おはようございます。
ライフオーガナイザーのさいとう きいです。
夫婦で在宅勤務、子どもが家庭学習する場合、どのようにそれぞれのスペースを用意すればいいのでしょうか。家族と過ごす時間が増えることでつのるモヤモヤには、どのように向き合えばいいのでしょうか。
片づけ収納ドットコム編集メンバー4人に、在宅ワークの様子や家族との付き合い方について聞いてみました。
目次
■ 庭の「サイクルハウス」が子どもの遊び場にも大人の仕事場にも
三瓶ちゆきさんの場合(山形県在住、ライフオーガナイザー歴1年)
―― ご家族構成と、お住まいについて教えてください。
夫、子ども2人(小3・年長)の4人家族です。2LDK、53平米の平屋(賃貸)に住んでいます。
―― ご家族の在宅勤務・在宅学習はいつからスタートしましたか。
夫は4月10日から在宅勤務が始まりました。週1回程度出社し、そのほかは自宅で仕事をしています。小学3年生の娘は3月3日から休校→春休み→始業式だけ登校し、また休校に。現在は週1回、1時間半程度の登校日があります。年長の息子が通う幼稚園はお休みになっていないのですが、4月10日より自主休園しています。
―― どこで仕事・勉強をしていますか。
家族みんなで、交代でダイニングテーブルを使っています。本来2人用の小さなテーブルなので、IKEAの「ロースコグ ワゴン」に宿題や資料をまとめてテーブル横に置き、机の上には最低限のものしか置かないようにしています。
どうしても場所が足りない場合や「Zoom」でビデオ会議をするときは、リビングの小さなコーヒーテーブルで仕事をすることもあります。テレビがついていると仕事にならないので、もともとリビングに置いていたテレビは子ども部屋へ移動しました。
―― 困ったこと、イライラ、モヤモヤすることはありますか。
4月に入ってから小学校の宿題が増え、習っていない範囲も多くなったため、日中は小3の娘につきっきりになってしまうのに困っていました。夫婦で話し合い、子ども達の勉強は夫と交代で教え、食事の準備や買い物もできる方がすることにしたら、ずいぶんラクになりました。
子どもたちがうるさくてビデオ会議に集中できないのにも困りました。庭に設置している自転車&バイク置き場「サイクルハウス」(下の写真)の中を片づけ、会議の日はそこで遊んでもらうようにしたら、仕事に集中できるようになったんです。ゲームをしたり食事をしたりと、子どもたちもキャンプ感覚で楽しめている様子。私が仕事で使わせてもらうこともあります(笑)
こればっかりは仕方のないことですが、ひとりになれる時間がほとんどないこともストレスに感じています。いつもは私が子どもたちと一緒に寝ているけれど、ひとりになりたい日や仕事が忙しい日は夫と一緒に寝てもらうようにするなどして、あまりストレスをため込まないようにしています。
■ 家族で話し合って平日の家事シェアを見直し、仕事時間を確保
都築 クレアさんの場合(神奈川県在住、ライフオーガナイザー歴5年)
―― ご家族構成と、お住まいについて教えてください。
夫、小学2年生の子どもの3人家族です。3LDK、73平米の賃貸マンションに住んでいます。
―― ご家族の在宅勤務・在宅学習はいつからスタートしましたか。
子どもの通う小学校は3月4日から休校になりました。春休みをはさんで、現在も休校中です。夫は3月19日から完全に在宅勤務になりましたが、その前から週に何度か自宅で仕事をする日がありました。
―― どこで仕事・勉強をしていますか。
もともとリビング横の個室が夫の書斎だったのですが、生活音や子どもの出入りが気になるということで、リビングから離れた玄関横の個室にデスクを移動させました。私と子どもは日中リビングにいるので、夫は「音が聞こえず集中できるようになった」と言っています。
夫のもと・書斎(スタディールーム)はここでした。
>>>【実録】「リビング学習or学習机」引っ越し後に作ったのは、自由度満点“夫と娘のスタディールーム”
デスクを移動したのは、この部屋です。
>>>【実録】引っ越し後につくって大正解だった“治外法権ゾーン”、夫と娘のシェアルーム
私のワークスペース兼子どもの学習スペースはダイニングテーブルです。子どもが座る席は、私とL字型で隣同士になる場所です。勉強中に質問されることが多いので、すぐ見てあげられる配置にしています。私は集中しにくいですが(汗)
―― 困ったこと、イライラ、モヤモヤすることはありますか。
ひとりになれる時間、自分の時間が減ったことにストレスを感じます。そのため、朝、家族が起きてくるまでの時間を自分のために使えるよう、早起きするようになりました。夫と娘に一緒に散歩に出てもらったり、休日は夫と娘に寝室で動画を見てもらったりして、その間ひとりで過ごさせてもらうこともあります。
寝室のプロジェクターはこちらで紹介しました。
>>>世界初の3in1スマートライト「ポップインアラジン」が暮らしを変えた理由。その魅力と弱点とは?
