日本ライフオーガナイザー協会代表理事の高原真由美です。
前回の「家づくりに役立つおすすめ記事②」では、間取りを考える前に、暮らしの軸を整理し、持ち物を見直し、モノの住所を考えることをご紹介しました。
今回は、その先の少し細かな話。毎日使うのに、家づくりの計画ではつい後回しになりがちな「コンセント」の位置と数についてです。
「多めにつけておけば安心」と思っても、使いたい場所になかったり、家具に隠れて抜き差しできなかったりすれば、便利には使えません。また数を増やせば、その分コストも上がります。何を、どこで、どのように使うのか、ここでも、暮らし方から考えることが大切です。
建てる前に読んでおきたい4記事と、今のお住まいで困っている方にも役立つ、コンセント増設の実例2記事をご紹介します。

目次
■コンセントの数を決める前に、使うものと置く場所を確認
まずおすすめしたいのは、この家づくりシリーズでは王道!一級建築士でライフオーガナイザーの和田さや子さんによるこちらの記事です。
家電の大きさを測ること、充電する場所を用意すること、テレビやインターネットなどの配線を早めに考えること。コンセント計画の基本が、具体例とともに整理されています。
たとえば、プラグを頻繁に抜き差しする家電なら、家具の奥にコンセントがあっても使いにくいですよね。洗濯機も、ドラム式か縦型かなど種類や設置方法によって、使いやすい高さが変わります。スマホや掃除機だけでなく、電動自転車のバッテリーなど、充電するものの確認も忘れたくありません。最近では、EVカーの充電場所や蓄電池などの計画も、早い段階で必要となりそうです。
わが家は使いたい家具から暮らしを考えてきましたが、コンセントも家具や家電の配置と切り離せないもの。「この部屋に何個」だけでなく、「ここで何を使うのか」まで図面に落とし込むことが必要なのだと思います。
また、候補をすべて採用すれば、費用も増えていきます。ないと困る場所と、あれば便利な場所を分けて考えるという和田さんの視点も、家づくりで迷ったときの判断材料になります。
■キッチンと洗濯室は、家事の動きと家電の使い方をセットで
コンセントの位置はどこが使いやすい? 作ってよかった&作ればよかった!コンセントの場所はココ
この記事は、新居で3年間暮らしてみて、つくってよかった場所と、つくればよかった場所の振り返りですが、こういう実例はとても参考になります。
リビング収納の中には、プリンターや鉛筆削り、充電するものを置くことを想定して電源を用意。ダイニング近くのキッチンカウンターに設けたコンセントも、パソコン作業やアイロンがけなどに役立っているそうです。
一方、室内干しをする洗濯室では、除湿機やサーキュレーターなど、当初の予定より家電が増え、コンセントが足りなくなったとのこと。洗濯室の電源というと洗濯機に目が向きますが、洗う・乾かすという一連の家事で何を使うかまで考えておきたいですね。
キッチンの手元の電源について、さらに具体的なのが中矢くみこさんの記事です。
料理スピードもアップ?! 100%活用できるキッチン家電用コンセントの場所とは?
よく使うハンドブレンダーのために、作業台の近くへコンセントを設置。以前の住まいでは差し込みにくかったプラグを、手元でさっと差せるようになったと紹介されています。
冷蔵庫や電子レンジの置き場所だけでなく、使うときに取り出す調理家電にも電源が必要です。どこで作業し、どこから取り出して、どこへ戻すのか。普段の調理の流れを思い浮かべると、必要な場所が見えてきそうです。
なお、差し込み口が足りていても、同じ回路につながる家電を同時に使えるとは限りません。使いたい家電と同時使用の場面を設計者や電気工事業者に伝え、容量や回路も含めて確認してもらいましょう。
■洗面所は「収納の中」と「家族の変化」も忘れずに
こちらの振り返りも必読です。
【新築後4年】洗面所収納の成功と失敗。コンセントと収納のカタチが明暗を分ける鍵!
使いやすい洗面所収納を計画できた一方で、壁面収納や鏡裏収納の中にコンセントをつけなかったことを、後悔していると書かれています。
計画時には洗面台上の壁にあれば十分と思っていたものの、家族の成長とともに使う機器が変化。ヘアアイロンが増えたり、ドライヤーや除湿機の電源を収納側から取りたくなったりしたそうです。
収納場所が決まっているだけで安心してしまいそうですが、電気を使うものなら「使う場所」と「しまう場所」、さらに「充電する場所」までセットで考える必要があるのですね。
将来の家電をすべて予測するのは難しくても、今使っているものだけでなく、家族がこれから使いそうなものも確認しておく。これは、子育て世代に限らず、これからの暮らしを考える私たち世代にも大切な視点だと感じます。
■今の住まいでも、コンセントは増設できる?
ここまで読んで、「もう建ててしまった」「今の家でコンセントが足りない」と思った方へ。場所や条件によりますが、あとから増設するという選択肢もあります。
秋山陽子さんは、新築後すぐ、掃除機を充電するために収納内へコンセントを増設しました。
「増設してよかった!」 収納の中のコンセント1つで、リビングがすっきり片づく
その後もゲーム機の充電や電動鉛筆削りなど、暮らしの変化に合わせて活用。収納に電源が加わったことで、そこで使えるものの幅が広がった実例です。
増設工事について具体的に知りたい方には、和田さや子さんのこちらの記事がおすすめです。
コンセントが足りない! 増設できる? 費用はいくら?プロがお答えします
家を建てたあと、子ども部屋の学習机の配置変更に合わせて増設した体験が紹介されています。ただし、希望する場所へ自由に増やせるわけではなく、壁の中の構造や配線状況などによって工事内容は変わります。
記事に出てくる費用や工事時間は、当時の条件での実例です。現在の相場や、どの家にも当てはまる金額ではありません。壁のコンセントの増設は電気工事士が施工する専門業者へ相談し、現地で方法と費用を確認してもらってください。賃貸住宅の場合は、工事の前に貸主や管理会社への確認も必要ですし、契約内容によっては認められない場合もあるため、事前の確認が必要です。
コンセント計画に、どの家にも共通する正解の数や配置があるわけではありません。まずは今の住まいで、プラグを差し替えている場所、コードを長く延ばしている場所、便利に使えている場所を見直してみる。その理由を整理することが、新居の計画にも、今の暮らしの改善にもつながると思います。
人生後半に思うことはなんですか?
これから何をしたいですか?
心地いい暮らしづくりに役立てれば嬉しいです。
次回は水曜日午前10時にお会いしましょう♪
日本ライフオーガナイザー協会代表理事
高原真由美
ブログ:JALO公式ブログ






