キッチンの吊り戸棚を最大限に活用する決め手は、“高さチェック”

おはようございます。
ライフオーガナイザー/一級建築士の和田さや子です。

住宅を新築・リフォームするときに参考にしていただきたい「収納のカタチ」シリーズ。今回は
キッチンの吊り戸棚の高さについて考えてみたいと思います。

キッチンの吊り戸棚を最大限に活用する決め手は、“高さチェック”

キッチンの吊り戸棚はないほうがスッキリしますが、収納量を考えると、やっぱり設置せざるを得ないことも。つけるのでれば、隅々まで上手に収納として活用したい。そこで、自分の身長と吊り戸棚の高さの、ちょうどよいバランスを見つけていきます。

■吊り戸棚の基本寸法は、どのメーカーもほぼ共通

キッチンの吊り戸棚は、奥行の内法寸法が30cm強です。これは、一般的なカラーボックス収納と同じくらいのサイズ。深すぎず浅すぎず、高い位置でも奥まで見やすく、ちょうど良い奥行になっています。

キッチンの吊り戸棚を最大限に活用する決め手は、“高さチェック”

次に吊り戸棚の高さについて。一般的なシステムキッチンの吊り戸棚の高さは、50cm、60 cm、70 cmの3種類から選ぶことができるパターンが多いです。シリーズによっては、90cmのロングタイプがあることもあります。

サイズが大きくなれば、モノの入る量は増えます。一方で、大きすぎる棚は圧迫感を生んでしまいます。どの高さの吊り戸棚を選ぶか、キッチンの天井高と身長がわかれば、答えは簡単です。

■自宅キッチンに最適な吊り戸棚サイズを割り出す計算方法

収納として使いやすい高さは、キッチンカウンターから自分の身長くらいまでの間になります。ここに棚があると、モノの出し入れはラクチンですが、実際にはキッチンの作業がしづらいものです。よほど容量をアップさせたい事情がなければ、空けておきたいですね。

そこで、キッチンの吊り戸棚の下端の高さは、身長より上と仮定します。天井高とキッチンを使う人の身長を差し引いて、吊り戸棚の高さの最大サイズを割り出します。

[例]
天井高 240cm
身長 160cm
天井高-身長=吊り戸棚の最大高さ 80cm

最大80cmなので、既成寸法の吊り戸棚から選ぶのであれば70cm。この高さなら、身長よりちょっと上。自然と手の届く高さになります。

圧迫感を減らしたいからと50cmを選ぶと、自分の身長より30cmも上になるので、手をグンと伸ばしてギリギリ届くか届かないか。日常的に使うには、ちょっと高すぎますね。

補足ですが、吊り戸棚の位置がシンクやコンロのあるキッチンカウンターの上ではなく、調理家電を並べる背面側などであれば、目の前に棚があってもさほど邪魔にはなりません。

キッチンの吊り戸棚を最大限に活用する決め手は、“高さチェック”

ロングタイプの吊り戸棚も、こちら側なら圧迫感も少ないかと思います。

■身長160㎝にちょうどよい吊り戸棚のカタチ

わが家の吊り戸棚は、開き戸のついている部分と、扉のないオープン棚を組み合わせた形になっています。

キッチンの吊り戸棚を最大限に活用する決め手は、“高さチェック”

オープン棚の高さは床から160㎝、ちょうど私の身長と同じ高さです。頻繁に使う調味料や、毎日飲むコーヒー豆、ドリッパーなどの定位置としました。

キッチンの吊り戸棚を最大限に活用する決め手は、“高さチェック”

扉付き吊り戸棚の下段は、床から183㎝。踏み台に乗らなくてもギリギリ届く高さ。ちょっと背伸びをして取りだすので、取り出しやすいように、こまごましたものは収納ボックスにまとめています。

キッチンの吊り戸棚を最大限に活用する決め手は、“高さチェック”

扉付き吊り戸棚の上段は、踏み台に乗らないと届かないので、頻繁に出し入れしないものの定位置となっています。

収納するものと、棚の高さをしっかり検討して、吊り戸棚の高さやカタチを決めておくと、収納量の確保と使いやすさの両立ができるようになります。

“吊り戸棚”の収納についてはこちらも参考に:
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使いづらいキッチンの吊り戸棚収納の悩みを解決!ストレスフリーなキッチンへ
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ライフオーガナイザー/一級建築士 和田さや子
HP:NIGI一級建築士事務所

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