初回打ち合わせから7カ月。予算と折り合いをつけ、ようやく着工へ!【50代後半からの建築家との家づくり⑮】

日本ライフオーガナイザー協会代表理事の高原真由美です。

前回の記事では、今の住まいで感じている小さな不便を、新居に持ち込まないための洗面・脱衣の計画をご紹介しました。

そんなふうに、図面の中で新しい暮らしを考え続けてきたわが家。10月30日、ようやく建築確認申請がおりました! 地鎮祭や着工の日程、そして竣工までの工程もほぼ決まり、いよいよ家が建ち始めるところまでたどり着きました。

頭を悩ませていた予算も、とりあえずは折り合いがつきました。とはいえ、もちろん当初の予算よりかなり増えています。「予算内に収まって、すべて解決!」というわけではありません。(苦笑)

それでも、一旦、一山越えてホッと一息、というのが今の正直な気持ちです。今回は、ここまでの道のりと、予算調整で何を変え、何を残したのかを振り返ります。
初回打ち合わせから7カ月、ようやく着工へ。初回プレゼン、契約、カーポート追加、予算調整の記事のアイキャッチを組み合わせたコラージュ。

■初回打ち合わせから約7カ月。ようやく着工日が確定

建築家Yさんと初めてお会いしたのは、今年の4月1日。そこから確認申請が通るまで、約7カ月かかったことになります。

記事を配信した時期と、実際に出来事があった時期は違うので、ここで少し整理してみます。

3月下旬|工務店へ問い合わせ
施工業者探しを続けていたなか、もう妥協するしかないかと諦めかけていたときのこと。SNS広告をきっかけに問い合わせ。工務店Kさんとの面談を経て、建築家Yさんを紹介していただきました。

4月1日〜約3週間後|初回打ち合わせと初回プレゼン
暮らし方や価値観から聞いてくださった初回打ち合わせ。その約3週間後のプレゼンでは、3つのプランと2つの模型に度肝を抜かれました。「この人にお願いしたい!」と夫婦の気持ちが固まり、その日のうちに他社へお断りを入れました。

5月〜6月1日|基本設計を進め、正式契約へ
ひと目惚れしたエッジのきいたデザインのA案ではなく、わが家の暮らしに合うベーシックなB案をベースに調整。基本設計を進め、6月1日に建築家との設計契約、工務店との工事請負契約を締結しました。

契約後|実施設計の詳細打ち合わせ、見積と予算の調整
設備や素材、細かな使い勝手などを詰めていく一方、詳細見積では大幅な予算オーバーが発覚。建築家Yさん、工務店Kさんと一緒に、見直せるところを検討することになりました。いわゆるVE=Value Engineering(バリューエンジニアリング)というやつです。建物や設備の「機能や品質を落とさずにコストを下げる(価値を高める)」ための改善提案や手法を指す用語です。

8月下旬以降|確認申請、そしてカーポート追加で再申請
8月下旬に確認申請を提出したものの、その直後にカーポートを追加することに。わが家の場合は、いったん申請を取り下げ、図面や計算を修正して再提出する必要がありました。この経緯は、カーポート追加の記事でお伝えしたとおりです。

10月30日|確認申請が通り、工程が決定
予算の調整も経て、ようやく着工から竣工までの予定が見えるところへ。知ってはいたけれど、注文住宅は、やはり時間がかかりますね。

■契約時から税別112万円増。それでも、心地よさは守りたい

以前の記事でお伝えした、詳細見積が当初予算を約2割上回ったという状況。2割ってかなりのボリュームですから、そこから調整と検討を重ね、着工を前にした現時点の予算は、契約時金額に税別112万円を加えた額となりました。

ここでの112万円は「契約時金額からの増額」であり、決して当初予算との差額ではなく。はい、ここから施主支給分などなど、実際にかかる金額はまぁまぁ、いや、そこそこあります。(涙) 出発点の予算に戻ったわけではないけれど、ひとまず折り合いをつけた、ということです。

