日本ライフオーガナイザー協会代表理事の高原真由美です。
第2・第4日曜日の午前10時には、わが家の家づくりで参考にしている片づけ収納ドットコム過去記事を取り上げ、家づくりや暮らしの見直しに役立つヒントを、現在の視点を添えてご紹介する「家づくりに役立つおすすめ記事」をお届けしています。
家づくりを考えたときの必読記事といえば、①でもご紹介しましたが一級建築士でライフオーガナイザーの和田さや子さんによる「注文住宅で失敗しない。本当に片づく家を建てる」全3回シリーズです。
家づくりというと、部屋数や設備、収納スペースの広さといった「カタチ」から考えたくなります。けれども、このシリーズで紹介されているのは、その前に必要な「考える」「片づける」「検証する」という3つの準備で、ライフオーガナイザーが大切にしているプロセスでもあります。
新築だけでなく、リフォームや住み替えを考えている人にも役立つ内容ですよ。

■まずは、家づくりの「軸」を見つける
「注文住宅で失敗しない。本当に片づく家を建てる(その1)」で最初に紹介されているのは、間取りや収納を考える前に、自分たちがどんな暮らしをしたいのかという「軸」を見つけることです。
今の家でストレスに感じていることだけでなく、気に入っているところも書き出す。さらに、家族によって異なる希望やストレスの度合いを確認する。そうして初めて、新しい家で本当に実現したいことが見えてきます。
わが家では、初回提案のA案に夫婦そろってひと目惚れしました。ところが、対話を重ねた2回目の提案では、ベーシックなB案のほうが、私たちの暮らしや要望に近いと感じました。好きなデザインだけで決めるのではなく、「この家でどう暮らしたいのか」に立ち戻ったことで、選ぶ基準が変わったのだと思います。
この考え方は、新築に限りません。あさおかまみさん(彼女も一級建築士)の「70代両親が暮らす実家の水回りをリフォーム!工事依頼する前の『思考の整理』のススメ」では、すぐに工事内容を決めるのではなく、現在の暮らし、リフォームの目的、困っていることを整理し、ご両親の生活スタイルに合わせて優先順位を決めています。
「何を新しくするか」より先に、「何を解決したいのか」「今うまくいっていることは何か」を確認する。新築でもリフォーム・リノベでも、この順番が迷わない家づくりの土台になると感じました。
■家中を片づけて、必要な収納量を知る
続く「注文住宅で失敗しない 本当に片づく家を建てる(その2)」では、間取りを考える前に、家中を片づけることがすすめられています。
必要な収納量は、家族構成や床面積だけでは決まりません。今持っているモノの量と、新しい暮らしに持っていきたいモノがわからなければ、収納がどのくらい必要なのかも判断できないからです。
田宮絵理さん(インテリアコーディネーター)の「『新居の収納は足りる?』と不安になったら、チェックしたい3つのポイント」も、自宅マンションのリフォーム前に、現在の収納の良いところと問題点を見直すことから始めています。新居の間取り図だけを見るのではなく、今の暮らしと照らし合わせながら、使うモノ、保管するモノ、新しい暮らしに必要なモノを選んでいます。
わが家も、単純に収納スペースを増やすつもりはありません。床面積を広げること=建築コストアップですから、所有物との塩梅を熟考の上、シビアに収納計画を進めています。
何を何個持ち、どこでどのように使い、どのくらいの余白が必要なのかまで考えなければ、同じ不便を新居へ持ち込むことになります。
収納量を決める前に、家中のモノと今の収納を確認する。遠回りに見えますが、不要な収納をつくりすぎたり、必要な収納が足りなかったりする失敗を減らすための近道なのです。
■モノの住所を決め、図面の中で暮らしてみる
「注文住宅で失敗しない 本当に片づく家を建てる(その3)」では、残すと決めたモノのおおよその住所を決め、間取り図の中で使いやすさを確認していきます。
大切なのは、収納スペースがあるかどうかだけではありません。どこで使うモノなのか、どの高さなら出し入れしやすいのか、手持ちの家具や家電が実際に収まるのか。図面を片手に家中を歩き、モノ一つひとつと照らし合わせる作業が必要です。
ここで参考になるのが、都築クレアさんの「引っ越し後をラクにする!収納プランを先取りする“予行演習”のススメ」です。引っ越しの2カ月前から、新居の収納プランに合わせて現在の家のモノを入れ替え、実際にその状態で暮らしてみるという方法が紹介されています。
図面上ではうまく収まるように見えても、家族が戻せない、動線に合わない、予定していたモノが入らないことはあり得ます。収納計画を完成形と考えず、まずは仮説として試してみる。その結果を設計や収納方法へ戻せば、引っ越してからの「こんなはずではなかった」を減らせそうです。
わが家はこれから、ゴミ箱や家電、掃除道具など、日々使うモノの住所をさらに細かく決めていく段階に入りますが、図面の中で暮らしを想像するだけでなく、現在の家でもできる範囲で予行演習してみたいと思います。
■間取りの前に整えたいのは、収納ではなく「判断材料」
今回のおすすめ6記事から見えてきた、間取りづくりの前にしておきたい準備は、次の3つです。
- どんな暮らしをしたいのか、家族の軸を言葉にする
- 家中のモノを見直し、新居へ持っていく量を把握する
- モノの住所を決め、図面と実際の暮らしの両方で検証する
間取りが決まったあとでも、この3つの視点は、実施設計、設備選び、家具の配置、引っ越し準備に活かせます。「収納は多いほど安心」と考える前に、まずは自分たちの暮らしとモノを知ること。片づく家は、収納の広さよりも、判断の順番からつくられるのかもしれません。
自分たちではここまでの準備はできない!とお困りの場合は、ぜひ全国各地のライフオーガナイザーを頼ってみてください。現在のお住まいの片づけサポートから新居の収納プランニングまで、幅広く対応していますよ。
次回の「家づくりに役立つおすすめ記事③」では、家づくりの細部へ進み、毎日使うのに計画から抜け落ちやすいアイテムについて、ご紹介していきたいと思います。
人生後半に思うことはなんですか?
これから何をしたいですか?
心地いい暮らしづくりに役立てれば嬉しいです。
次回は水曜日午前10時にお会いしましょう♪
日本ライフオーガナイザー協会代表理事
高原真由美
ブログ:JALO公式ブログ






