「時間を生み出すヒト・モノ・コト」古着deワクチン(後編)〜衣類を手ばなす罪悪感を、社会に貢献する満足感に変えたい

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おはようございます。
ライフオーガナイザーのさいとう きいです。

ゴールデンウィーク前後の、さわやかなこの時期に適しているのは“行楽”ばかりではありません。暮らしを見直し、片づけや整理に取り組むのにも最適な季節です。「この週末は、衣替えを兼ねてクローゼットを整える予定…」という方も多いかもしれませんね。

今回の連載「時間を生み出すヒト・モノ・コト」でご紹介しているのは、ライフオーガナイザーたちが“整理した衣類の手ばなし先”としてよく活用している「古着deワクチン」です。

・「時間を生み出すヒト・モノ・コト」古着deワクチン(前編)〜捨てられない人必見!不要になった服を“人のために使う”仕組み

後編では、古着deワクチンの活動に従事する日本リユースシステムの鈴木詩織さん、高岡静子さん※、副島佳澄さんに、その利用方法について伺います。

※高岡静子さんの「高」は旧字(髙)、「静」は青偏に争の旧字(爭)。

インタビュー・記事/さいとうきい
インタビュー/会田麻実子
写真撮影/白石規子(5、7枚目)、さいとうきい(6枚目)、会田麻実子(9枚目)
写真提供/日本リユースシステム(2〜4、10枚目)

 


今日の目次:

■ 古着deワクチンの申込方法は?価格は?
■ 送っていいもの、送ると喜ばれるもの
■ ユニクロのセーター30億枚分がゴミに!?
■ 愛される仕組みの新たな展開とは?


 

■ 古着deワクチンの申込方法は?価格は?

前回、古着deワクチンをご紹介してから、たくさんの方にその利用方法についてお問い合わせをいただきました。利用方法を詳しく教えていただけますか?

「時間を生み出すヒト・モノ・コト」古着deワクチン(後編)〜衣類を手ばなす罪悪感を、社会に貢献する満足感に変えたい
赤すぐの古着deワクチン購入ページ


日本リユースシステム(高岡さん):

「古着deワクチンは『赤すぐ』のショッピングサイトで購入できます。お申込みいただくと、専用着払い伝票を含む『古着deワクチンキット』(税込1,080円)または専用着払い伝票付きのダンボール箱(中サイズ税込1,620円、大サイズ税込2,160円)がお手元に届きます。手ばなしたい衣類やバッグ、靴、服飾雑貨などをご自身で用意した箱、もしくはお送りした箱に詰めて専用着払い伝票を貼り、指定の宅配業者に電話で集荷を依頼してお渡しいただければ手続きは完了です。後日、特典として『赤すぐnet』内のショッピングで使える1,000円分のクーポンを進呈しています」。

専用着払い伝票を含む「古着deワクチンキット」を購入する場合、実質無料でサービスが利用できるということですね。ポリオワクチンは1箱ごとに寄付されるのでしょうか?

日本リユースシステム(高岡さん):
「そのとおりです。お申し込み1口につき5人分のポリオワクチンが、『認定NPO法人 世界の子どもにワクチンを 日本委員会』を通じて開発途上国へ届けられます。ご購入後、赤すぐのサイトで口コミを書いていただけると、さらにワクチン1人分を追加して寄付しています」。

「時間を生み出すヒト・モノ・コト」古着deワクチン(後編)〜衣類を手ばなす罪悪感を、社会に貢献する満足感に変えたい

「時間を生み出すヒト・モノ・コト」古着deワクチン(後編)〜衣類を手ばなす罪悪感を、社会に貢献する満足感に変えたい

「時間を生み出すヒト・モノ・コト」古着deワクチン(後編)〜衣類を手ばなす罪悪感を、社会に貢献する満足感に変えたい

ポリオワクチン寄付に関する活動の様子は、古着deワクチンのホームページにある「活動報告」や「世界の子どもにワクチンを 日本委員会」のホームページにある「ニュース・活動報告」で見ることができます。ぜひチェックしてみてくださいね。

■ 送っていいもの、送ると喜ばれるもの

古着deワクチンの購入時に選べるダンボール箱は、どのくらいの大きさですか?

