おはようございます。
ライフオーガナイザーの手塚千聡です。
初めての育休を経て職場に復帰すると、「久しぶりの仕事に意欲満々だったのに、保育園からは頻繁に呼び出しがあって仕事にならない」「家にいる時間が限られていて、子どもの相手や家事も満足にできない」「慢性的な睡眠不足でいつも疲れてて悲しくなる」……なんてことも。
初めての子育てに、慣れていたはずの仕事も時短勤務で中途半端。帰宅したら、ベッドに倒れ込むまでエンドレスな家事と子どものお世話。「こんなに大変な生活がいつまで続くの?」と先が見通せないしんどさもありますよね。私も当時を振り返ると、いつもギリギリだった記憶しかありません(笑)。
そんな復職1年目の助けになったオーガナイズについて、シリーズでお届けします。
今日は誰もが一度は直面する“保育園から急な呼び出し”について。渦中にいるお母さんには大ピンチですが、これから一緒に子育てをする関係者とのチームづくりのチャンスでもあるんです。
目次
■“急な呼び出し”対応の方針を決める
復職してからもどかしいのは、子どもの発熱などで保育園からのお迎え要請が度々あること。わが家も本当にしょっちゅうありました。
その場合にどうするか。できればいくつかのパターンを試しながら、自分たちにフィットする方法を見つけるのがおすすめです。
わが家の場合、当初は病児保育施設を利用して、夫婦ともに極力出勤をしていました。当時はまだ近所に施設が多くなかったせいか、当日朝からの受付開始とともに電話をしても枠が取れたり、取れなかったり。
しかも、いつもの保育園と違う園で過ごす息子はどうしても慣れず、ストレスがかかっているように感じました。結局最終的には“夫婦でなるべくフェアに対応し合う”方針に落ち着きました。
方針は変わりましたが、なんとなくではなく、夫婦で「何が息子にとっていいか」「そのために夫婦でどんなふうにシェアするか」をまずは話し合って決めていくことで、その都度“迷う”という手間が減り、余計な時間とストレスがかからなかったと思います。
「そういえばちゃんと話し合っていなかったな」という方は今からでも遅くありません。ぜひ!
■職場にはできること、できないことを具体的に打ち明ける
方針を決めた上でまず必要だったのは、勤務先、なかでも一緒に日々働く同僚や上司の理解と協力を得ることでした。
勤務先の環境やカルチャーにもよると思いますが、言いにくいものですよね。ただでさえ時短勤務をしているのに、不測の事態のフォローを前もってお願いするなんて。ギブアンドテイクと思えたらいいのですが、実際はテイクばかりでほとんどギブはできていない気持ちにも……。
ただ、迷惑をかけるリスクがある以上、「察してください」ではわからないし、都合をつけるのが難しい以上、プライベートな事情もオープンに具体的に説明するほうが、結局は相手にも伝わりやすいというのが実感でした。
私の場合は、上司や同僚に、子どもが発熱したり嘔吐したりしたら私か夫のどちらかが「なるべく早くお迎えに行かなければいけないこと」を説明し、そうなったときにやれることやれないことを具体的に伝えるようにしてきました。協力してもらうためにできる準備(情報共有やどこに何があるかがわかるような整理整頓など)なども並行して進めました。
写真はオフィスのデスクを自宅で再現したもの。現在進行形の仕事は、まとめてファイルボックスに入れてデスクの上に。案件ごとに付箋でラベルを付けてクリアファイルに入れて、何がどこにあるかを誰もがわかるようにしています。
会社のメールがスマホで見れ、自宅でパソコン作業ができる環境だったのも、いざというときの助けになりました。今はテレワークを導入する企業も増えてきているので、テクノロジーや制度はどんどん試す価値ありだと思います。
子どもができるまでは、「自分の仕事はなんとしても自分でやり遂げるべき!」と残業も出張も多くありましたが、その頃は周りにもどこか厳しかったと思います。協力をお願いして、たくさん助けてもらっているうちに、感謝の気持ちとおおらかな気持ちを持てるようになりました。この時期があったからこそだと感じています。
