おはようございます。
ライフオーガナイザーの岩崎 梢です。
10年前、初めて片づけを学ぶまで（いえ、学んでからもしばらくは）、心の隅に理由のわからないイライラともやもやを抱えていました。学びをきっかけに、頭の中を整理しながら実践を繰り返して、心の曇りは少しずつ晴れています。
日本ライフオーガナイザー協会の理念は、「もっと楽に、もっと生きやすく」。その言葉どおりに、暮らしだけでなく生きることそのものが、以前よりも断然楽になったと感じています。「人」が主役の片づけは、まず捨てることから始めない、繰り返し自分に問いかける、空間だけではなく心も整う片づけでした。
■どれだけやっても満足しない……。本当はどうしたい？
小さな頃から言われてきた「きちんと」「ちゃんと」という言葉。実体のない曖昧な「きちんと」「ちゃんと」に縛られ、毎日繰り返される片づけに、どこまでやっても達成感を感じられずもやもやしていました。
そのもやもやが、「家族のために一生懸命やっているのに」とイライラに変換されて、不機嫌をふりまく。家族にしてみれば、いわれのない怒りをぶつけられて、さぞかし迷惑だったことでしょう。
「本当にしたいこと」を掘り下げて考えると、片づけの先にある願いが見えてきました。ちらからない部屋を作りたいのではなく、そこに住む家族が笑って過ごせる、「居心地の良い空間を作りたいのだ」と。片づけは、目的でも義務でもなく、自分が望む願いを叶えるための手段でした。
■毎日100点満点を目指さなくていい。私に良い加減は？
以前は「完璧主義の面倒くさがり屋」でした。ホテルのようなすっきりした美しい空間で暮らしたい理想に反し、もったいない、捨てられない、やりたくない、面倒くさい、できない。「理想が叶わない＝自分にはできない＝ダメ」という負のループで、勝手にイライラしていました。
自分に合った片づけ方があると知り、「見えないと忘れる」など、自分の行動の特性や得意、不得意がわかりました。できること、できないこと、できるけれど努力が必要なこと、それでも大切にしたいこと……、さまざまな「私はどうしたい？」の質問を繰り返します。
見せる・見せない、手間をかける・かけないなど、片づけの自分基準ができると、70点でも50点でもいい、その時々の自分に合った「ちょうど良さ＝良い加減」を見つけやすくなりました。
■なんでも抱え込んでしまう……、それは誰の荷物なの？
自分だけじゃなく、家族や友人に関するものごとも、なんでも自分の問題、自分の荷物として抱えがちでした。分けて考えず、いっしょくたにしてしまうと、それぞれが小さな問題でも、混ざって絡んでどんどん大きくなっていきます。自分が悩んでも仕方のないことで、もやもやしていました。
部屋の中にある自分の持ちものと家族の持ちもの、心の中にある自分の問題と他者の問題、どれも分けて考えられるようになると、その荷物の持ち主、悩みの主人公、それを解決するのは誰なのかがわかります。自分が考えても仕方のないことは、自分の悩みにしてしまわない。空間も心も、片づけには「分ける」習慣が必要でした。
また、一緒に悩まないならば、その人のために何ができるのか？「自分ができること」を考え、実践することを心がけるようになりました。その結果、自分が楽になっただけでなく、家族を含め他者との良い距離感を持てるようになったと思います。
振り返れば、片づけは誰のためでもなく、自分のためにやっていたことでした。イライラ・もやもやがまったくなくなったわけではないけれど、昔のように理由がわからないものではありません。
時にちらかっていても自分を責めなくなったし、他者も責めなくなりました。片づけは、暮らしのすべてにおいて必要な力なんだなと感じています。
心や体調にも効く片づけのヒント：
あなたは生み出された時間で何をしますか？
何をしたいですか？
心地いい暮らしづくりに役立てれば嬉しいです。
ライフオーガナイザー 岩崎 梢
ブログ : いまを楽しむ、くらしづくり日記
