狭小住宅でも広く暮らしたい。部屋を広く使える鍵は「廊下のカタチ」

おはようございます。
ライフオーガナイザー/一級建築士の和田さや子です。

新築やリフォームの際に役立つ、収納のプランニングのコツをお伝えする”カタチ”シリーズ

これまでの”カタチ”シリーズ:
フル活用しようとして失敗しがちな「階段下収納のカタチ」
今度こそ置き場所で困らない!ゴミ箱スペースのカタチ
ここに何をしまう?収納するモノにあった「可動棚のカタチ」

今回は収納から少し離れて、「廊下のカタチ」について考えてみたいと思います。

狭小住宅でも広く暮らしたい。部屋を広く使える鍵は「廊下のカタチ」

■そもそも“廊下”は何のためにあるの?

日本の昔の住宅に、廊下はありませんでした。ところが、洋風の生活が日本にやってきたことで、間取りに廊下が登場します。

廊下の大きな役割は、プライバシーを守ることにあります。

リビングなどの人がゆったりする部屋と、トイレや洗面などのプライバシーが必要な部屋を、距離を保ちながらつなぐことができます。また、個室も昔のように襖一枚で隔てるということではなく、廊下をはさむことでプライバシーが確保されます。そして、廊下がゆったり取れるお家では、家のゆとりや風格を感じさせることができます。

とはいえ、床面積をどこまでも自由に広げられるわけではないのが、家づくりの難しいところ。廊下の重要性はよくよくわかったうえで、廊下の面積をけずり、居住スペースにゆとりを持たせる工夫が必要になってきます。

■部屋と部屋をつなげることで廊下を減らす

狭小住宅でも広く暮らしたい。部屋を広く使える鍵は「廊下のカタチ」

たとえば、こんな間取りがあるとします。

グレーの部分が廊下です。LDKから廊下を通って、洗面やトイレ、玄関へとつながっています。この間取りだと、LDKの広さは18畳分。

ここから廊下をなくして、LDKと洗面室を直接つなぐ間取りに変えてみると、このように変わります。

狭小住宅でも広く暮らしたい。部屋を広く使える鍵は「廊下のカタチ」

LDKを中心に、玄関や洗面、階段へ、廊下を通らず直接つないでいます。廊下をけずることで、LDKの広さを20畳分確保することできました。

ただし、プライバシーが特に重要視されるトイレだけは、LDKに隣り合わないように配慮が必要です。この間取りのように玄関ホールをはさんで配置したり、洗面からトイレに入るように配置したりすることもあります。

■階段は家の“端”に持ってこないのがベター

戸建住宅では、2階に個室が並ぶことが多いですが、個室と個室をつなぐ廊下の面積をなるべく少なくするためには、階段の位置が重要です。

狭小住宅でも広く暮らしたい。部屋を広く使える鍵は「廊下のカタチ」

この間取りでは、家の“端”に階段を置いたので、それぞれの個室にたどりつくまでの廊下が長くなってしまいました。

狭小住宅でも広く暮らしたい。部屋を広く使える鍵は「廊下のカタチ」

階段を中心に持ってくると、廊下が短くすることができます。この間取りでは、廊下が少なくなった分、ウォークインクロゼットを広くとることができました。

■廊下に+αの機能をもたせるとゆとりが生まれる

個室のプライバシー確保のため、2階の廊下をすべてなくすことは難しいと思います。そこで、廊下をただの通路ではなく、生きたスペースとして使うこともオススメです。

たとえば、書斎コーナー、室内干しスペース、セカンドリビング、キッズリビングなどなど。

狭小住宅でも広く暮らしたい。部屋を広く使える鍵は「廊下のカタチ」

リビングにあるとゴチャゴチャしがちなスペースを、2階にあげてしまうことで、リビングをすっきりさせる効果も期待できます。

廊下は決して無駄なスペースではありません。その役割もしっかり踏まえた上で、上手にけずり広い暮らしを手に入れたいですね。

“狭小住宅”の収納ついてはこちらも参考に:
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ライフオーガナイザー/一級建築士 和田さや子
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