食事をつくる回数が増えたのも大変です。お昼ごはんはレトルトや冷食を活用して、家事の負担をなるべく抑えるようにしています。わが家では夫が一番早くお腹が減って「ごはんは?」となるので、夫婦で話し合い、夫のお昼ごはんは自分で用意してもらうことにしました。そのタイミングで子どももお腹が減っていれば、夫が一緒に用意してくれるのでたすかります。
また、家事シェアについても割り振りを見直しました。家族の在宅時間が増えたことで、私は自分の時間がなくなって以前より忙しくなっているのに、家族はゴロゴロしているという構図にイライラして(笑)、家族会議をリクエストしたんです。
以前は週末メインの家事シェアでした。
>>>すぐできる「週末家事シェア」で“脱”孤独家事! 夫の家事力も上がる?
>>>夫が、夫婦関係が変わった!去年試して良かったこと第1位は「週末家事シェア」
最近は平日の家事シェアも増やしてもらって、夜1時間、私の仕事の時間を確保できるようになりました。
■ iPadを活用して、4人暮らしで1LDKの仮住まい期間を乗り切る
和田さや子さんの場合(大阪府在住、ライフオーガナイザー歴3年)
―― ご家族構成と、お住まいについて教えてください。
夫婦、娘(小4)、息子(年長)の4人暮らし。新居を建設中で、現在暮らしているURの賃貸マンション(1LDK)は仮住まいです。
>>>【実録】家づくり&片づけのプロが自宅を建てるシリーズ
―― ご家族の在宅勤務・在宅学習はいつからスタートしましたか。
夫は出社しないとできない業務にあたっているため、毎日会社へ行っていますが、電車通勤をやめて車通勤に切り替えました。工務店勤務の私は、テレワークと出社する日が半々くらい。娘の通う小学校は3月から休校になっています。数日は学童に行ったものの、その後はずっと在宅学習です。息子は4月になってから、保育園への登園を自粛しています。
―― どこで仕事・勉強をしていますか。
普段から、マンション造り付けのカウンターを娘と私のスタディ&ワークコーナーにしています。
造作カウンターがあることも、この仮住まいを選んだ理由のひとつでした。
>>>【実録】家づくり&片づけのプロが自宅を建てる ~仮住まい探し編
―― 困ったこと、イライラ、モヤモヤすることはありますか。
部屋数が少ないので、仕事をしている横で息子が遊んでいると集中できないのには困ります。静かにしてもらうには、テレビをOKにするか、外遊びに行かせるか……。外遊びも短時間ならいいけれど、あまり長いのは心配。かといって、ずっとテレビばかりになってしまうのも、仕方ないと思いつつモヤモヤします。
息子対策として、親子でひたすら散歩をして運動量を確保したり、未就学児でも楽しめて少し勉強になるタブレットアプリを使ったりしています。
娘は学校から出ている宿題や通信講座で勉強をしているものの、ひとりなので集中力がもたず、学習量が足りないように感じています。ピアノのレッスンがなくなってしまったので、親が練習をみないといけないのですが、親が教えるとケンカになってしまうのが悩みでした。
娘対策としては、本人がたてた学習計画の進行状況を親がチェックするようにしたり、娘が興味をもった「スクラッチ」に挑戦させたり。ピアノはときどき動画にとって先生に送り、アドバイスをもらうようにしたんです。親が注意するよりずっと効果的でした。
子どもたちが在宅学習でタブレットを使うようになり、現在契約しているプロバイダのサービスでは通信容量が足りないことも発覚しました。新居では光回線と「WiMAX」の二本立てにしようと計画中です。
