おはようございます。
ライフオーガナイザー/一級建築士の和田さや子です。
ご自宅を新築・リフォームするときに参考にしていただきたい「収納のカタチ」シリーズ。今回は、リビング収納について考えていきます。
リビングダイニングは家族みんなが集う場所なので、自然とモノが集まります。テレビボードと収納を兼用して、それを「リビング収納」としているケースもよく見かけますが、収納したいモノに合っていないことも多いかと思います。
そこで、リビングダイニングにあふれているモノを観察して、どのようなリビング収納をつくればよいかを考えてみたいと思います。
■リビングダイニングに散らかっているモノを観察してみた
「リビングダイニングが散らかって困っています」というご相談をよく受けます。「実際に何が散らかっていますか?」とお伺いすると、代表的なものはこの3つ。
・書類
・洋服
・学用品やおもちゃ
どれも日々使うものですが、ちょうどよい収納がないと出しっぱなしに。モノが増える度に収納棚を買い足して、チグハグなリビング収納になってしまっていることも多いようです。
今回は、一戸建ての1階がこんな間取りだったら、という想定をして、リビング収納のシミュレーションをしてみました。
■パターン1:書類が散らかっている
書類の片づけに悩む人は多いですが、残すか捨てるか迷って気づけば山積みに……とならないために、しっかりと計画して収納スペースを用意します。B5からA4サイズの書類が収まるように、奥行30~35cmの棚があると便利です。
書類が家に入ってきてから処分をするまでの、“流れ”を意識した収納計画にすることも大切です。
家に書類が入ってきたときに、とりあえず置いておけばOKという「一時置き」。その書類を「ざっくり分類」して置いておくスペースを、その真上につくります。
一時的な書類は、不要になれば下に置いたシュレッダーにかけるか、古紙回収用の置き場に入れる流れになっていると、処分するのもおっくうになりません。
長期保管が必要な書類は、「頻繁に取り出さないだろう」と判断し、扉のある上の収納の中に、ファイリングしてから収納します。
このように、扉のある棚と扉のない棚を上手に使い分けて、書類を収納しやすいリビング収納をつくってみてください。
■パターン2:洋服が散らかっている
リビングやダイニングテーブルの周りに置きっぱなしになりがちな洋服。リビングダイニングの一角にクローゼットを用意するのも一案です。
収納スペースの有効奥行寸法は60cm。ハンガーパイプをつけておくと、ハンガーのまま収納ができ、制服や仕事着などの定位置としても便利です。
■パターン3:おもちゃ(子どものもの)が散らかっている
子どもが小さな頃はカラフルなおもちゃ、中高生になってからも学用品などが、リビングダイニングに置きっぱなしということも多いようです。
そうなると、子どもの学用品やおもちゃ、絵本などを収める収納スペースが必要です。奥行は35cm前後。置くものによって高さが調整できるように、可動棚になっていると便利です。
扉を引き戸にしておくと、日常的には開けっ放しにしておき、出し入れのしやすさを優先。来客時には扉を閉めることで、すっかり目隠ししてしまうことができます。
もちろん、子どものモノだけでなく、家族それぞれがリビングダイニングに置いておきたいものを収納するスペースにもなります。
新築やリフォームの収納計画をするときは、今のお住まいで「どんなものが出しっぱなしになっているかな?」と、よくよく観察してみると、必要な収納のカタチが見えてきますね。
“リビング収納”はこちらも参考に:
・大きなリビング収納を使いやすくする秘訣は、ゾーニングと収納用品にあった!
・注文住宅で失敗?! リビングの壁面収納の奥行きと扉の有無はどう決める?
・奥行きがありすぎて使いにくい!! リビング収納を日常使いするためのポイントとは?
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ライフオーガナイザー/一級建築士 和田さや子
HP:NIGI一級建築士事務所