決めることが多すぎる家づくり。「家具から始める」と優先順位が見えてきた【50代後半からの建築家との家づくり⑥】

日本ライフオーガナイザー協会代表理事の高原真由美です。

先週の記事では、間取り決定後の基本設計・実施設計・建築確認申請、そして地盤調査から着工までの流れをご紹介しました。

ここから、いよいよ家づくりも本番です。

実施設計が進むと、本当にいろいろなことを決めなければなりません。

これまでにも施工業者選びと連動して、家の広さや階数、駐車台数、庭の広さ、工法、電気とガス、床暖房やエアコンなどの空調、お風呂・トイレ・洗面台のメーカーやグレード、床材や壁材、窓、断熱・気密といった住宅性能、採光や通風など、基本的な方向性は取捨選択してきました。

情報を集めれば集めるほど、「こちらのほうが高性能」「この仕様ならお得」といった情報も増えていきます。

もちろん、性能も予算も全部大切です。どうすれば、スムーズに優先順位をつけられるのでしょうか?

今回は、膨大な選択肢に迷いながらも、わが家が家具から暮らしを考えた理由をご紹介します。

■決めることが多すぎる家づくり

家づくりでは、どの段階でも「選ぶこと」の連続です。

家の大きさや構造や性能など、あとから簡単には変えられないこと。住宅設備のように、予算への影響が大きいもの。床や壁、窓、照明のように、毎日目に入るもの。さらに、収納やコンセントの位置など、暮らしやすさに直結することもあります。

それぞれを比較し、費用と性能のバランスを考えるのは必要な作業です。けれども、情報が多すぎると、何を基準に選べばよいのかわからなくなりますよね。

そんなとき、立ち戻るのは、「この家で、どんなふうに暮らしたいのか」です。

お得に建てることも、高性能な家にすることも、家づくりの目的ではなく、心地よく暮らすための手段の一つ。ライフオーガナイズの考えと同じです。

■私にとって「家具から考える」のが家づくりの鉄則

私が家具から家づくりを考えるのは、今回が初めてではありません。

2012年に現在の自宅をリノベーションしたときも、先に家具を選びました。

間取りを考える前から、まずどんな家具と暮らすのか考え、リサーチ。実際にショールームやインテリアショップへ実物を見に行き、「この家具と一緒に暮らしたい!」と思えるものの中から現実的に購入可能なものを候補に上げます。

サイズ感だけでなく、座ったときの感覚、手触り、周囲にどのくらいの余白が必要か。その家具を使っている自分や家族をイメージしまくります。

今回の新居のプランニングでも、まずダイニングテーブル、次にチェア、そしてソファの順で考えました。これらは、食事をしたり、家族と話したり、くつろいだりするときに、毎日長く触れるものです。今の家具を使い続けるのか、それとも新調するのか、他のすべての家具についても同様に検討します。

家のハード面はもちろん重要です。でも、美味しい食事をとりながら団らんするダイニングテーブルとチェア、くつろぐためのソファを考えることから始めたほうが、私は家づくりを愉しめます。(もちろん、睡眠も重要ですからベッドもですよ!)

■一目惚れした丸テーブルから新居のイメージが広がった

現居で使っているのは、幅190cmの長方形のテーブルです。隣家に住んでいた義父母と一緒に、夫と娘と5人で食事をすることも多かったので、空間に対して大きめのテーブルでも、大正解のセレクトでした。デザイン的にもとても気に入っているので、手放すのは正直つらい……。

一方で、これからの暮らしを考えると、新居では丸テーブルがいいなあと、ぼんやり思っていました。義父母も亡くなってしまったので普段の食事は3人ですし、横並びよりテーブルを囲みたいかも、というのが理由です。

家づくりのリサーチ中、ある方のLDKの場面をWebで目にしました。そこに置かれていた丸テーブルを見た瞬間、「これがいい!」と一目惚れ。

商品単体の写真ではなく、そのテーブルがあるLDKの風景を見たことで、新居での暮らしのイメージが、どんどんふくらんでいきました。

当初欲しかったのは、そこで使われていたものと同じ直径約140cmのサイズ。実物を見るため店舗へ足を運び、サイズ感や使用感も確認しました。

ただ、わが家の新居には物理的に大きすぎて置くのが難しそう。かなり考えた末に、少し小さめかなと思ったものの同じデザインの直径110cmを選びました。

高価な買い物なので、少しでもお得に購入できるよう、ショップのポイントや特典も最大限に活用。引っ越しはまだまだ先ですが、すでに購入し、現在はショップで預かってもらっています。

家はまだ建っていないのに(着工もまだ先!)、テーブルはひと足先に新居を待っている状態です。でも、輸入家具はここのところ、円安の影響で年に二度も値上げすることがあったり、びっくりするくらい価格が高騰しているため、計画的に購入することをおすすめします。

■家具から考えると、設備や仕様の優先順位が見えてくる

家具を先に考えると、単にインテリアのテイストが決まるだけではありません。

どこで食事をするのか。誰とどんなふうに座るのか。どこでくつろぐのか。そこで何を使い、何を収納するのか。

暮らしの場面が具体的になると、床や壁、照明、窓、設備、収納などを選ぶときにも、「この暮らしに必要か」という基準で考えやすくなります。特にコンセントの位置や数は、家具や物の配置が決まっていないと、「なんとなく」の計画となってしまいます。設計者側も「一般的にはこんなかんじ」としますので、注意したいものです。

ライフオーガナイズの考え方とも同じですが、先に収納用品を選ぶのではなく、どんな暮らしがしたいのか、何を大切にしたいのかを整理してから、必要な仕組みやものを選びます。

家づくりも、決まったテンプレートに自分たちを合わせる必要はありません。

性能や価格の比較に迷ったときこそ、まず「どんな家具と、どんな時間を過ごしたい?」と考えてみる。今の家で気に入っている家具と、その理由を書き出すだけでも、新居で叶えたいことが見えやすくなると思います。

お得か、高性能かという外側の条件だけではなく、毎日触れる家具や道具から内側の心地よさを考える。

それが、わが家にとっての迷わない家づくりの軸です。

なーんていいながら、日々迷いながら諸々選定中だったりしますけどね。(笑)
次週からは、その迷いながらの各アイテム選びについて、順に紹介していきたいと思います。

片づけ収納ドットコム公式Instagram

人生後半に思うことはなんですか?
これから何をしたいですか?
心地いい暮らしづくりに役立てれば嬉しいです。

次回も水曜日の朝10時にお会いしましょう♪

日本ライフオーガナイザー協会代表理事
高原真由美
ブログ:JALO公式ブログ

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