■ リビングでもベランダでも押し入れでも?!どこでも集中できる家
手塚千聡さんの場合(大阪府在住、ライフオーガナイザー歴4年)
―― ご家族構成と、お住まいについて教えてください。
大学教員の夫と小学2年生の息子、幼稚園年長の娘の4人家族です。3LDK、67平米のマンションに住んでいます。
―― ご家族の在宅勤務・在宅学習はいつからスタートしましたか。
子どもの通う小学校、幼稚園が臨時休校になった3月2日から、夫と私で交代で在宅しながら回していました。その後、4月7日に発令された緊急事態宣言を受けて夫は全日在宅勤務に。私は週1回程度出勤し、残りは在宅勤務しています。
―― どこで仕事・勉強をしていますか。
以前からどこでも仕事や学習ができるよう、すべての部屋にデスクとイスを置いているんですよ。デスクとイスは、誰がどこを使ってもいいルール。どの部屋でも快適に無線LANを使えるように、親機を2つ置いています。
書斎(下の画像)は、夫婦のうちオンラインミーティングや集中したい案件がある方が使っています。仕事に必要なものをさっと持ち運べるよう、夫婦でKOKUYOの持ち運びボックスを使っています。
この書斎はゲストルームとしても活用しています。
>>>67㎡3LDKのマンションでゲストルームを確保する方法
リビングの学習スペース(下の画像右側)は、基本的に子どもたちが使っていますが、書斎を使わないほうの大人が集中したいときにも使います。ダイニングテーブル(下の写真左側)は、さほど根を詰めなくていいときに、大人も子どもも使います。
リビングの学習スペースについては、こちらでも紹介しました。
>>>新1年生の学用品収納を整えるのは5月が最適! 「前もって準備をしすぎない」のがおすすめな理由
寝室(下の写真1枚目)やベランダ(同2枚目)にはデスクやイスを常設していないのですが、ちゃぶ台やローチェアを持ち込めるようにしています。
―― 困ったこと、イライラ、モヤモヤすることはありますか。
事前にいくら言い聞かせても、子どもたちが電話中や会議中に話しかけてくるのは困りますね(笑)。相手先にあらかじめお断りしていて、乱入してもこういう時期なので、お互いさまだったり和んだりでなんとかなっています。
夫婦どちらも仕事に集中しなくてはならないときには、テレビやiPadに頼らざるを得ないこともあります。テレビは当初、子ども達に時間を決めてもらってコントロールしようとしましたが、やっぱりコントロールしきれませんでした(笑)
今はテレビの時間は1日1時間、なにを見るかは家族が順番に決めることにしています。たとえば月曜日は娘、火曜は息子、水曜は私、木曜は夫というように。大人も一緒に見ることで、ほったらかしの感じがしないし、時間にメリハリもついたように思います。
あとは、室内用の砂場など新たなおもちゃを投入したり、「NHK-Eテレ」のサイトで無料で見られるコンテンツを利用したり、みんな割と本が好きなのでベランダや押し入れの中などいろんな場所で自由に本を読んだりしています。
家族みんながずっと家にいると生活のリズムが単調で、すべてが休日のような、すべてが勤務日のような変な感覚になります。これはイマイチ解消法がないのですが……。最近、私が体調をくずして寝込んだことで、「どれもそこそこゆるくいこー」と思えるようになったのは、むしろよかったかなと思います。
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ライフオーガナイザー さいとう きい
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