日本リユースシステム(副島さん):
「中サイズが、縦47×横47×高さ47cmです。お手元へは、折りたたんだ状態で届きます。実物をご覧になりますか?」

ということで、見せていただいた中サイズの箱がこちら。洋服だと約70枚が収まる大きさだそうです。

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日本リユースシステム(副島さん):
「大サイズのダンボール箱は縦50×横50×高さ60cmで、洋服約100枚が収まる大きさです。ダンボール箱が不要な方には、専用着払い伝票を含む『古着deワクチンキット』(下の写真)をお送りしています。その際は、縦+横+高さの合計が160cm以下の箱をご用意ください。30kg以下であれば、何アイテム詰めていただいてもかまいません」。

「時間を生み出すヒト・モノ・コト」古着deワクチン(後編)〜衣類を手ばなす罪悪感を、社会に貢献する満足感に変えたい

ショッピングサイトには、「常識的な範囲で大きな穴が開いていたり、着られないような汚れがないもの」であれば、どんな衣類でも送っていいと書かれていますが、本当にどんなものでも大丈夫なのでしょうか??

日本リユースシステム(鈴木さん):
「はい。シミ・汚れ・破損がひどいものでなく、再利用可能なものであれば、どんな服をお送りいただいてもかまいません。大人、子ども、男性、女性、季節なども問いません。お子さんの名入り、会社のロゴ入りでも大丈夫です。服飾雑貨は、バッグ、靴、マフラー、ストール、ネクタイ、帽子、サングラス、ヘアアクセサリーなど、こちらも、常識的な範囲で再利用できるものであれば、何でもお引き受けします」。

逆に、送ってはいけないものはありますか?

日本リユースシステム(鈴木さん):
「下着類(ブラ・ショーツ)、靴下、タイツ、水着、パジャマ、シーツや枕、布団などの寝具、バスタオル、スポーツタオル(ハンドタオルより大きいタオル)、ぬいぐるみ、子ども用おもちゃ、食器類・電化製品・食品などは対象外となります」。

送ると喜ばれるものって、あるのでしょうか?

日本リユースシステム(副島さん):

「靴はとても喜ばれますよ。現地のものは、すぐに靴底が剥がれてしまったり、縫い目が破れてしまったりと、品質がよくないんです。その点、日本の靴は丈夫です。舗装されていない道を歩いてもダメにならないので、すごくニーズが高いですよ」。

副島さんによると、Made in Japanの靴だけでなく、日本で流通している靴なら、どういったものでも喜ばれるとのこと。消費者の目が厳しい日本市場で受け入れられたクオリティということで、歓迎してくださるそうです。

■ ユニクロのセーター30億枚分がゴミに!?

素朴な疑問なのですが……。日本リユースシステムでは、さまざまな中古品を扱っていますよね? それなのになぜ“古着”でワクチンを寄付することにしたのですか?

日本リユースシステム(鈴木さん):

「実は、日本で食品の次に廃棄量の多いアイテムが古着なんです。ファストファッションの普及によって衣類を低価格で手軽に購入できるようになったことも、廃棄量増加の一因だと考えられています」。

「独立行政法人中小企業基盤整備機構」によると、衣料品の年間供給量111万トンに対して排出量は94万トン。このうち一般家庭から可燃ゴミ・不燃ゴミとして出される衣料品は60万トン。手持ちの「ユニクロ」の「カシミヤVネックセーター(長袖・レディース)」を測ってみたら1枚約200グラムだったので、これを基準に計算してみると約30億枚のセーターがゴミとして捨てられていることになります。

「時間を生み出すヒト・モノ・コト」古着deワクチン(後編)〜衣類を手ばなす罪悪感を、社会に貢献する満足感に変えたい

日本リユースシステム(高岡さん):
「しかも、廃棄される衣類の90パーセント以上がまだ着られる良質なものだと言われています。食べられるのに捨てられてしまう“食品ロス”を削減しようとする動きが全国的に広まっていますよね。私たちは、まだ着られるのに捨てられてしまう“衣料品ロス”をもっと減らせないかと考えて、古着をワクチン寄付の対象にしました」。

