり、プレゼンは3週間後に予定されることになりました。
初回面談の時点で、今までとは全然違うぞと感じてはいたものの、それほど大きな期待は持っていませんでした。期待しては「あれ、なんか違う…」が続いていたからだと思います。
だがしかし!
建築家さんが用意してくださったのは、なんと3つのプラン!!!しかも各プランがそれぞれ個性的で、甲乙つけがたい内容。
私たちの要望が詰め込まれながらも、こちらが言語化していない潜在的な要素まで、独自の発想と提案力で具現化された平面図。
1案でもそのクオリティの高さに十分驚くところですが、さらにそのうち2案には模型までついていました。
しかも、建物だけを切り取った簡単な模型ではありません。
敷地に接する道路や、近隣の建物の高さ・形までわかるように再現されていて、新しい家が周囲の環境の中にどう建つのかを立体的に確認できるものでした。
「えっ、ここまで調べてから作ってくれたの!?」
もう、この時点で完全に想定外です。
図面だけでは想像しにくい光の入り方や、外から見た建物の佇まい、近隣との距離感まで、模型を見ることで一気に現実味を帯びてきました。
そしてA案の模型の内部を見た瞬間、私の頭に浮かんだのは、
「もはや、ここに住みたい!」
という言葉。まだ初回プレゼンなのに、です。(笑)
私たちが初回面談で話した、好きなこと、嫌いなこと、心地いいと感じること、そうでないこと。
一見、家の設計とは直接関係がなさそうだった話が、建築家の手によって「暮らしのカタチ」に翻訳されていました。
見た目が素敵とか、カッコいいとかそういったことではありません。
私たちが言葉にできていなかった要望が、ちゃんと拾い上げられつつ「こう暮らしたいのでは?」と提案してもらった、そんな感覚。
ちなみに、そこまで心をつかまれたA案ではなく、最終的に採用したのはB案をブラッシュアップしたプラン。
なぜA案ではなかったのか。C案にも惹かれながら、最終的にB案を選んだ理由、そしてその後B案がどのように変わっていったのか。次回以降に詳しくご紹介していきますね。
■初回プレゼン方法も費用も様々
なお坪単価テーマの記事で紹介した他社の場合はどうだったかというと。打ち合わせから初回プレゼンまでの期間とプレゼン内容、費用は下記のとおりでした。
A社 約3週間後 1案 平面図・立面図(四面)・外観CGパース(1枚)・内装CGパース(4枚) 費用3万円
B社 約1ヶ月後 2案(違いは若干程度) 平面図・立面図(二面) 費用無料
C社 約2週間後 要望をすべて反映すると予算内では計画不可との回答(プラン作成以前で終了)
D社 約3週間後 1案 平面図・インテリアイメージプラン数枚 費用20万円(※費用は当初条件にて、お断りすることで返金済み。プレゼンもオンライン形式だったので成果物も受け取っておらず、詳細はすでにあまり覚えていません。)
A社の場合、もっぱら営業担当者が窓口で、ヒアリングシートであるアンケートフォーム(Googleフォーム)の質問事項にこちらが入力する形式。かなり細かく入力に1時間以上かかったように記憶しています。その内容をベースに設計担当者がプランニングし、プレゼン内容の説明も営業担当者が行うので、結局私たちがA社の設計担当者に会うことはありませんでした。(契約後から設計者が登場するというよくあるスタイル)
もともと本命だったB社もヒアリングは営業担当者が窓口、初回プレゼンも営業担当者が説明、二回目以降から設計担当者が同席・説明という流れでした。
D社もヒアリングは営業担当者が窓口、でも初回プレゼンには設計担当者が同席・説明してくれました。
C社に至っては、プラン作成以前で終了してしまったのですが、その理由は「施主側の要望を全部網羅する計画ありき」だったから。
え?要望を網羅するのが当然では?って思いますよね。
いやいやいや。このご時世、施主側の要望を全部叶えようとすれば予算オーバーは必至。
施主側の具体的な要望をダイレクトに図面に反映させるのではなく、なぜそうしたいのかという潜在的な願望を引き出し把握したうえで、違った形で反映できないかを検討したり、別の角度から異なる提案を行い、施主側に新たな視点を与える。それこそが、私たちがプロに期待していた仕事だったのだと実感しました。
実際のところ、我が家は当初3階建てを想定していたので、B社とはずっと3階建てプランで進めていました。C社も同様で要望を詰め込むとどんどん膨れ上がる予算。
どう考えても現実的ではないと感じたタイミングで、D社から2階建てなら予算内で計画できるのではとの提案があり。
「え?2階建てでいけるの??(=2階建てでもレイアウトできるの?)」と拍子抜け。
概算見積書テーマの記事で書きましたが、どれだけ私たちの話を聞き、優先順位を整理し、限られた予算の中で最適な提案をしてくれるのか、これがすべてですね。
その後、A社とD社には2階建てで計画してもらうことになったわけですが、依頼することになった建築家さんの初回プレゼン当日に、二社ともお断りいたしました。
■信頼できるプロとの出会いは、家づくりを変える
今回あらためて思ったのは、「信頼できるプロとの出会いは、人生を変える」ということ。
依頼を決めた工務店と建築家との出会いによって、私たちの家づくりは大きく動き始めました。
これは、ライフオーガナイザーとお客様との関係にも通じます。
自分だけでは言葉にできなかった希望や、気づいていなかった大切なことを、質問を通して引き出し、具体的な形にしてくれる。
そんな伴走者と出会えると、家づくりも片づけも、そしてその先の人生も変わっていくのかもしれません。
なんていいながらも、まだまだ序盤戦。こんなに大絶賛していても、今後どうなるかは神のみぞ知るということで、完成引き渡しまでは社名や名前などの紹介は差し控えたいと思います。この記事では、建築家のYさん、そして工務店のKさんと記載しますが、どうかどうか、堂々と紹介できる日がやってきますように。(祈)
家づくりを考えるときの選択肢として、建売住宅、ハウスメーカー・工務店だけではなく、「戸建て住宅を設計する建築家と家をつくる」という方法もあることを知っていただくべく、ほぼリアルタイムで悪戦苦闘している様をお届けします。
次回は、初回プレゼンで提案されたA案・B案・C案、そして最終的にB案をブラッシュアップすることになった理由についてお届けしますが、今週からはInstagramのほうでも、この記事で伝えきれない内容について発信スタート♪
インスタ運用には苦手意識があるため、どこまで発信できるか不明ですが、今回は文字で表現するには限界のある初回プレゼン時の、建築家Yさんによる模型を用いた説明シーンをこのあとストーリーズにアップしますね。
工務店のKさんが撮影されたもので、工務店さんがInstagramのストーリーズにアップしていたものをシェアしてもらい、切り取りました。こういうのは、やっぱ動画じゃないと伝わらないですよね。
人生後半に思うことはなんですか?
これから何をしたいですか?
心地いい暮らしづくりに役立てれば嬉しいです。
次回は7月22日(水)朝10時にお会いしましょう♪
日本ライフオーガナイザー協会代表理事 高原真由美
ブログ:JALO公式ブログ







