おはようございます。
ライフオーガナイザーのさいとう きいです。
休校期間が短縮された地域もありますが、再開はまだ先という学校も。前回は、未就学児〜小学校低学年のお子さんをおもちの片づけのプロ4人に、在宅ワークの様子や家族との付き合い方について教えてもらいました。
>>>みんなどうしてる?夫婦で在宅勤務、子どもの家庭学習、家族へのイライラ…【片づけのプロ4人の実例】
今回は、小学校高学年〜大学生のお子さんがいる編集メンバー4人に、自宅での過ごし方について聞いてみました。
目次
■ 自分で考えられる年齢だから、何か不具合があれば話し合う
吉川 圭子さんの場合(神奈川県在住、ライフオーガナイザー歴10年)
―― ご家族構成と、お住まいについて教えてください。
夫、高校2年生の長女、中学2年生の次女・三女との5人家族です。川崎市内の1戸建て(3階建て)、4LDK(120平米)に暮らしています。
―― ご家族の在宅勤務・在宅学習はいつからスタートしましたか。
夫は4月末から週に数日、在宅勤務をはじめました。IT系の仕事なのですが、セキュリティが厳しいため、意外と在宅のハードルが高いようです。
長女の通う高校は3月3日から臨時休校。3月に1度、教科書購入のための登校日が、4月も1度、クラス発表のための登校日がありました。学校から配布された課題プリントで学習しています。LINEのテレビ電話を使って、友だちからわからないところを教えてもらったりしているみたいです。
次女・三女の通う中学は3月4日から臨時休校になりました。4月から週1回の登校日があり、前回配布された課題のプリントを翌週提出しています。4月末には学習サイト「eboard」のパスワードが配布されました。各自、動画を見て学習するというものなので、学習のオンライン化といっても実際にはまだまだむずかしいなと感じます。
―― どこで仕事・勉強をしていますか。
私は普段、2階のダイニングかリビングで仕事をしています。
夫は、1階脇の寝室にある一坪ほどの書斎スペースで仕事をしています。夫不在時に私がオンラインミーティングに参加するときは、このスペースを使うこともあります。子どもたちは2階のダイニングかリビング、もしくは3階の自分たちの机で勉強しています。
当時、小学生だった次女、三女の性格の違いによる収納の工夫は、こちらで紹介しました。
>>>双子でもこんなに違う! 収納も見守ることで、子どもの片づけ力を育む!
下の子たちには、学校からの課題でわからないところだけでなく、この機会に中学1年生の教科書を最初から復習させるべく、私が勉強を見ています。
―― 困ったこと、イライラ、モヤモヤすることはありますか。
3月は仕事だけでなく趣味のライブ観戦もどんどん中止になって、ストレスがたまっていましたが、4月以降は実は意外と困っていません。根がぐうたらなせいなのかも(笑)。また、困ることを見越して先手先手で動いていた、というのがあるかもしれません。
―― どのようなことを見越していましたか。
・子どもたちが家にいるようになると昼食の支度が面倒
子どもたちが自分で準備できるような、温めるだけのレンチン食品や小鍋でつくれる冷食を積極的に導入しました。「自分の好きなときに食べていいから、自分の昼ごはんは自分で用意してね」と伝えているので、お昼になって子どもに「昼ごはんどうする?いつ食べる?」と言わなくてすんでいます。
・家にいるからちゃんとごはん作らなきゃ!食生活ちゃんとしなきゃ!な呪縛
思い込みは早々に手放しました。ときどき、子どもたちと“お菓子パーティ”をするなど、楽しい(おいしい)ことも取り入れています。最近は体重が増えてきたので自粛中(笑)
・子どもがTVばっかりみて困る
休校がスタートしたときに、「外出自粛要請の期間が伸びたら、動画配信サービスを契約してもいいから、何がいいか決めといて」と子どもたちに宣言。予想通り期間が延長され……子どもたちが選んだ「U-NEXT」に加入しました。
視聴ルールは、あらかじめ家族で相談して決め、1週間ごとに見直すようにしています。テレビを見ている時間は少なくはないけれど、子どもたち同士で何を見るかを相談しているので、1日中テレビをつけっぱなしということもないので、「まぁ、いいかな」と思っています。
・子どもがスマホばっかり見て困る
これは、ときどき「スクリーンタイム」をチェックするのみ。根本解決には至ってません(というか解決は難しいと思ってます)
・朝、起きるのが遅くなる
毎日規則正しく早起きとまではいかないけれど、遅起きが続くことも今のところありません。その理由がU-NEXTに入ったときのルールに「朝8時まではフリータイム(1日の視聴時間にカウントしない)」と決めたから。自分が見たい番組をたくさん見たい子は早起きして見ています(笑)
・夜、寝る時間が遅くなる
先週ちょうど「最近、寝るのが遅くなってきてるよね」ということで、週末みんなで話し合いしました。結果は「11時までにお風呂に入らなかった子は、次の日のU-NEXTの自分の視聴時間の持ち分はなし」となりました(笑)
・家の中がぎすぎすして(親子や子ども同士の)ケンカが増えるかも?
