おはようございます。
ライフオーガナイザー/一級建築士の和田さや子です。
自宅計画のリアルをつづるシリーズ、過去3回の記事はこちら:
・【実録】家づくり&片づけのプロが自宅を建てる ~仮住まい探し編
・【実録】家づくり&片づけのプロが自宅を建てる ~仮住まいへ引っ越し編
・【実録】家づくり&片づけのプロが自宅を建てる ~間取りづくりのリアル
サスティナブル(持続可能な)という言葉が突然、世間のトレンドワードになったのは最近ですが、私が言葉を知ったのは、実はもう20年以上前。大学の講義の中で、環境に配慮した住宅を設計するという講義で知った言葉でした。
それ以来、私個人にとって「サスティナブルな住宅を建てる」という言葉は、とても大切なテーマとなっています。
■実は“省エネ等級4”はもう最先端ではないんです
最近でも広告では、省エネ等級4(最高等級)というキャッチコピーをよく見かけます。でも、もう省エネ等級4が最先端の高断熱住宅とは限りません。
HEAT20「2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会」という組織があります。HEAT20が提唱している省エネ住宅の指針が、新たな省エネ住宅の目指すモデルとなり、この水準を目指す動きが活発になってきました。
HEAT20では、省エネ住宅の従来の最高水準とされていた、等級4をさらに超え、G1・G2というグレードを設定しました。その2つのグレードの省エネ性能を分かりやすく示している表があります。
“H25年基準レベル”が省エネ等級4にあたります。それよりも暖房負荷がこれだけ削減できるのが、G1・G2グレードになるので、かなり効果があるのがわかりますね。
■G1・G2グレード、どこを目指すのが正解?
G1グレードの家を建てて住んでいる友人曰く「最初、お風呂が暖かいのに感動した」というのです。お風呂を暖房しているわけでなく、断熱材を追加したおかげです。そして、最低限の冷暖房で部屋の中がちょうどよい温度になるので、とても快適に生活できるようになったそうです。
HEAT20のHPで公開されているアンケートを見ると、G2グレードで建てた高気密高断熱住宅は“吹き抜けがあっても寒く感じない”という意見をみることができます。
それならば、吹き抜けをつくりたいわが家が目指す家はG2グレードですね。
ただ、G2グレードの数字を達成するだけではなく、そこで家族がどんな生活をしていくのか、イメージを膨らませて書き出してみました。
・吹き抜けから太陽の光が入ってきて冬はポカポカ
・夏は太陽の光をコントロールして涼しく
・窓からは庭の木々が眺められて
・家のどこにいても心地よい温度でキビキビ動ける
省エネルギー性能は、あくまで数字上のこと。もちろん大切な基準ですが、それを達成するために日常生活の快適さを忘れては元も子もありません。両方バランスよくみることが、本当の意味でのサスティナビリティだと思います。
■省エネ性能を決める1つ目のポイントは窓
G2グレードを目指すために、注意して選ぶ建材は2点。それは“窓”と“断熱材”です。
窓選びのポイント
窓はいちばん熱が出入りする場所なので、窓面積が小さくなればなるほど、家の省エネ性能は上がります。ですが、わが家の理想は、「大きな窓から太陽がふりそそぐ」こと。大きな窓のまま、省エネ性能を上げるためには、窓の断熱性能を上げるしかありません。
そこで、「YKK」のAPW330という樹脂窓を選ぶことにしました。樹脂窓は、従来のアルミ窓やアルミ樹脂複合窓より断熱性能が上がります。今回はさらに上を目指し、ガラスを“真空トリプルガラス”という3枚ガラスを組み合わせることにしました。
■断熱材で大切なのは“隙間”を作らないこと
断熱材選びのポイント
断熱材は材料によって、同じ厚みでも断熱性能が変わります。何を使うかは、どの材料も一長一短。コストに無理がないことと、施工する側が慣れていて確実に隙間なく仕上げられることを含めて、選ぶことをオススメします。
わが家ではG2グレードを目指すため、壁の断熱材を二重にする“付加断熱”をすることにしました。断熱材を二重にすると、壁の断面はこんな状態になります。
柱と柱の間に充填断熱(一般的な施工方法)をし、外側に付加断熱を追加します。断熱材が二重になるので、壁の断熱性能がグンとアップします。
こうして“窓”と“断熱材”の性能をしっかり上げておくことで、高額な設備に頼らなくても、快適な生活ができるサスティナブルな家にすることができますよ。
次回は、最新の省エネ住宅事情(後編)をお届けします。
後編はこちら
>>>【実録】家づくり&片づけのプロが自宅を建てる ~最新の省エネ住宅事情(後編)
“窓の断熱”性能についての記事:
・窓の断熱に効果あり!? イケアの断熱ブラインドのメリットとデメリット
・一戸建ての断熱リフォームのビフォー・アフター!光熱費はどうなった?
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ライフオーガナイザー/一級建築士 和田さや子
ブログ : 建築士×ライフオーガナイザー®と建てる“忙しくても片づく家”