■ “極力休みたくない日”を、数カ月先まで共有する
とはいえ、相手のあるアポイントや会議などのドタキャンが続く、なんてことはなるべく避けたいですよね。そのためにやったのは、夫婦間のスケジュールの共有と調整でした。それまでは日中の予定はお互い関知していませんでしたが、“極力休みたくない日”、“なんとかなる日”をあらかじめ共有することにしました。
わが家の場合、夫が数カ月先までの予定をある程度見通せるので、私もあらかじめ取引先とのアポイントは夫の“休みたくない日”には入れないようにしていました。
予定が見通しにくい場合は、あらかじめ夫婦の担当日を曜日で振り分けておくのもいいかもしれません。イレギュラーなことも出てくると思いますが、ベースがあると毎回イチから調整する手間が省け、その分言い争うことも減り(笑)、おすすめです。
私のスケジュール帳には、夫の外せない予定を青字で記入しています。
■“緊急連絡先に夫婦双方を記載する”だけでできる育児シェア
なるべく夫婦が仕事でも育児でもフェアにと思っていましたが、子どもたちが小さい頃はどうしても「お母さんがいい!」となりがちです。加えて、お父さんよりお母さんのほうが、急なお迎え対応をするのに理解を得やすいという社会的な風潮がまだまだ根強いのも事実。
わが家でも子どもたちが2歳頃までは、なんだかんだで私の出番が多くなりがちでした。でも「いつも私ばかり!」という不満はさほど大きくならず……。※なかったとは言いません(笑)
それにはちょっとしたコツがありました。
保育園に提出する書類に緊急連絡先の記入欄がありますよね。そこに“夫婦双方を記載する”ということです。わが家の場合、必ず夫婦それぞれの携帯の番号を記入し、「どちらに連絡いただいても構いません。早く連絡がつくほうに」と、ことあるごとに伝えてもいました。
上が娘の幼稚園、下が息子の小学校に提出したもの。娘のほうには「両親どちらでも連絡くださって大丈夫です」、息子のほうには連絡する優先順位一番を夫にしています(色をつけた部分がポイントです)。
保育園からは、特に指定がないと母親にかかってくることが多いのですが、双方記載しているおかげで、私が取り損ねたら、すぐに夫に連絡がいき、やりとりを済ませてくれることもありました。
後になって気がつきましたが、これが結構、夫婦で“フェアな気持ち”でいられるのに効果がありました。
夫が保育園から事情を聞き、子どもの病状を把握して私に伝え、その後「どちらがいつ頃迎えに行くか」を保育園に伝えるという一連の“渉外業務”を担ってくれているからなのです。
お父さんが忙しくて急な早退や休みが取れない場合、保育園からの連絡はお母さんにいき、お母さんが自動的に早退してお迎えに行き、夜遅く帰ってきたお父さんは知るよしもないということは身近でもよく聞いた話です。
しょうがないとはいえ、お母さんの立場では不満も募るし、孤独感も増しますよね。
ところが、“渉外担当”を引き受けてもらえると、お父さんはおのずと事情を把握しますし、お母さんに伝える際には、感謝やねぎらいの言葉をかけるはず。
これって、実際には早退したり休んだりしなくても、育児をシェアができている感覚になると思いませんか?
そして、この名もなきタスク(保育園との連絡調整)に、ぜひ名前をつけてください。“渉外業務”でも“連絡担当”でも、お父さんが張り切れるようなカッコいい名前ならいいですね。
名前がないままだと、「なんでわざわざ僕が? 迎えに行く本人がやったほうが早いじゃない」という反論に屈してしまいそう。名前がつくと、“保育園の急な呼び出し対応”プロジェクトを“渉外”担当と“お迎え”担当でシェアしていることがわかりやすくなると思います。
入園手続きの際や年度初めといった書類を提出するタイミングで、よかったら試してみてくださいね。
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ライフオーガナイザー 手塚千聡
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