「ちゃんとやらなきゃ!」じゃなくて、「あつ森」を買ったり、配信サービスに加入したり。「家の外はこんな状況なので、せめて家の中は楽しいことでもなきゃやってらんないよね」ということで、ちゃんとしていないことも積極的に取り入れています。目下の心配は「学校が始まってから、ちゃんと生活できるのか?」ということのほうが強いかも……。
そのほかの懸案事項は、このままオンライン化が進んだときの家の中のネット環境でしょうか。夫が在宅でリモート利用、私がウェブミーティング、子どもたちがオンライン学習、U-NEXT鑑賞、Nintendo Switch(あつ森)とかだと、負担が大きいので……。
小さい子がいるお宅ではむずかしいかもしれないけれど、わが家の子どもたちは、たとえば「今日、おかあさんは午前中、ウェブミーティングがあるから」といえば、「テレビは午後からにする」と判断できる年齢。基本、「何か不具合があれば話し合う」というスタンスで過ごしています。
■ リビングの一角を仕切って、子どもがひとりになれる場所を用意
森麻紀さんの場合(愛知県在住、ライフオーガナイザー歴6年)
―― ご家族構成と、お住まいについて教えてください。
夫と小学5年生の娘との3人家族で、2LDK(65平米)の賃貸集合住宅に暮らしています。
―― ご家族の在宅勤務・在宅学習はいつからスタートしましたか。
夫は4月13日から在宅勤務になりました。最初の2週間は週1回出社していましたが、今は完全に在宅で仕事をしています。
娘の通う小学校は3月2日から休校です。始業式に一度登校し、教科書をもらってすぐ帰宅しました。その翌日から再度休校になり、今のところ5月末まで休校が決まっています。自宅では、学校から配布されている課題プリントのほか、本屋さんで購入したドリルやタブレット学習の「スマイルゼミ」をしています。
スマイルゼミでは、学習が終わるとポイントが獲得できて、ポイントが貯まると「スターアプリ」で遊べます。アプリの利用時間は自由に設定できるため、以前は10分と決めていましたが、休校になって20分に増やしました。以前は使っていなかったアプリでのインターネット機能も、この機会に使えるようにしています。
―― どこで仕事・勉強をしていますか。
結婚以来ずっと2LDKの2部屋は、それぞれ夫の部屋、私の部屋として使っています。娘は私の部屋で寝ているので、夫の在宅勤務スペースは夫の部屋で、なんの問題もない様子。昼食とトイレ以外は部屋にずっとこもっていて、ビデオ会議も頻繁にしているようです。
私は通常通りダイニングテーブルで仕事。娘は自分の机がリビングにありますが、ダイニングテーブルで一緒にやっています。勤務・学習スペースに変化はありませんが、夏休みのように出かけたり家にいたりではなく、ずっと一緒にいるので、リビングの娘スペース(下の写真)に個室感が出る工夫をしました。体操用のマットを立てて仕切りにして、娘の部屋っぽくしています。
娘はそこでゴロゴロしていることもあります。ここは、私がダイニングの椅子に座った位置からもキッチンからも見えないので、“ひとり部屋”にいるような気分を味わえるようです。
もともとリビングにテレビがなく、各個室に置いてあるので、私が集中したいときやオンラインミーティングのときなどは、娘に私の部屋へ行ってもらうことができています。その際、ゲーム(Nintendo Switch)をすることもありますが、運動系のソフトしか持っていないので、長くやっていても気分的に「まぁいいか」と思えるので、これはよかったです。私の運動不足解消にも一役買っています。
―― 困ったこと、イライラ、モヤモヤすることはありますか。
・食事をつくる回数が増えたこと
食事の回数が増えた分、娘が食事の用意を練習する機会が増えたので、これはこれでよかったのかなと思っています。普段は習い事で忙しく、練習の機会が減っていたので…。それに伴い、食洗機が常に回っていてうるさいのにも困っていますが、毎食ワンプレートにするのはむずかしいし、食器を手洗いするのも面倒。なので、食洗機の音に関しては慣れるのを待ってます(笑)。
・ただでさえ歩かない私の運動不足と、娘の筋力低下
友人と同じ歩数計アプリをダウンロードして、定期的にLINEで見せ合っています。体操を習っている娘の筋力低下対策としては、折りたたみ式の鉄棒をレンタルしました。階下に音が響かないよう、もっぱら筋力維持&強化のため、ぶらさがりメインで使っています。
また、「ちびむすカレンダー」の月間ガントチャートをプリントアウトして、日課にしている運動に抜けがないかわかりやすくしたら、娘のやる気もアップしました。
■ 個室での学習に飽きたら、お寺のあちこちを移動してノマド学習
水谷のぶこさんの場合(愛媛県在住、ライフオーガナイザー歴5年)
―― ご家族構成と、お住まいについて教えてください。
夫、私、長男(高3)、長女(高1)の4人家族です。自宅は愛媛県、山間部(田舎)のお寺。住居スペースの庫裡(くり)は2階建て、6LDK(130平米)です。世帯は別ですが、同じ敷地内に両親の家があります。母屋みたいなかんじです。
―― ご家族の在宅勤務・在宅学習はいつからスタートしましたか。