今回、見直したことは、大きく3つ。

一つ目は、可能な限り施主支給を増やすこと。

自分たちで見積もりを取ったり、ネットで購入先を調べたりした結果、それなりに減額できる見込みが立ちました。これは、施主支給に対応してくださる工務店だからこそ選べた方法です。どの会社でも同じようにできるわけではありません。また過去の職業(元百貨店勤務のインテリアコーディネーター)や現在の仕事(片づけ収納のプロを育成する事業)のおかげで、可能となったことも少なからず。

ただ、本体を安く購入できれば終わり、という話ではないことも、前の減額調整の記事で書いたとおりです。

二つ目は、窓をほとんど減らさなかったこと。

窓も減額の候補には挙げましたが、結果的に、減額対象としたのは一箇所だけ。それ以外は、明るさや通気など、毎日の快適性を優先しました。

前回ご紹介したお風呂と脱衣室の窓は残し、洗面・ランドリーの窓を掃き出し窓から腰窓に変更。金額だけで決めるのではなく、そこで過ごす家族にとって、その窓がどんな役割を持つのかを考えた結果です。

三つ目は、カーポートを除く外構工事を、引き渡し後に回すこと。

家の中も外も、すべて整った状態で新生活を始めたいところですが、今回はそうしないことにしました。外構が整うまで不便があることも理解したうえでの判断です。なお、確認申請に関わるカーポートは、後回しにする外構には含みません。

もちろん、後に回したからといって、その費用はなくなりません。施主支給で購入するものも、別の工事として行う外構も、お金が必要なことに変わりはなく、あくまでキャッシュ・フローを念頭においた計画です。

単に削るだけでなく、購入方法を変える、工事の時期を分ける。そして、毎日の心地よさに直結するところは残す。そんな選び直しを重ね、ようやくここまで来ました。

■打ち合わせの前から始まっていた、わが家の「思考の整理」

初回打ち合わせから約7カ月と聞くと、長いと感じるでしょうか。それとも、そんなものかなと思いますか?

私自身は「ようやく!」という気持ちなのですが、これでもわが家の計画は、かなりスピーディに進んだほうだそうです。

その理由の一つは、家づくりの計画自体を昨年の秋から進めていたこと。住み替え計画をやり直すことになった経緯は以前の記事に書きましたが、その間も、施工業者に相談し、自分たちの要望を整理してきました。

そのため、建築家Yさんとの打ち合わせが始まった時点で、どんな暮らしをしたいのか、何を大切にしたいのかは、かなりはっきりしていたのです。(一応、ライフオーガナイザーでもありますし!)大きな方向性で迷うことが少なく、打ち合わせもスムーズに進みました。

注文住宅では、施主側が一つひとつ決めるための時間も必要です。初回打ち合わせから着工まで、1年以上かかるケースも少なくないと聞きました。もちろん、土地や設計の条件、手続きなどによっても違うので、わが家の7カ月が誰にでも当てはまるわけではありません。

そして、早く決めることが目的でもありません。わが家だって、カーポートを追加して申請をやり直したり、予算オーバーで頭を抱えたりしているわけですから。

ただ、迷ったときに「わが家は何を大切にしたいのか」へ戻れることは、やっぱり大事でした。

今の住まいで気に入っていることは何か。不便に感じていることは何か。新しい家でも残したい心地よさは何か。その理由まで考えておくことは、間取りや設備を選ぶときだけでなく、予算と向き合うときにも役立ちます。

確認申請が通り、工程も決まって、一旦、一山越えたところ。予算も含め、すべてが理想どおりではありませんが、ようやく図面の中で考えてきた家が、実際に形になる段階へ進みます。

ここからも、うまくいったことだけではなく、失敗談や迷ったこと、選び直したことを、そのつどお伝えしていきたいと思います。

人生後半に思うことはなんですか?
これから何をしたいですか?
心地いい暮らしづくりに役立てれば嬉しいです。

次回は11月8日(日)朝10時に、「家づくりに役立つおすすめ記事⑦」をお届けします。

日本ライフオーガナイザー協会代表理事
高原真由美

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