おはようございます。
ライフオーガナイザー/一級建築士の和田さや子です。
新築やリフォームの際に役立つ、収納のプランニングのコツをお伝えする”カタチ”シリーズ。
今回は、クローゼットのカタチについてまとめてみました。
これまでの”カタチ”シリーズ:
・思わぬ失敗? を防ぐ3つのケーススタディ「対面カウンターキッチンのカタチ」
・これから新築・リフォームする人必見! 家族みんなが片づけられる「洗面化粧台のカタチ」
・一般的な押入れは布団収納に不向き!? 本当に使いやすい「布団収納のカタチ」
・“食器棚は購入しない”という選択もアリ! 使い勝手から考える「食器棚のカタチ」
クローゼットの扉のカタチは大きく分けて3パターンあります。
1. 折れ戸
2. 引き違い戸
3. 開き戸
扉の開け方なんて、開いてしまえばどれも同じ? いえいえ、扉の開き方と使いやすさはつながっています。毎日の洋服選びが楽になるような、扉選びのヒントをお伝えします。
■圧倒的多数派!クローゼット扉の定番は“折れ戸”
洋室にあるクローゼットの場合、折れ戸がいちばん多いですね。何も希望を言わなければ、自動的に折れ戸になっている建築会社が多いようです。折れ戸を使っているクローゼットの事例はこちら。
・扉を開けた瞬間、胸がときめく! クローゼットの「うっとり収納」
メリット
・ 閉じたときに、フラットになりスッキリした印象
・ 戸が1枚分の厚みですむので、収納の中の奥行きを確保できる
・ 室内側への出っ張りも最小限に抑えることができる
・ サイズバリエーションが多い
デメリット
・ その複雑な動き方のため不具合が出やすい
・ 折りたたむ分厚みがでて、収納の幅の有効寸法が減る
・ 開けっ放しにすると邪魔
リフォームなどで古いお家にお伺いすると、折れ戸に不具合が出ていることは少なくありません。お子さんが乱暴に扱った結果というお家も……。子ども部屋と折れ戸は、ちょっと相性がよくないのかもしれません。
折り畳んだ戸厚のせいでできてしまうデッドスペースは、衣装ケースなどの引き出し収納だと当たってしまいます。使用頻度の低いものを収納したり、オープン棚などと組み合わせたり、扉があっても出し入れしやすくする工夫をしてみてくださいね。
■一見古めかしい?“引き違い戸”にもいいところがいっぱい
引き違いの扉と聞くと、押入れをイメージする方も多いかと思います。最近は従来の2枚引き違い戸に加えて、3枚引き違い戸(連動タイプ)も一般的になってきました。
引き違い戸の事例はこちら。
・うっかり忘れがちなハンカチやマスク。 “お出かけセット”はクローゼットの引き出しに定位置を
メリット
・ 開けても手前に出てこないので、室内のレイアウトに影響されにくい
・ 開けっ放しにしていても邪魔にならない
・ 3枚引き戸を選べば、開口幅が広く取れる
デメリット
・ 戸の厚みが2枚分、3枚分必要になるので、収納の奥行きが減る
・ スッキリしたデザインでない
引き違い戸のメリットはなんといっても、室内側に出っ張ってこないので、開けっ放しになっていても扉が邪魔にならないことです。クローゼットの扉を開け閉めするのが億劫で、洋服が出しっぱなしになってしまうという方にはピッタリ!デメリットを加味しても、オススメです。
■“開き戸”は幅を味方につけると吉!
クローゼット以外の物入れなどで、よく使われているのが開き戸。実は、クローゼットでもうまく組み合わせて使う方法もありますよ!
開き戸を使ったクローゼットの事例はこちら。
・衣替えは見直しのチャンス! 開けた瞬間ワクワクできて、機能的なクローゼットの整え方
メリット
・ 扉を締めるとフラットになり、スッキリとする。
・ 片開き戸、両開き戸など、幅によって開けやすい大きさに分割できる
・ 扉の裏側にも小物を引っかけるなど有効活用ができる
デメリット
・ 幅の大きな扉だと室内側に大きく出てくるので家具などにあたる
・開けっ放しにすると邪魔になる
帽子やアクセサリー、小さなカバンなどを扉裏に引っかけておくと、着替えたついでにさっと取り出せてとても便利ですよ。よく使う扉が開きっぱなしになって邪魔になる場合は、その扉だけ取るという方法もあります。
扉裏の活用テクニックは、こちらの記事が参考になります。
・扉の裏側を使わないなんてもったいない?! 扉裏を活用するアイデア5選
いかがでしょう。お部屋のレイアウトや、自分の行動のパターンに会ったクローゼットの扉のカタチ、見つかりましたか?
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一級建築士/ライフオーガナイザー 和田さや子
ブログ:建築士×ライフオーガナイザー®と建てる“忙しくても片づく家”