夫は住職なので、もともと在宅勤務のようなもの。外出自粛要請を受けて、会合や研修等、外へ出る用事は葬儀以外なくなっている状況です。拙寺での行事関係も現在はすべて中止しています。私も夫と同じ状況で、片づけの仕事での外出は自粛しています。
長男の高校は3月2日から休校になりました。4月8日から4月16日まで、一旦再開しましたが、緊急事態宣言の対象地域が全国になったのを受けて、また休校中です。学習は、学校から課題プリントがたくさん出ているのと、もともと田舎なので学習塾はオンラインクラスだったため変わりなく進んでいます。
長女は3月4日から休校。3月11、12日に高校の入学試験がありました。3月17日に中学の卒業式があり、4月8日に高校入学。4月16日まで通学しましたが、その後また休校になっています。学習は学校からの課題と、「ロイロノート」というアプリを使って、授業の動画や追加の課題が配信されたり、課題を提出したりしています。週1で小テストも実施されているみたいです(どんどん課題が増える…と言ってます)。あとは「進研ゼミ 高校講座」をやっています。
―― どこで勉強をしていますか。
長男は、自室での勉強に飽きてきたらお寺の書院に移動して勉強したり、両親の家のウッドデッキに机と椅子を置いてもらって勉強したりしています。以前は図書館で勉強することもありましたが、今は自宅でしか過ごせないので、集中力を維持できるよう本人なりに工夫しているようです。
塾のオンラインクラスを受けるときは事務所のパソコン(下の写真)を使っています。
長女は勉強するときは自分の部屋にこもっています。学校のアプリはスマホで、進研ゼミはタブレットを使っています。
―― 困ったこと、イライラ、モヤモヤすることはありますか。
・テイクアウトとかしたいなと思っても田舎すぎて買えない
・長男の大学受験がどうなるのか気になる
・ニュースやSNSなどで「みんなで繋がろう、がんばろう」といった情報をよく目にするようになって、ちょっとしんどい
今の状況では、わたし個人でどうしようもないことも多いです。なので、解決しようというより、たとえば山に向かって散歩する、紅茶を飲む、映画を観る、夜はスマホ見ないなど、意識的に気持ちを切り替えるよう気をつけています。
■ 母ひとりで抱え込まず、家族でサポートし合いながら乗り切る
梅野優子さんの場合(福岡県在住、ライフオーガナイザー歴3年)
―― ご家族構成と、お住まいについて教えてください。
夫、大学1年生の長女、高校1年生の長男(特別支援学校)、小学4年生の次男と私の5人家族。住まいは、福岡市郊外の一戸建て、4LDK(144平米)です。
―― ご家族の在宅勤務・在宅学習はいつからスタートしましたか。
自宅で仕事をするのがむずかしい自営業の夫は、通常どおり出勤しています。私は4月8日から在宅で、現在は夫の会社の事務仕事をメインにしています。
長女の通う学校は3月2日から休校。大学の入学式は中止になりました。授業はオンラインで、4月半ばからスタートしています。長男も3月2日から休校。1日おきにデイサービスへ通っています。学習開始は未定です。次男も3月2日に休校がスタートし、4月半ばから学校から学習プリントが送付されるようになりました。
―― どこで仕事・勉強をしていますか。
夫は会社の事務所や現場で。私は自宅2階のワークスペース(下の写真)と1階のダイニングを併用しています。
長女は1階のダイニングか、オンライン授業を受けるときは2階の空き部屋(下の写真)を使うこともあります。
次男は1階リビング隣にある学習スペース(下の写真)で勉強しています。
次男は普段と違って今は自分で学習を進めるのがむずかしそうなので、ダイニングで私の仕事タイムに一緒に学習することもあります。
―― 困ったこと、イライラ、モヤモヤすることはありますか。
2階のワークスペースで仕事ができると効率的なのですが、長男がデイサービスへ行けない日は1階で介護をしながら仕事をするため、なかなか集中できないのには困りますね。
あとは、次男の学習ペースがこれでいいのかも不安。ゲームをする時間が増えて、なんとなく1日ダラダラしているのも気になります。その対策として、運動不足解消のため散歩へ行く長女に次男も連れ出してもらったり、家庭内バイトで長女に次男の家庭教師を依頼したり、次男と話しあいながらざっくりと1日のタイムスケジュール表をつくって、机の前に貼ったりしています。
あとは、ゲームの時間を減らすために他のことを提案することもあります。たとえば、「お昼ごはんをつくってくれたら、ママ助かるな〜!」と声かけすると、「クックパッド」を見ながら自分でチャレンジしてくれるんです。
私は、むずかしそうなところだけ、仕事をしているダイニングからアドバイスするくらい。モチベーションを保てるよう、仕上がりには目をつぶり(笑)、楽しく美味しく一緒に食べるようにしています。
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ライフオーガナイザー さいとう きい
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