日本ライフオーガナイザー協会代表理事の高原真由美です。
先週の記事では、「土地探しから対応します」という言葉を信じて施工業者探しを始めたものの、思っていたようには進まず、何を信じればいいのかわからなくなった、というお話をしました。
今回は、その迷走に拍車をかけたもうひとつの大きな要因についてお話ししたいと思います。
そう、それが「坪単価」、ツ・ボ・タ・ン・カ(お・も・て・な・し風に読んでください。)です!

家づくりを考え始めると必ず目にする言葉です。
1坪は、日本の尺貫法における面積の単位。平米でいうと約3.3平方メートル、一般的に畳2枚分の大きさに相当する、この単位がベースになるわけですが、正直注文住宅でのこの指標は、「実際のところ、そんなに参考にならないのでは?」と、私はかなり驚くことになった次第。
■坪単価を比較すれば答えが出ると思っていた
土地探しと並行して施工業者を探し始めた頃、私がまず参考にしたのは坪単価。まずは多くの方がこの数字で一旦、比較検討されるのではと思います。
一般的には坪単価60万円以下くらいをローコスト住宅と呼ぶそうですが、当時私が検討していた会社の坪単価はこんな感じ。(いずれも税別)
A社 坪単価55万円〜
B社 坪単価56万円〜
C社 坪単価64万円〜
D社 坪単価90万円〜
数字だけを見ると、「A社とB社はかなり安い!」と思いません?
はい、当然私もそう思いました。
ところが実際に話を聞き始めると、そんな単純な話ではないわけです。
まず会社によって情報公開のスタイルが全然違うというところ。
ウェブサイトに坪単価や標準仕様を細かく掲載している会社もあれば、見学会や個別相談で営業担当から説明を受けて初めてわかる会社もあります。
しかも同じ「坪単価○万円〜」という表記でも、含まれている内容がまるで違うという…。
当時の私は、坪単価というのは施工業者を比較するための共通指標だと思っていました。
どの会社も33坪前後(約109㎡)を基準としていて、それより小さくなれば割高、大きくなれば割安になるという考え方はだいたい同じですが、でも実際には比較するための参考程度、目安のひとつ?くらいのものでしょうか。
ちなみに33坪(延床)というのは、日本の注文住宅では3〜4人家族を想定した平均的な広さ。我が家のような大阪市内の3人家族なら、ごくごく標準的なサイズですが、郊外や地方で延床(=フロア全部の面積)33坪だと、まぁまぁなコンパクト感があるとは思います。とはいえ、「コストダウン=坪数を減らす」は現代の家づくりにおける王道(笑)ということは、覚えておきましょう。
■坪単価の中身が会社ごとに違いすぎた
家づくりを検討された方の嫌いな言葉ランキングがあれば、きっとその1位は「オプション」なのではないでしょうか。戸建てだけじゃなく、マンションでもおそらく同様だと思います。
坪単価に含まれないものとして、例えば上下水道の引込工事や地盤調査、地盤改良費、解体費用などはなんとなく理解していました。
でも、
外構工事
エアコン設置
テレビアンテナ工事
インターネット工
カーテンレール
カーテン本体
照明器具
などなど。これらが基本的に含まれていないケースがほとんど。いや、過去の仕事柄、概ね知ってはいましたが当事者となると、「では、さらにあといくらお金が必要となるんでしょうね???」と疑問だらけになるわけです。
照明なんかもだいたい最低限しか含まれておらず、
「お気に入りのペンダントライトを付けたい」
「ブラケット照明にしたい」
となれば当然追加費用必須。
で、それだけじゃないんです!
