【実録】家づくり&片づけのプロが自宅を建てる ~収納プランニング編

おはようございます。
ライフオーガナイザー/一級建築士の和田さや子です。

家づくりのリアルな“今”を記録している、【実録】家づくり&片づけのプロが自宅を建てるシリーズ
今回は第8回です。

【実録】家づくり&片づけのプロが自宅を建てる ~収納プランニング編

日ごろ、お客様の家を設計するときには、ご家族のクセや、困りごとなどを吸い上げ、収納プランに反映するようにしています。

「片づけられない」のは恥ずかしいことだ、と感じている人が多いので、最初から丸裸になって教えていただけるとは限りません。打ち合わせを重ねて、信頼していただけてはじめて、リアルな困りごとを教えていただけるので、積み重ねが大事だとヒシヒシ感じています。

今回は、自邸の収納プランニング。身近な関係だからこそ、客観的な目線を忘れず、でも家族だからこそわかるリアリティを盛り込んでプランニングをしました。

■家のゾーニングをしながら収納プランを練る

家の間取りを考えるときは、いきなり「ここに20畳のLDK」と決めて部屋を配置していくことはしません。敷地の方角、太陽の光が入ってくる方向、どの方向に窓をつけたら視線が抜けるか、そんなことを考えて、ザクっと部屋同士の配置を考えます。これをゾーニングといいます。

収納プランもそれと並行して、まずはラフに必要な収納を配置していきます。

【実録】家づくり&片づけのプロが自宅を建てる ~収納プランニング編
(大きい枠が部屋の配置。黒く塗りつぶしたところが収納)

・玄関収納……コート掛けがいるから、奥行きは60㎝くらい必要。
・ランドセル置き場……リビングから目がつきにくいけど、子どもはパッといける場所。
・ストック置き場……すべてのストック品はここを見れば一目瞭然という大容量収納。奥行きは浅くていいので、幅は欲しい。
・ファミリーライブラリー……天井まであるような大きな本棚をつくりつけたい

必要な個所に適切な量の収納を確保するには、最初にこのゾーニングをしっかりしておくことが肝心です。

真似したい“玄関収納”の記事はこちら。
>>>「チョイ掛け、チョイ置き」OK!なのに、片づく玄関収納

■一般的な収納のカタチにとらわれず、柔らかく考える

ゾーニングするときに、「一般的な間取りはこうだから、きっと片づけやすいに違いない」という思い込みを手放すことも大切です。

一般的に、寝室の奥にクローゼットを配置するプランが多いですが、部屋にアクセスする頻度を比べてみると、本当は逆だと気づきました。私自身の行動パターンを整理してみると……

・朝ごはんを終わらせてから、身支度をする
・帰ってきたら、まずは部屋着に着替える
・2階の室内干しスペースからクローゼットにしまう

一日に何度も、出たり入ったりするクローゼット。それに比べて寝室は、寝るときに入って、起きたら出る。掃除を除けばその一回だけ。自分の性格を考えると、わざわざ、2階の奥のクローゼットまで行くのが億劫になって、手に取りやすいどこかに洋服を置きっぱなしにしてしまいそうです。

【実録】家づくり&片づけのプロが自宅を建てる ~収納プランニング編

そんなことを考えて、寝室の奥にクローゼットではなく、クローゼットを寝室の入り口の手前、という動線にしました。

“クローゼットが遠い問題”の記事はこちら。
>>>「一戸建てあるある?」 玄関から2階のクローゼットへの動線が長い! 衣類がすぐに戻せないときの解決策とは?

■見失わない収納にするために気をつけた3つのこと

わが家は利き脳が右脳寄りな一家なので、“見えないのはないのと一緒”。とにかく、モノを見失わないような収納プランが必要です。そのために気をつけた3つのこと。

1.奥行きを深くしない

収納が深いと、ついつい詰め込みすぎて、奥が魔窟になってしまいます。収納するモノに合わせて、必要最低限の奥行きにします。いちばん浅い収納は有効15㎝、深い布団収納で70㎝。

2.使うところに収納する分散型収納

遠くに片づけに行くとなると、途端に面倒になってしまうので、その場でぱっと出せ、ぱっとしまえる動線計画にします。大きな納戸より、小さな収納がたくさんあるほうが使いやすいのです。

3.なるべく収納に扉をつけない

前の住まいでは、使いやすくするために、あちらこちらの扉を外しました。そんな経験から、今回は扉の数をかなり絞りこみました。扉の代わりにロールスクリーンを埋め込んだり、カーテンをかけたりして、いざというときには隠せるようにします。

【実録】家づくり&片づけのプロが自宅を建てる ~収納プランニング編
(前の家のクローゼットは襖戸をはずして使っていました)

“ロールスクリーンで目隠し”の記事はこちら
>>>頑張らなくても片づいてしまう楽ちん文房具収納!ポイントは余白でした

家族の動きを何度も脳内シミュレーションして、収納プランができあがりました。右脳全開のわが家が、どう仕上がったか、後日ご紹介しますね。

あなたは生み出された時間で何をしますか?
何をしたいですか?

心地いい暮らしづくりに役立てれば嬉しいです。

ライフオーガナイザー/一級建築士 和田さや子
ブログ : 建築士×ライフオーガナイザー®と建てる“忙しくても片づく家”

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