その一方で、まだ着られる衣類を“捨てる”ことに抵抗を感じる人も大勢いますよね。

日本リユースシステム(鈴木さん):
「だからこそ、私たちからの提案は“捨てる”ではなく“リユース”です。捨てられないけれど、誰かに使ってもらえるなら手ばなせるという方もたくさんいらっしゃいます。しかもそれを、お金で買い取るのではなく“ワクチンの寄付と途上国での衣類のリユース”という形にすることで、衣類を手ばなす罪悪感を社会に貢献する満足感に変えたいと考えているんです」。

不要になった衣類を捨てればクローゼットはすっきりします。けれども環境への負荷がかかります。かといって、不要になった衣類を溜め込めば、家が散らかる原因にもなります。私たちひとりひとりができることは、慎重な消費とリユース・リサイクルの徹底なのかもしれませんね。

■ 愛される仕組みの新たな展開とは?

赤すぐのサイトには、2017年4月7日現在、5,276件ものクチコミが寄せられています。それぞれのコメントを拝見すると、利用者のみなさん、古着deワクチンに対する満足度が高いようですね? 

「時間を生み出すヒト・モノ・コト」古着deワクチン(後編)〜衣類を手ばなす罪悪感を、社会に貢献する満足感に変えたい
赤すぐの古着deワクチンのクチコミページ


日本リユースシステム(鈴木さん):

「利用者のみなさんに、本当に愛されている仕組みだと思います。たとえば、シミ・汚れ・破損のひどいものでなければ、どんな衣類でも送っていただいて構いませんとお伝えしているのですが、寄せられる衣類の廃棄率(リユースに回せないため、処分せざるを得ないものの比率)は数パーセントです。リサイクルショップなどでは数十パーセントに及ぶことも珍しくないんですよ。みなさん、次に利用する方のことを思って、衣類を送ってくださっているんだと思います」。

日本リユースシステム(副島さん):
「衣類をきれいにたたんで、手紙まで添えてくださる方も大勢いて、私たちもすごく励みになります。さらに多くの方にご利用いただけるよう、これからもサービス内容の改善に努めたいと思っています」。

「時間を生み出すヒト・モノ・コト」古着deワクチン(後編)〜衣類を手ばなす罪悪感を、社会に貢献する満足感に変えたい

日本リユースシステムでは、今後、古着以外の中古アイテムも社会貢献に繋げていきたいと考えているそうです。

たとえば、不要になったベビーカーをリユースすることで生まれた利益を車椅子に替えて開発途上国へ寄付する「ベビーカーde車椅子」、不要になったキッチン用品や食器などをリユースして開発途上国の子ども達の給食5食分に替える「キッチンde給食」、不要になったおもちゃを国内外の子ども達の教育資金に替える「おもちゃde子育て」など。

「時間を生み出すヒト・モノ・コト」古着deワクチン(後編)〜衣類を手ばなす罪悪感を、社会に貢献する満足感に変えたい

使わなくなったものを手ばなすことで私達の家が片づき、手ばなしたものが必要とされる場所に渡ることで喜ぶ人がいて、企業はそこで得た収益を国際社会へ還元する。まさに、日本リユースシステムの企業理念“三方よし”の発想で生まれたアイデアばかりです。サービス開始は2018年夏頃の予定だとか。わが家にも使っていないベビーカーがあるので、ぜひサービスを利用してみたいと思います!

あらためまして、今回の取材にご協力くださった日本リユースシステムの鈴木さん、高岡さん、副島さん、ありがとうございました!

「時間を生み出すヒト・モノ・コト」古着deワクチン(前編)〜捨てられない人必見!不要になった服を“人のために使う”仕組み

【取材協力】
・日本リユースシステム
・古着deワクチン

【参考】
・古着deワクチン|赤すぐ
・認定NPO法人 世界の子どもにワクチンを 日本委員会
・(独)中小企業基盤整備機構「繊維製品3R関連調査事業」01020304
経済産業省「繊維製品3Rシステム検討会報告書」

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