注文住宅とうたいながら選べる範囲がかなり限定されていること。
メーカー指定はもちろん、品番まで指定されているケースも珍しくありません。
もちろん変更はできます。(※できない会社もあり)
ただし、その場合は単純な差額追加ではなく、オプション扱いとなり、想像以上に金額が上がることも少なくありません。
つまり、坪単価を安く見せておいて、その後オプションで積み上げていく。そんな仕組みが今の住宅業界ではかなり一般的になっているように感じました。
結果として、最終的には坪100万円前後になることも普通。
もはや最初に見た坪単価の意味はどこへやら…。
さらに住宅本体以外にも、住宅ローン費用、火災保険や各種税金、家具や家電の購入費用なども必要になります。我が家のように土地購入からだとさらにオン!(号泣)最近では建材などの高騰に金利の上昇など、家づくりにおける逆風しかないのですが…。
そう今や、坪単価はあくまで目安のひとつでしかなく、施工業者選びの決め手にはならないというのが私の率直な感想です。
■坪単価より大事だったのは総予算と優先順位
もちろん坪単価が無意味というわけではありません。
大まかな比較指標としては参考になります。
ただ、それだけで施工業者を選ぶのは超危険!!

結局のところ必要なのは、
・自分たちが絶対に譲れないことは何か
・逆に妥協できることは何か
という優先順位の整理。(=思考の整理)
そして、
・土地代
・建物代
・諸費用
・家具家電
・税金
・火災保険
まで含めた総予算の把握です。
この2つが整理できて初めて、「この会社なら実現できそう」という比較ができるようになります。
実際、我が家も各社に要望を伝え、間取り図作成→概算見積り作成という流れで検討を進めることになりました。
ただ、間取り図作成と見積り作成が無料の会社もあれば、有料の会社もありまして。(すべて税別)
A社 無料
B社 3万円
C社 無料
D社 20万円
この金額に対して、どう思われます?正直、最初はD社の20万円は高っ!と感じたものの、でも冷静に考えれば当然だと思うんですよね。
注文住宅のプラン作成は、その土地にどんな建物が建てられるのかを調べ、採光や周辺環境、法規制まで考慮して設計する作業です。(実際に登記簿や土地の各種情報なども提出したうえで作成いただきます。)
そのうえで見積りまで作るのですから、本来かなりの労力がかかっています。
私自身、過去の仕事経験から考えても、
「無料でやるほうがおかしいかも」
と思うわけで。
ちなみにD社は最終的に依頼することになった会社ではありませんでした。
ただ、E社(最終的に依頼することを決めた会社で、まだ記事には登場していません)にお願いしたいという気持ちが固まり始めていたタイミングでその旨を正直に伝えたところ、一旦20万円を支払えばプラン作成はするけれど、他社で決まった場合は返金しますという対応をしてくださることに。
結果的に返金していただきましたが、その対応からはとても誠実さを感じました。通常、契約に至った場合は支払ったこのプラン料は費用に充当されるのでマイナスはありません。B社の場合は契約に至らない場合の返金なしということで安価に設定しているとのことでした。
坪単価だけでは見えない部分って、本当にたくさんあるのだと実感しました。
家づくりは、土地も建物も、数字だけでは判断できません。
結局ここでも必要だったのは、
自分たちは何を大切にしたいのか。
どこまでお金をかけるのか。
という思考の整理。
え?何度も言われるとくどいですか?(苦笑)でも本当にこれに尽きるんですよ。
「本当に??」と思われる方は、ぜひライフオーガナイズ入門講座を受けてみてください。これから新築しようと思っていて、と担当講師に伝えていただくともれなく、その方向でアドバイスもしてくれるはずですよ。
さてさて。まだまだ新居への道のりは遠いわけですが、このあと私をさらに悩ませることになるのが「概算見積書」。
坪単価以上に比較が難しく、世間の皆様はよくこの段階で決めることができるものですねと…。
次回は施工業者クエスト③として、概算見積と各種仕様における格闘?についてお届けしたいと思います。
人生後半に思うことはなんですか?
これから何をしたいですか?
心地いい暮らしづくりに役立てれば嬉しいです。
次回は7月1日(水)朝10時にお会いしましょう♪
日本ライフオーガナイザー協会代表理事 高原真由美
ブログ:JALO公式ブログ






