おはようございます。
ライフオーガナイザー/一級建築士の和田さや子です。
新築やリフォームの際に役立つ、収納のプランニングのコツをお伝えする“収納のカタチ”シリーズ。今回は、ウォークインクローゼットのカタチについてまとめてみました。
間取りの希望をうかがっていると、ウォークインクローゼットに憧れを持っている方はとても多いと感じています。そこで改めて、ウォークインクローゼットのメリット・デメリットを整理してみたいと思います。
■メリット1:生活リズムが合わない家族に優しい
たとえば、一戸建てのお家で、2階がこんな間取りだとします。
寝室の奥にクローゼットがあると、家族が寝ているときに、クローゼットに洋服をしまったり、取り出したりがしにくくなってしまいます。
廊下から直接アクセスできるウォークインクローゼットがあると、家族が寝静まった深夜でも、早朝に先に起きて着替えたいときでも、気兼ねなく入ることができます。
寝室とクローゼットを分けて用意することは、生活リズムがずれている家族にとって、大きなメリットになります。寝室の奥にウォークインクローゼットを用意すると、このメリットをいかすことができないので注意が必要です。
■メリット2:扉ひとつ開けるだけで全体を見渡すことができる
一般的なクローゼットは折れ戸などの扉がついています。クローゼットの左右の扉をすべて開けないと、クローゼットの全体を眺めることができません。
一方、ウォークインクローゼットは、入り口のドアを一つ開けるだけで、クローゼット全体を見渡すことができます。
洋服の量が多い人や、家族の洋服を集めて“ファミリークローゼット”として使いたい場合は、壁付けのクローゼットより、ウォークインクローゼットのほうが使いやすいですね。
その一方で、中途半端なサイズのウォークインクローゼットだと、手持ちの洋服の一部しか収納することができません。全体を見渡すことができないのであれば、あえてウォークインクローゼットにするメリットは薄くなります。
■デメリット:通路分のスペースが必要になる
ウォークインクローゼットのいちばんのデメリットといえば、通路のためのスペースが必要になることです。左右に収納スペースをとる形だと、部屋の1/3の面積を通路のために割くことになります。
建築基準法上の制限や、予算上の制限のために、床面積を広げることができない場合は、この通路分のスペースを、ウォークインクローゼットのために使うか、居室を広くするために使うかは、慎重に考えたいポイントです。
間取りの大きさのわりに「モノが多い」と感じるご家庭の場合は、ウォークインクローゼットにするより、壁づけのクローゼットのほうが、収納量が上がりますよ。
メリットとデメリットを比較して、ウォークインクローゼットが自分たちの生活スタイルにあっているかどうか検討してみてくださいね。
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ライフオーガナイザー/一級建築士 和田さや子
HP:NIGI一級建築士事務所