おはようございます。
ライフオーガナイザーで、無印良品の店舗スタッフとしても働いている小峯美保です。
高齢な母が入院。その退院直前に、私たち家族は、帰宅後の生活環境を急いで見直すことになり、入院していた病室を参考に、寝室の場所や寝起きする寝具を準備しました。“高齢者のやる気を応援する”を目標に、整えたことや用意したものをご紹介します。
■最優先にしたのは、「寝室からのトイレ動線」
まず、病室で参考にしたことは、回数も増えている“トイレへの動線”です。床に高低差がなく、ゆっくり安全に自立して移動できるトイレ動線にするために、母の寝室をトイレのある1階へ移動しました。
いちばん奥の正面、左側の扉がトイレで、広めの廊下に置いていたものをまず片づけました。そして、夜間の安全確保のために、「無印良品」の「LEDシリコーンタイマーライト」を補助の常夜灯としてつけました。
やわらかい素材のシリコーンライトは、安全で足が接触してもけがを防げます。コンセントで電源をとり、メンテナンスもほとんどない安全なつくりのものです。
■寝室は和室で、寝具のみ布団からベッドへ
いちばんはじめに、「寝具を布団からベッドにしなければ」と気がついていましたが、母の場合、ラグなどを敷くと足元に引っかけ、転倒する危険性があります。洋室でフローリングの床よりも、畳の床である和室がいいと、1階の客間である和室にしました
畳の床材には、さまざま良いことがあります。
① 弾力性がある → 転倒の際にけが防止になる
② 足触りがよい → 素足で歩ける
③ 保温性がある → 足元の冷え対策になる
高齢者に優しい床材です。
■選んだ初ベッドは「脚付マットレス」
機能充実の介護ベッドは、あえて選ばないことにしました。できることは意欲的に頑張りたい気持ちを大切にしました。ふとん派の母が納得した初ベッドは、「無印良品」の「脚付マットレス」です。
日中は、掛け布団と枕を片づけると、ベンチソファのようにすっきりとする。「寝台みたいじゃない」と、母も納得です。ベッドヘッドはなく、代わりに飾り棚上にものを並べています。
高さを脚の長さで選べる「脚付マットレス」は、いちばん低い20㎝の「木製脚」を選択し、和室の畳床に近い位置にしました。母も安心してベッドの生活にも慣れやすかったようです。機能的にも機械の手を借りず、自分の力で座る姿勢から立ち上がれると喜んでいます。
立ち上がり補助の手すりは、調べてみると自立型が充実していて、マット下に挟まなくも据えつけが可能です。「楽々健」の「立ち上がり補助手すり3段」を購入しました。
4本の脚で自立しています。ベッド下に入れた2本の脚が長めなので、万が一傾いてもベッド裏に引っかかり、転倒することがありません。
少しの支援用品を加え、環境の変化に母が戸惑わないことに気をつける。慣れやすい範囲で支援を取り入れた“退院後の寝室づくり”になりました。「自力でしてみる」というやる気を残し、リハビリ気分で「よっこらしょ」。見守りながら、大変になってきた部分の安全を確保できるように、その都度、見直しをしていこうと思います。
シニアの生活動線につての記事はこちらにも:
・シニアの生活向上の鍵は動線にあり! リノベーションの成功ポイント
・80代母の介護度が改善!シニアのキッチン動線は「コックピット化」
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ライフオーガナイザー 小峯美保
HP : 整うしくみ研究室 / atelier Hygge