おはようございます。
ライフオーガナイザー/一級建築士の和田さや子です。
自宅計画のリアルをつづるシリーズ、前回は、省エネ性能を握る鍵として、窓の設備選びについて書きました。今回は、日差しの取り入れ方についてお伝えします。
過去4回の記事はこちら:
・【実録】家づくり&片づけのプロが自宅を建てる ~仮住まい探し編
・【実録】家づくり&片づけのプロが自宅を建てる ~仮住まいへ引っ越し編
・【実録】家づくり&片づけのプロが自宅を建てる ~間取りづくりのリアル
・【実録】家づくり&片づけのプロが自宅を建てる ~最新の省エネ住宅事情(前編)
「ママ! たいようってもえてるんだよ? しってた?」と、5歳の息子が自慢げに教えてくれました。そんなエネルギーの塊の“太陽”を味方につければ、よりサスティナブルなお家にすることができます。
太陽を味方につけるために、わが家に取りつけることにした外付けブラインド「ヴァレーマ」。決してお手頃値段とは言えないヴァレーマを導入する理由について、今回はまとめてみました。
■“太陽の恵み”冬は大歓迎!夏は遠慮したい
太陽がふりそそぐ縁側でひなたぼっこ、そんなのんびりした生活をイメージしてみてください。
冬は、太陽を室内に最大限取り込めるように、窓の方向や大きさを考えます。太陽の熱で直接室内を暖めることを、ダイレクトゲインと言います。
夏は反対に、室内に太陽の熱が入ってこないようにシャットアウトする必要があります。「熱いときはカーテンを閉めればいいじゃない?」と思うかもしれません。それも一つの選択ではありますが、窓の外で日差しをさえぎるほうが、窓が熱で暖まらず効果的です。日差しをさえぎる代表的な方法が “庇(ひさし)”。
太陽高度がいちばん低いのは冬至のころ。部屋の奥まで光が届き、室内を直接暖めてくれます。低い位置から太陽が差し込むので、庇があっても邪魔になりません。
太陽高度がいちばん高くなるのが夏至のころ。庇がしっかり光をシャットアウトしてくれるのです。
■庇だけでカバーできない“盲点”もあります
“庇“は万能のように語られがちですが、実はいちばん難しいのは中間期。
春分の時期と秋分の時期は、だいたい太陽高度が同じくらいになります。ところが、気温を考えてみると、春分はまだ肌寒い季節。ダイレクトゲインを最大限に取り入れて、太陽の熱で部屋を暖めたい時期です。
一方、秋分の時期はまだ残暑の厳しい時期。冷房もまだ稼働していることが多いので、太陽はなるべくシャットアウトしたいですね。同じ太陽高度でも真逆の状態で、どちらに合わせて庇の深さを決めたらいいのかがわかりません。
さらに、一年でいちばん気温が高くなるのは、夏至から2カ月後の8月。いちばん気温が低くなるのは、冬至から2カ月後の2月。太陽高度と実際の気温がずれているのも、庇の深さだけで太陽の入り方をコントロールできない一因となっています。
■季節によって微調整できる外付けブラインドがおススメ
太陽高度が同じでも、季節によって太陽の入り方を微調整できる方法が必要だとわかりました。
そこで、わが家で取りつけることにしたのが、外付けブラインドの「ヴァレーマ」です。一見シャッターのように見えますが、シャッターとしての役割はなく、あくまでブラインドという位置づけです。
「ヴァレーマ」のいいところ
・電動なのでリモコンで簡単に角度が調整できる
・プライバシーを守りながら、太陽の光を取り込むことができる
・豊富なカラバリで、家のデザインに合わせることができる
大阪国際空港のガラスファサードにも採用されている「ヴェレーマ」。大きな施設から個人住宅まで、さまざまな建物で使われていて、性能は折り紙付き。太陽を上手にコントロールして、冷暖房負荷の少ない、サスティナブルなお家に一役買ってくれる予定です。
もちろん、外付けブラインドでなくても、すだれやグリーンカーテンで、光の入り方をコントロールするのも一案。大切なポイントは“窓の外で太陽の入り方を調整すること”です。ぜひ、参考にしてみてくださいね。
次回は、「新しい家に合わせた家具選び」についてお届けします。
“窓の断熱”関する記事はこちらも参考に:
・窓の断熱に効果あり!? イケアの断熱ブラインドのメリットとデメリット
・一戸建ての断熱リフォームのビフォー・アフター!光熱費はどうなった?
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ライフオーガナイザー/一級建築士 和田さや子
ブログ : 建築士×ライフオーガナイザー®と建てる“忙しくても片づく家”