日本ライフオーガナイザー協会代表理事の高原真由美です。
先週の記事では、設備や仕様を選ぶ前に「家具から暮らしを考える」という、わが家の家づくりの順番をご紹介しました。使いたい家具の大きさや置き方が見えてくると、それに連動して窓、壁、コンセント、収納なども考えやすくなるのでおすすめです。
さて。実施設計が進むと、本当にいろいろなことを決めなければなりませんが、早めに検討することは、すべての商品を今すぐ確定することではありません。
「今すぐ確定すること」「採用する可能性を共有しておくこと」「あとで決められること」に分けておくと、選択肢を残しながら進められます。
今回は、わが家が先回りして検討した実例をもとに、設計者へ早めに共有しておきたいことを整理したいと思います。

目次
■キッチンやお風呂だけではない!早めに考えておきたいこととは?
家づくりで「設備」と聞くと、キッチン、風呂、洗面、トイレなどを思い浮かべる方が多いかもしれません。でも、暮らしやすさや見た目に影響するのは、それだけではありません。
- 窓まわり:カーテンかブラインドか。開閉方向や、開けたときに生地がたまる幅まで考える
- 床・天井・建具:床の素材や色、天井高、建具の高さ、ハイドアにするかどうか
- 壁面:ミラー、棚、フックなどを取りつける可能性と、下地が必要な位置
- 階段・手すり:形や素材、手すりをどちら側につけるか
- 外部・外構:カーポートの有無や大きさ、外部水栓の位置
ほかにも、エアコンや暖房器具、扉をつけない収納の目隠し方法など、考えることはたくさんあります。これらを一度に具体的な商品まで決めようとしたら、それはもう、まじで大変!
そこで、わが家では検討事項を次の3段階に分けました。
- 今すぐ確定すること:寸法や位置が設計に直結し、後から変えにくいもの
- 採用の可能性を共有しておくこと:下地・配管・配線など、準備だけしておきたいもの
- あとで決められること:設計上の条件を押さえたうえで、色や生地、具体的な商品を選べるもの
早く決めないといけない!ではなく、必要な寸法・下地・配管・配線・納まりを先に考えておく=施工業者(設計者)に情報共有(前フリ)しておくこと。そうしておけば、具体的な商品をあとから選べる余地を残せます。
■ブラインド・カーテンは「開けたとき」まで考える
あくまでこれは一例です。
専門的な用語?でいうと、ウィンドゥトリートメント。カーテンやブラインド、ロールスクリーンなど窓周りを装飾・演出する製品の総称ですが、だいたい後回しというか、かなり工事が進んだ時点で検討するケースが多いのが現状。
なんなら、引き渡し後カーテンレールの取り付け下地がない!!なんてケースも稀にはあったりします。(会社員時代、インテリアコーディネーターとして経験済み。しかも豪邸なのに!!^^;)
わが家では、LDKに面した掃き出し窓にバーチカルブラインドを取りつける予定です。
でも、窓の幅に合わせて商品を選べば終わり、ではありません。開けたときにルーバーがたまる「たたみ代」はどのくらいか。左右どちらに寄せるのか。操作するメカ部分をどう見せるのか。カーテンボックスを設けるのか否か。考えることはいろいろあります。
大手なら各社で提供されているのが、事前にたたみ代が計算できるツール。例えばこれはTOSO公式の「たたみ代計算ツール」ですが、製品サイズから、たたみ代の目安を確認できるので、カーテンやブラインドを全開したときに窓に干渉させたくないという場合は、事前に確認しておくこと必須。
大きな窓をできるだけすっきり見せたいと思っても、開けたときの状態まで考えなければ、窓からの出入りや家具の配置に影響することもありますからね。
だから、商品を確定する前でも「バーチカルブラインドを採用したい」「どちら側へ開けたい」といった希望は、早めに設計者へ伝えておく必要があります。
■今すぐ使わなくても、将来の選択肢を残しておく
もうひとつ、わが家で早めに決めたのが、将来ガスファンヒーターを使うためのガスコックです。
床暖房は、予算とのバランスを考えて採用を見送りました。一方で、実際に暮らしてみて冬の寒さが気になった場合には、ガスファンヒーターを使える選択肢を残しておきたい。そこで、今すぐ使う予定はなくても、ガスコックを設けることにしました。
これは現居でガスファンヒーターを使用していて、その威力を知っているからであるだけで、冷暖房に関しては諸条件や個々の好み、予算により選定はそれぞれだと思います。
ガス栓などは後から増設できる場合もあります。大阪ガス公式の「ガス栓の増設と取り替え」でも増設例が紹介されていますが、実際の工事方法は建物や配管の状況によって異なります。地域のガス事業者や設計者への確認が必要なので、新築時に工事をしておくのか、後付けにするのか、ざっくりとイメージしておくとコスト調整に役立つと思います。
わが家の場合は、家具の配置や動線、ガスファンヒーターを置く可能性のある場所を考えたうえで、邪魔になりにくく使いやすい位置を検討しました。
「使うかどうかわからないから、何も考えない」のではなく、「使うことになったとき、困らないように準備しておく」。50代後半からの家づくりでは、そんな将来への余白も大切だと思っています。
■「決める」より先に、「採用するかも」を伝えておく
わが家の場合。細かいところでいうと、スイッチにはこだわりが強く、現居でもアメリカンスイッチ(パナソニックだとクラシックシリーズ)を使っていて、その使い心地(スイッチオンオフ時のカチッとなる音が好き、というマニアックな好みです)には、今も萌えまくっています。
ほかにも家具用コンセントとして現居で使用しているJIMBOなども採用したいのですが…。
また、ミラーや棚、フックを壁につけるなら、下地が必要になります。
扉をつけないシュークロークやクローゼットも、カーテン、ロールスクリーン、のれん、何もつけない、という選択によって納まりが変わります。カーポートや外部水栓も、外構の段階になって初めて考えるより、採用の可能性だけでも早めに共有しておくほうが安心です。
もちろん、検討したものをすべて採用する必要はありません。「まだ決めていない」と「設計者に伝えていない」は別のこと。可能性を共有しておけば、必要な準備をするか、今回は見送るかを相談できます。
予算的にスイッチ関連は、最終的には諦めないといけないかもしれません。でも、とりあえず前フリだけはしておきましょう、という話。
図面を見ながら、次の4つを確認してみてください。
- そこに何を置き、どんなふうに使うのか
- 開けたとき、閉めたときに、どのくらいのスペースが必要か
- 今は使わなくても、将来使う可能性はあるか
- そのために下地・配管・配線などの準備が必要か
家づくりで早めに検討する目的は、決定を急ぐことではありません。まだ選べるうちに、将来の選択肢を閉じないことです。はい、全部自分に言い聞かせていることだったりしますけどね。(笑)
人生後半に思うことはなんですか?
これから何をしたいですか?
心地いい暮らしづくりに役立てれば嬉しいです。
次回も水曜日の朝10時にお会いしましょう♪
日本ライフオーガナイザー協会代表理事
高原真由美
ブログ:JALO公式ブログ






